OveJa neGrA

あっという間の34歳。気持ちにあった無意味な「楽観」も、今や少しの焦りとなってきた。チリに帰りたくなってしまうこのごろ。

4 de Oct,2009 地獄に仏 3

2009-10-05 10:10:48 | Weblog
ドコに地獄を見てドコに仏をみたか。
人の心にだろうか。

いきなり襲われるという行為そのものより、彼らに内在している心が恐ろしかった。
あの眼差し。。。

そしてその後も、すがる思いで助けを求めても、何十人の人に退けられ、時にはねつけられたとき。
異国の地で無一文で途方に暮れたとき。
泣く事もパニックになる事も許されない。
なんとかしなければならないから。

警察官にしかり一般人にしかり、同じアジア人にしかり。。。
あの虚無感と絶望感が膨らみ続け、飲込まれそうになっているとき、それを押さえつけながら助けを求めても所詮は「他人」
知らぬが「仏」か

これまで自身は、出来る事はしてきたつもり。
事故現場での見ず知らずの人への救命行為や、身近な「人助け」は日常的に行って来た。
特に考えずに。。。

しかしこの有様。
地獄とは、そこにある「モノ」でなくて、他者と共に作り出される「モノ」なのかもしれない。

そして仏。
知らぬ土地で手を差し伸べてくれ、溺れかけたところを救い上げてくれた。
見ず知らずの人間に、暖かいココアを飲ませてくれ、そして電話もかけさせてくれた。
涙しながら話を聞いてくれた。

そして思う。
仏もまた、そこにある「モノ」ではなく、他者により見いだされる「モノ」なのかもしれない。

そうに考えたとき、人の存在や気持ちなんてモノはなんて儚いものなのか。

そんな体験をさせてもらえた。

不思議と祖母の顔が頭に浮かぶ。

きっと祖母なら言うだろう。


「感謝」と。。。。。。

誓って言うが、僕は信心深い方ではないし、特定の宗教も持たない。

クリスマスも祝えば、寺にも神社にもよく考えずに行く。

それでも支えにする存在はある。

それが祖母の教えか。。。

とにかく今は「ありがとう」と言いたい。
特定の対象にではなく、ただ漠然と。

そんな1週間を過ごしてきた。

4 de Oct,2009 地獄に仏 2

2009-10-05 08:01:57 | Weblog
いったい何時間、何十人に声をかけたか、はたまた何れだけ歩いたのか。
アジア人らしき人に声をかける。
日本人で在住している人。

事情を話したら、とにかく電話できるところに連れて行ってくれると。
お金を借りて、ようやくJICA事務所に連絡。
組織の人間だからこれは仕方ないのだ。
そしてその方はSさんといい、4年近くここに住んでいるのだとか。
今日はたまたま通りかかったとのこと。

そしてとにかく落ち着いてやる事を整理したほうがいいとなり、近くの喫茶店に。
カードの差し止めやその他諸々の手配を、ずっと見守っていてくれた。
暖かいココアとクロワッサンまで御馳走になり、なんとお礼を言ってよいのやら。。。

まさに地獄に仏でした。

と、一連の流れは大まかにそんな状況です。

4 de Oct,2009 地獄に仏

2009-10-05 07:27:46 | Weblog
先ずは1週間近くアップできず、多くの人に心配かけてしまってごめんなさい。

ということで、ようやく書く事が出来るようになりました。

「地獄に仏」
まさにそんな体験をしてきましたよ。

先週の日曜日(9月27日)、場所はアルゼンチンのブエノスアイレスで朝10時前、道を歩いていたら強盗に遭いました。
斜め後ろから液体を顔に引っ掛けられて、そのまま壁に押し込まれた感じ。
2人組で腹には何か突きつけられた。
なんだかは考えたくないな。。
眼は上手く開かなくて、最初何言ってるかわかんなくて、とにかく金か。。。
パスポートと身分証も持っていたからとにかくこれだけは守らないと。。。
とか、そんなことを考えている余裕はなかった。
多分数秒間の出来事。
でも腹に突きつけられたものの加減でどうなるか、ま、想像するのは容易い事。
とにかくとっさの判断で、財布を投げるようにして出して、後はひたすら走る。
と言っても、まだ視界は不完全、そして興奮か恐怖か、足もうまくまわらない。
とにかく通りまで走る。。。

1ブロックがどれほど長く感じた事か。
そして通りに出て車の姿や人を見て、急に現実に戻る。
パニックに落ちそうだった。
しかし、お金もカードも無い状態。
そしてここは外国、電話もできない。
しかも今日は日曜で、大使館も開いていない。

路頭に迷い、助けを求める。
電話をかけるお金が必要、とにかく誰かの助けが必要、誰か、だれか。。。
手当たり次第声をかけて、時に警察官、時にアジア人らしき人、時に現地の人。。
時に逃げられて、時に突き飛ばされて、時にあしらわれて、そんな状態が数時間。
吐き気と目眩でどうかなってしまいそう。
でもここで正気を失ったら、本当に取り返しがつかない。
そんなことを繰り返し頭にいい聞かせていた。