治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

飯山あかりちゃんねるを見続けて発達障害ギョーカイについて今更わかったこと

2024-12-30 06:53:18 | 日記
さて、衆議院選挙の前から始まったイスラム学者飯山陽氏による日本保守党批判on YouTube。
結局2か月付き合ってしまいました(笑)。
その間に九州場所があり、旅行行ったり、事故にあったり、色々あって、厳密にはコンプリートはしていないかもしれませんが、まあ追ってきたと思います。
先日の沖縄旅行で数回見逃し、内容のマンネリ化もあって、まあもう無理に追わなくてもいいかなとやっと思うようになりました。
知るべきことは知ったように思います。

私はイスラム学者としての飯山陽氏を信頼していました。
なぜなら彼女以前に読んだ日本のイスラム御用学者(あっちの味方をしてしまう人たち)の説くイスラム像では、世界で起きている事象をよく説明できなかったからです。
911はなぜ起きたのか。なぜ紛争が絶えないのか。なぜ欧州は移民問題に悩まされているのか。
「イスラム教は平和の宗教」という説明では納得できないことばかり。
でも飯山氏が解説してくれるイスラムの実態を知ると、すべて説明がつくのです。

ということで私にとって飯山氏は「とても優秀な学者さん」なので、百田新党とかいうところから補選に立候補するときいたとき「イスラム学者飯山陽氏の無駄遣いだ」としか思えませんでした。
政治家百田尚樹、というのが私にはまるでぴんと来ていませんでした。「ストーリーテリングの上手なテレビ出身のベストセラー作家で、どっちかというと下ネタとか連発する下品なおじさん」という認識でした。政治家にふさわしいとは全く考えていなかった。ちなみに有本香さんという人は認識していませんでした。なんかニコイチになっている女性がいる、程度の認識。

でも私の知らないところで、百田氏はネット番組等を通じて一定の支持層を形成していたのですね。どうもその人たちは、昔でいうネトウヨ層みたいな感じ。日本人であることだけにやけに優位性を感じているような、そういう、まああまり頭のよくない人たちです。

そして補選で破れ、そのあとなんか色々あったらしく(この間はどっちの動きも興味がなくて追っていない)自民党総裁選では飯山氏はやけに高市氏の応援をしたりしているのを横目で見ていたりして、そして日本保守党の衆議院選挙の候補者が公開され、飯山氏との決別が明るみに。それから飯山氏の「公益を目指した」日本保守党批判が始まります。

いやいやその手法はすばらしかった。
一次資料を読み込んで論理を展開する人文系の誠実な学者の手法とはこういうものなのだと関心しました。これはたしかに、百田有本氏にはとうてい太刀打ちできません。
アカデミシャンの強さを感じ、私は毎日見るようになりました。論理の展開の仕方が、とても勉強になりました。

そして強力な飯山アンチ層ができあがってくると、さらに興味深い現象が起きました。
そっくりなんです。
何に? っていうかというと、私がハッタツギョーカイで受けてきた数々のアンチ活動に、とにかくそっくり。

最初は「恩になったのだから歯向かうな~」ってやつ。

2005年に発達障害者支援法が施行され、啓発の予算やなんかも下りて、著者や私への講演依頼、多方面からの書籍の買い入れ、など、たしかに花風社も恩恵を被りました。
私は単純に信じていたわけです。
「未発見の発達障害者は不登校になったりニートになったりする。それを発見し介入することによってこの人たちを社会に送り出そう」というきれいごとスローガンをね。
だから純粋に信じて、一生懸命活動していたわけです。ギョーカイと仲良し時代です。

ところがギョーカイ側からみると、「小さい新興出版社に甘い汁を分けてやった」だったわけです。
そしてギョーカイの目的は「いかに予算を自分たちの利権化していくか」だったわけだから、最初からニートとか不登校を防ぐつもりなんかないわけ。
その証拠に、発達障害の認知が広まれば広まるほど、不登校は増え、でもスクールカウンセラーは機能せず、ニートは増え、でも就労支援はアリバイに過ぎず、みたいなのが明らかになってきたでしょう。
ていうわけで2008年ごろから私は方向性をシフトしていったわけです。やばいなと思った。

ちょうど裁判を抱えたころ。裁判を抱えたのも、ギョーカイが迷惑自閉症者一人教育することができなかったから。このギョーカイに見切りをつけて、そして2010年に『発達障害は治りますか?』を出したわけですよ。で、蜂の巣をつついたような騒ぎになった。

そしてね、今度日本保守党の頭の悪い支持層が飯山氏に向けた攻撃と私が受けた攻撃はそっくりだったんです。
まず「恩人に逆らうな!」。
頭の悪い元ネトウヨたちはイスラム学者の本なんか読まないので、飯山氏は百有が世に出したと思っているわけ。私は有本さんなんか知らないうちから飯山氏の本は読んでいたのだけど。
それにさ~もし百歩譲って百有氏が飯山氏を世に出したとして
その恩があるからって、真実に口をつぐんでいたらそっちの方がずっと不誠実じゃないですか。
これは、学者として、とかじゃないですよ。
人として不誠実です。
だから飯山氏が声を上げ続けたことを私は全面的に支持しています。
私が「私もギョーカイと仲良しだった時代があったから」と彼らに逆らわず「生まれつきの脳機能障害で一生治らないから生涯にわたる支援を」とかやっていたら、それ以降の本は出なかったわけです。治った自慢もなかったわけですよ。
その方がギョーカイにはよかったかもしれない。でも社会にとっては損失です。治る人が減るから。ギョーカイより社会を優先させるのが正義なんです。
だから仲間大事、っていう人は裏からみると、あんまり正義感がないわけ。


「恩人なんだからけなすな」
村人の論理ですな。
たぶん頭の悪いネトウヨたちは、義理で固められた狭いコミュニティに住んでいる人たちだと思う。だからそれが許せないのね。
飯山氏にありとあらゆる攻撃をしかけてました。
ありとあらゆるっていったって、みたことあるものばっかりですよ。
Amazonのレビュー☆一個攻撃とかさ(笑)。
不買運動とかさ(笑)。
お互いのリポストとかさ(笑)。
見たことあるものばっかりでしょ。

私はふと考えたんです。
私は「発達障害は治した方がいいから治そう」と言い出した。
「治るのなら治った方がいいな」と思った人たちが本を読んだ。
その中から花風社路線の支持者も出てきた。
そうするとその支持者たちも攻撃された。

本当にそっくりなんです。
そんなのそれぞれの道を行けばいいだけなのに、世の中それが許せない人たちがいる。考えの違う他人を許容できない人たちがいる。

自分が攻撃の対象になったとき
私はこの
「それぞれの道を行く人が許せない」偏狭性を、発達由来だと思っていたんですね。
花風社攻撃には支援者も参加したし(不買運動する大学教員とか心理士とか)、よその子が治るのが許せない保護者も参加したし、なにより当事者のき〇がいっぷりがすごかった。はっきり言いますが、私は自閉症者が大嫌いになりました。これはやはり社会参加無理だわ、って感じた。私は他人が違う道を行くのを許せない人たち=発達特性のある人たちだと思ったわけ。

ところが日本保守党の支持者たちが同じことを飯山氏にしているわけ。
それをみて、共通点は何かと考えました。
そして「洗脳」だなと思いました。

神田橋先生の本が出た当時は、みんな洗脳されていたわけ。
「生まれつきの脳機能障害で一生治らない」
それが発達医療の総意だった。
それは「ひたすら自粛してワクチンで解決」みたいに、政治的な取り決めにすぎなかったのだけど、コロナ禍前の私たちにはそれが見えなかった。科学だと思っていた。本当は政治だったんだけどね。

「生まれつきの脳機能障害で一生治らない」も完全に政治なわけ。
これを信じてもらえば、医療福祉連合は当事者の人生を一ミリもよくすることなく一生養分に出来るわけ。
だから「自粛してワクチンを待つ」と真夏に必死にマスクをしたように
みんな治りたいという気持ちを押し殺して、我慢して「社会の理解ガー」に参加したわけ。

多くの人がこの洗脳に引っかかった。
私も引っかかったかもしれない。
ただ私は、養分にする連合にいなかったので、医療福祉ではなく出版社だったので、「どうもこの支援ってやつそのものが役立たずだわ」と気づき「治った方がよくないですかね? 誰か治せるひとおらんの?」とか探し始めたわけですわ。
そして神田橋先生とか小田原の大先生とか原始反射とか、そっちと出会い始めた。どんどん本にする。皆さんがどんどん実践する。どんどん治る。そのうち海外で発達障害が神経発達症になったわけですね。やっぱりこっちが当たっていたんじゃん。

という感じなんだけど
つまり

「洗脳されている人間は、洗脳ワールドにヒビを入れそうな存在が出てくるとあの手この手をつかってひきずりおろそうとする」

わけで、そのやり方って大してオリジナリティはないのね(笑)。
まずはAmazonの☆一個から(笑)。

飯山陽さんと日本保守党の騒動で私がわかったのはこういうことでした。

だからあの当時の「花風社アンチ」っていうのは「治りたくない派」ではなく。ましてやエビデンス重視派であるはずもなく(だって彼らの信じた道にエビデンスはなかったし)。

ただただ洗脳に弱かっただけ。

「生まれつきの脳機能障害で一生治らない」という洗脳をやすやすと受け入れ、自分のいくばくかの安心と引き換えに、医療福祉の養分として自分の子の生涯をささげた人たちにすぎなかった

というわけですね。

まだ洗脳されている人たちはいるでしょう。
すでに治った人たちは、その洗脳された人たちをかわいそうだと思う。それも自然な気持ち。

でも一人一人、自分で気づかないとどうしようもない。
ずっと発信しつづけることだけがこちらにできること。


日本保守党のスローガンは「日本を豊かに、強く」らしい。
それに対し飯山さんはまず、そもそも日本保守党の宣伝番組の収益自体が党ではなく百田氏有本氏の懐に入っている事から指摘した。

それと同じなんですよ。
「生まれつきの脳機能障害で一生治らない」が誰の懐を潤しているか?
治らないことにしておくと都合のいい産業とその従事者がいるでしょう。

それを思うとやはり『発達障害、治るが勝ち!』は大事な本だったなあ。

そして当たり前だけど
医療福祉あてにならないよ の代わりに
じゃあこれやってみようよ、というオファーがなければなりませんね。

そういう仕事を今年もやりました。
あとは脳機能スクリーニング&トレーニングだけはやっていくつもり。
あれは伝える価値のある情報ですわ。

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