今回は、「はじめに」で書かれた内容をご紹介しましょう。
「疲れた時には、甘いものが一番」
「脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源にしている」ということはよく聞くし、
どこかのドラマで九十九さんという誰かもよくいいますけど、
それは、イコール甘いもの(砂糖)を摂れということではないんだぜ
…と本書では申しております。
へぇーそう?疲れた時甘いもの食べると元気出るけどねーと思いますよね。
だからその勢いで脳にもエネルギーがまわっているでしょうとね。
著者は精神科医の先生で、
彼女自身、医科大生時代と勤務医時代に短期うつになったそうで、
その時は原因も治療法もわからないうちに治ってしまったそうです。
著者は、その後マイケル・レッサー著『脳に効く栄養』(中央アート出版)
という本に出会います。
マイケル・レッサー氏はアメリカの精神科医です。
「基本的に西洋医学に基づく精神医学では、
薬物療法がほぼ唯一の治療法で(カウンセリングなどは補助的に使われます)、
その中でもとくに統合失調症は、一度発病すると薬で症状を抑えることが精一杯であり、
発病前の本人の状態に戻ることは出来ないとされてきました。
しかし、「分子整合(オーソモレキュラー)医学」による治療では、
真の意味で治り得ることがわかり、まさに目が鱗の落ちる思いがしました。」
その後著者は、栄養療法外来担当として、
統合失調症、うつ病、パニック障害などの患者さんの診療を行っているそうです。
さて、さっきの甘いものの話です。
分子整合医学の観点では、栄養障害が進行した人には、
必ず血糖の調節障害が伴うそうです。
それは機能性低血糖症というものらしいですが、
偏食したり無謀なダイエットをすると低血糖になってしまうんですね。
しかも、低血糖なら糖分を与えて高くすればいいじゃん
というわけにはいかないそうなんです。
重要なのは血糖値をちょうど良いところで保っていることなんですって。
だから甘いものを摂ると、その時ビュワーンと血糖値が上がり、その後ドーンと急降下。
実はこの、血糖値の急上昇急降下が
うつ・不安パニック・幻覚などを引き起こしやすくするのだそうです。
精神的にも肉体的にもすごく健康な、メタボでもなく持病もない人は
食べたいだけ甘いものを摂っても問題ないでしょうけど。
(…でもそういう人はそんなに恐ろしく甘いものは食べませんよね)
もし、どこも悪くはないけど、この頃疲れがとれないし、
異常に甘いものが欲しいんだよなという人は
自分の栄養状態を振り返ったほうがいいかも、ですよ。
ああそうそう、血糖を上げやすいものには甘いものはもちろんですが、
炭水化物の摂り過ぎもね。
そして、アルコールですよ。夏はビールが旨いんだけどねぇ。
アルコールは血糖だけじゃなくてアルコール依存症というものもあるからね。
とにかく日常生活に支障が出るほど疲れが抜けなかったら、
栄養状態がむちゃくちゃになっている可能性はあります。
それから脳の栄養は確かにブドウ糖ですけど、これもね。
別に甘いものを摂らなくてもブドウ糖は摂れますって。
この本は、そんな「はじめに」から始まって、
栄養療法の日常生活への取り入れ方がわかりやすく書かれています。