樹庵のお気楽ナビ

チビデビル ルックと
天使キャラ セントの日記です。

「心理療法個人授業」

2007年09月18日 | 本と雑誌

樹庵の旅は、神道から、臨床心理にやっていまいりました。
この夏(7月)に亡くなられた河合隼雄氏と、南伸坊氏の本です。

<ちょっと抜粋>

催眠について5円玉に糸を通してぶらさげてじっと見ていると、
静止していたものがだんだん揺れて来る。
これがつまり暗示です、と先生。(中略)
全然これにかからない人もいます。
それから絶対にかかるまいとする人もいる。
「これをする前に、知能の低い人や精神病の人はかからないですとか、
そういうことを言っておくわけです。そうすると、たいがいかかる(笑)」

「話合い」(カウンセリング)は大切だ。
南さんの言うとおり、「頭の中身を外に出す」ことは、実に大切だ。
頭の中だけでやっていると、堂々めぐりすることがあるが、
外に出してみると、思いがけない方向に動き出すものである。
「外に出す」という意味では、文章にしてみるのもよい。
しかし、生身の人間に向かって言うのは、
またそれとは異なる味が出てくるのだ。

(ロールシャッハテストについて)
人間のものの見方というのは、ほんとうに面白い。
こんな、これ何に見えるか、いうだけのことに、
ほんとうに思いがけないことを言いますから、人というのは。
それは、すごい人では、一つの図版から百くらい言った人がいます。
そうかと思うと、何も見えないと言う人もいました。何もわかりませんと言う。

感激したんは、いきなりねぇ、
「先生、こんなもん蝶々に見えしまへん」と言う人があった。(笑)
しかたないから、何で蝶々に見えしまへんか聞いてみた。
「そうかて、ハネがおかしいし、胴体も変です。
おかしいじゃないですか、蝶々に見えしまへんで!」
それで、次の図版を見せる時には
「今度は何に見えしまへんか?」って聞いてみた。(笑)

<樹庵的感想>

日本のユング派心理学の第一人者であり、心理療法家であった河合隼雄氏が、
よく口にされる言葉は「分かりませんなぁ」「難しいですなぁ」「感激しました」だったそうです。
河合氏著「こころの処方箋」の中で谷川俊太郎氏があとがきで書いています。

臨床心理家は、まさに「地獄の蓋を開けるような恐ろしさがある」。
心理療法家の中には器物を壊されたり、暴力をふるわれたり、
極端な場合殺された人もいる、と河合先生。
(そういえば、シックスセンスの小児精神科医も殺されたね)
それなのに、こんなに楽しくわかりやすく説明してくださってありがとうございます。

もうちょっと、ここにとどまってみようかなと思っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿