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敵
2025年1月19日
シネマイクスピアリ
監督 脚本
吉田大八
原作
筒井康隆
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吉田大八
原作
筒井康隆
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渡辺儀助: 長塚京三
鷹司靖子: 瀧内公美
菅井歩美: 河合優実
渡辺信子: 黒沢あすか
中島歩 松尾諭 松尾貴志
鷹司靖子: 瀧内公美
菅井歩美: 河合優実
渡辺信子: 黒沢あすか
中島歩 松尾諭 松尾貴志
直前に白黒映画とゆーのを知る
NHKの河合優実のドキュメントをチラ見した時
この「敵」の河合優実が出てるシーンをチラ見させてくれたん
吉田大八だしハズレはないだろーとタカをくくっていたが
長塚京三の演じるフランス文学やってた老人の日常が
延々と白黒で続くので
もしかしたらハズレなのかもしんないと思った
いつものようなワクワクするよーな
吉田大八エンタテーメントはあまりない
老人の日常が白黒で淡々と続くのは シンドイ
前日 そろそろ危ない母親を見たり
自分の体にも老いが徐々に蝕んできてたりするんで
老人の夢も希望もない生活を延々と見させられるのは辛い
やっと出て来た教え子とゆー女子は
見たことはあるが名前が出てこない女優:瀧内公美
この女子にスケベぇな下心を抱き気があるよーな感じで
女子も誘い水をかけてる感じ
このあたりから 夢か妄想かの世界が現実生活と地続きで始まる
元教え子の松尾諭が納戸の整理を手伝ったり
井戸掘りしましょうかーとかゆー役
不審者を庭で見たとかゆー松尾
前後して近所の爺が家前で犬の糞をされる犯人はこの女だと
台詞の下手な丸い女に言いがかり その場面に2回出くわす 長塚さん
長塚さんが松尾貴志に連れられ行くバーで
バイトとして働く河合優実も仏文を大学で専攻してて
下心を抱く長塚さん
何度か通うと 彼女が落とした文庫本に学費滞納通知が挟んであり
僕でよければ相談に乗るよと言う長塚さん
夢と妄想の頻度が激しくなってきて
瀧内公美が長塚さんの家で終電前までワインに酔いつぶれて
ソファーで寝てたりする
終電ぎりぎりで帰ったり 私としたいんでしょと誘われ
終電まであと15分とか言われ て
スカートめくるとパンツのアップで妄想途切れてワナワナ
オナニーしてパンツ汚して洗濯機に入れる長塚さん
階段に現れる集団の不気味な人達が少しホラー
妄想か夢に死んだ妻:黒沢あずかがフツーに出てきて
フツーに生活したり
瀧内公美と挙動不審な編集者と交えてすき焼き食うたり
「あなたこの女のこと考えてオナニーしたでしょ」と
ハッキリ女の前で言われたりする長塚さん
一緒に風呂に入ったりフランス旅行に一緒に行けばよかったねーとかゆー
私以外の女とは一緒にならないようにお願いされてる
編集者をすき焼の鍋で 殺してしまう瀧内公美 長塚さんも手伝って死体を井戸まで運び井戸の前の松尾諭に落としてもらう
長塚さんはPC(マックね)で不審メールが来る
頻繁に 敵が来るとゆーメール
「敵」メールは妄想か夢で肥大して
ノイズのように流れっぱなしでPC画面に張り付いてる
入院してる松尾貴志に
河合優実にお金を貸した途端そのバーが引っ越して
河合優実とも連絡が取れず 騙された旨を言う
平行して遺書も書いてる長塚さん
長塚さんは自殺も試みるが いよいよ敵が家に襲撃
包丁持って立ち向かう長塚さん
近所の爺も犬散歩台詞下手女も襲撃に合い撃たれる
長塚さんは死に
遺書が読み上げられ
家宅を相続した中島歩が 家内を探索
納戸にある古い写真に中島さんの顔の写真もある
双眼鏡も見つけ(映画の始めの方で長塚さんが発見したやつ 松尾さんに「これで裏窓を覗くんだ」と言ってたやつ)
中島さんも双眼鏡覗くと2階に長塚さんが居て ジ・エンド
吉田大八映画はいつもエンドロールでナイスな洋楽かけてくれるのだが
今回はなし
ニコもニックケイブも歌わない
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渡辺儀助: 長塚京三
鷹司靖子: 瀧内公美
菅井歩美: 河合優実
渡辺信子: 黒沢あすか
中島歩 松尾諭 松尾貴志
――原作の筒井康隆氏は本作を「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた」と絶賛しています。同じくSF的な味わいを持つ文学作品を、吉田監督ならではの脚色で映画化した三島由紀夫原作の「美しい星」(17)も記憶に新しいですが、映像化不可能と言われるような原作とどのように向き合うのでしょうか?
吉田:「美しい星」も今回の「敵」も自分が好きな原作なので苦労は感じないんです。たとえ苦労があったとしても好きだったら乗り越えられるというのは、脚色をしてきての実感です。「どうやって映画にするの?」なんて言われるようなものを、敢えて選んでいるわけではありませんが、難しいと言われれば言われるほど、何とかうまくやって褒められたいという気持ちも強くなります(笑)。
探っていると、自分なりにこのポイントで書けそうだ、という入り口が見つかる瞬間があるんです。「敵」の脚本も、初稿は2週間くらいで書き上げました。若い頃から愛読者だった自分にとって、筒井先生の小説は自分の血肉のようなものなので、あまり苦労は感じなかったですね。
――今作「敵」を映像化できるな、と思われたポイントは具体的にどのような部分だったのでしょうか?
吉田:この小説を初めて読んだ30代の頃から、儀助の日常生活の描写、食事の支度や家の中の雑用の積み重ねなど、一見単調に見えるからこそ逆に映像で見てみたいと思わせるものがあったんです。後半の激しい展開は、ある程度何を見せるか決まっている。前半は我慢して、丁寧に生活の断片を積み重ねることで、映画全体の設計ができるイメージがありました。そのために原作からどの要素を活かして、どれを外して……と考えることがとても楽しい作業でした。
――原作の設定は1990年代後半でしょうが、映画では現代に変更されています。儀助が思わず知るところになる“怪しい敵”は、SNSでの陰謀論なども想起させ、筒井さんの先見性を感じます。設定以外で、原作と異なる展開はありますか?
吉田:「敵」は、筒井先生の著作の中ではそれほど有名ではないかもしれませんが、すごく現代に通じる小説ですよね。ただ、預金額や年金、物価などは若干調整しました。例えば、儀助が守ると決めている講演料は現在の相場の2~3倍くらいだったのでしょう。脚本執筆段階で、現役の大学教授に取材したところ「今ではそんな額はあり得ない」とのことだったので。あとは、パソコン通信が今は存在しないところを、スパムメールに置き換えたり。基本は原作に忠実な脚色になっていると思います。
――第37回東京国際映画祭コンペティション部門で、グランプリ、最優秀監督賞、最優秀男優賞の3冠を獲得しました。主演の長塚さん起用の経緯を教えてください。
吉田:僕は初稿を書いている間は、できるだけ俳優の顔を想像しないようにしています。書き上がった後すぐに、長塚さんにお願いしようと考えました。知性の裏に秘めた煩悩と、そこから滲み出す色気と人間味、長塚さんを想像してあらためて脚本を読み直したら間違いなく面白くなると確信できたんです。
――インテリでダンディズム溢れる儀助がハマり役でした。長塚さんご自身は、儀助に親しみを感じる部分はありましたか?
長塚:ある知識階級の1人暮らしの老齢者という設定。いつか僕はこういう老人の役をやるような気がしていたのです。だから、いよいよ来たか……と思いました。儀助の設定のリアリティが人ごとではなかったですし、年に不足はないし、(こういった役は)今が受け時だろう、という気持ちでした。
儀助の、生きることに対する執着のような部分では共感はあります。でも、それをどういう風に……という方法論に関して、例えば彼の食道楽だったりは、共有するものはないかもしれない。しかし、自分の老いをそれなりになぞっていくことは、なかなか楽しいことでした。
それが演技というものなのでしょうが、僕の場合、いわゆる演技演技したものはピンと来ないのです。僕なりのやり方で言えば、そんなふうな気分でやってみる、生きてみる、動いてみること。それはなかなか楽しいものです。
例えば、自分が裸になって、いわゆる老醜を晒して、しかもそれを鏡を通して見ながら、老いというものをなぞるという場面は、願ってもいない演技の経験でした。ただ自分を見て、「あ……」と、思っているだけですが。そうか、きっとこれが演技かな、と感じて、とても楽しく、勉強になりました。
――老境の自分を俯瞰しながら、自身の美学に基づいて生きる儀助のようなシニアがいたら素敵だな、と思わせてくださる演技でした。
長塚:演じているこちらはそんなことは全く考えていませんが(笑)。やっぱりそれは監督の目でしょうね。
吉田:自分の美学はこうだ、という自意識ほど美学から遠いものはありませんよね。もちろん意識はしてしまうけど、意識の痕跡をどれだけ消せるかが勝負です。そういう意味では、長塚さんには失礼かもしれませんが、僕は儀助さんを演じる長塚さんという前提を一回忘れて、カメラの前の長塚さんはほぼイコール儀助さん、という思いで撮影していました。その儀助さんの肉体をお借りして最終稿を書き、映画を完成させたという感覚が近いかもしれません。
――カメラはずっと長塚さん演じる儀助を映し続けます。10年以上ぶりの映画主演ということで、肉体的にハードな撮影ではなかったですか?
長塚:僕は割と劇のカメラと割と相性が良いほうで、苦にならないのですが、料理をするシーンの手元などは、ごまかしようがないので緊張しました。本当に具体性のある、監督が欲しい通りの動きをしなければならないので。
吉田:とくに前半戦は家からほとんど出ずに、機材に囲まれたすごく狭い空間の中で細切れのシーンをコツコツ撮っていきました。まず朝食を作って食べ、着替えて蕎麦を茹でて食べて……場所の移動でもあればもう少しメリハリも出るのでしょうが、地味にゆっくり息が詰まっていくような撮影で、長塚さんはご苦労されたと思います。でもそれを一切顔に出さず、カメラの前に淡々と立ち続ける長塚さんに、逆に共演者やスタッフたちが励まされる。そんないい雰囲気の循環を感じられた現場でした。
――長塚さんは儀助の設定に対して、監督に提案したり、アドリブを入れたりされたのでしょうか?
長塚:そういうことはあまりなかったですね。でも、してもしなくてもいいんです。変な言い方をすれば、監督の顔色見ていれば、大体自分が正しい軌道上を回っているかどうかがわかりますから。だから僕は僕で、僕なりのやり方で楽しませる。これが儀助ですが何か? と言えば儀助になりますから。それが通用する現場で、またその楽しさをひとしお感じていました。
吉田:僕も長塚さんの顔色を見ながら、儀助を知っていくような感じでしたから、儀助が不快な状況で、ちゃんと長塚さんが不快そうならたぶんOKで、儀助が楽しそうな時に、長塚さんが楽しそうだったらそれもOKという、そんな基準に助けられましたね。
――儀助のフランス文学への情熱など、映画の中では原作よりもフランス文化のエッセンスが色濃く出ています。キャスティング当初からフランスとゆかりのある長塚さんを意識されていたのでしょうか?
吉田:儀助をお願いした後で、そういえばフランスに留学されていたんだなと思い出したくらいでした。しかし、フランス語のセリフや文学に関する記述に違和感がないかを直接確認できたことは有難かったし、聞かせていただいた留学時代のエピソードも、儀助の描かれない過去としてキャラクターの厚みを増してくれた気がします。
――長塚さんは学生時代から演劇を学び、フランス留学中に、現地の映画で俳優デビューされていますね。近年も「UMAMI」(22/邦題「旨味の旅」で配信中)というフランス映画に出演、儀助が言及する戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」映画版主演などでも知られる、名優ジェラール・ドパルデューと共演しています。フランスとのかかわりは、ご自身のキャリアにおいてどのような影響をもたらしましたか?
長塚:早稲田大学に入学して、演劇科で日本で芝居をやっていくことに志がありました。でも、ひょんなことでフランスという国に行って、しばらく生活することになって、それが映画に出るきっかけになりました。そしてその後に日本のテレビドラマに出るきっかけにもなって……そういう行きがかりみたいなものですね。
何かを計画的に、1つのステップ、次のステップという形で進めて、フランス的なものと付き合ってきたのではありませんが、それとなくフランスで友達ができて、言葉も少し覚えて帰ってきたという感じです。ですから、そこから先はフランスとの接点はほとんどないんです。友達が応援してくれたり、助けてくれたので、フランスには恩義を感じていますが、まずは日本で日本のお客さんを前に、お芝居したいという気持ちでした。
それは遅ればせながら30代になって実現し、現在に至ります。そして、今、監督とこういうお仕事ができるのも本当に嬉しいことです。当時はまさか自分が日本の俳優になれるとは思っていなかったので。「UMAMI」のようにフランスにかかわる仕事が来たときは、言葉も自転車と同じように、操縦すれば少しずつ思い出せたので、ドパルデューさんともお話しできました。
――儀助は行きつけのバー「夜間飛行」でアルバイトをする女子大生(河合優実)に好意を抱き、フランス文学の良書を薦めますね。長塚さんが若い時代に影響を受けた文学や映画作品を知りたいです。
長塚:そうですね、僕自身はもう1回、ヌーベルバーグの映画を網羅して見返したいです。昔の僕と同じ志の人たちだったんじゃないかと思うんです。上手いとか下手とかいいとか悪いとかは置いといて、もう一度彼らの志を感じてみたいですね。
吉田:例えば今、特に見返してみたい1本はなんですか?
長塚:「突然炎のごとく」や「ピアニストを撃て」ですね。フランソワ・トリュフォーの、ある種控えめな反発を感じる脚本がすごく良かったと思うんです。
吉田:長塚さんは(五月革命のあった)1968年のパリの空気を直で吸ってらっしゃるんですよね……例えば当時、フランスで見た映画で印象に残っている映画はありますか?
長塚:ジェラール・ドパルデュー主演の「バルスーズ」(1974/ベルトラン・ブリエ監督)、あとはジャン・ジロー監督の「サントロペの憲兵」シリーズ(1964~)も好きでしたね。南仏のサントロペの警察署のお巡りさんの話で、お馬鹿なコメディでしたね。ひょっとしたら1番好きかもしれません。
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