暴力団に所属せずに犯罪を繰り返す集団
半グレ集団
メンバーには暴走族上がりの者が多く、振り込め詐欺や闇金融などといった独自のビジネスを展開する集団もあると見られているものの、実態は定かとなっておらず、社会問題化するに至った。
「暴走族の元メンバーやその知人らが離合集散しながら緩やかなネットワークで行動を共にするグループ」(2013年・朝日新聞)。
振り込め詐欺や闇金融のほか、貧困ビジネス、解体工事や産廃の運搬業、クラブや芸能プロダクションの経営、ならびに出会い系サイトの運営などが大抵のメンバーのいわゆる「シノギ」(資金獲得活動)となっている。
暴力団との顕著な違いとして、暴力団に籍を置いていないがゆえに暴力団対策法の適用を受けないこと、活動の匿名性や隠密性、メンバーの年齢層の若さ(年長でも40歳代まで)、ならびに、人員供給の拡大傾向が挙げられる。少数ながら暴力団系のグループも存在してはいるものの、大半は暴力団と距離を置いているため、暴力団対策法の規制を受ける暴力団とは違い、有効な法規制を受けない状況となっている。
反社会的勢力(英語: Anti-Social Forces)
暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人
平成19年6月19日 法務省
犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ
犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ
近年、暴力団は、組織実態を隠ぺいする動きを強めるとともに、活動形態においても、企業活動を装ったり、政治活動や社会運動を標ぼうしたりするなど、更なる不透明化を進展させており、また、証券取引や不動産取引等の経済活動を通じて、資金獲得活動を巧妙化させている。
今日、多くの企業が、企業倫理として、暴力団を始めとする反社会的勢力と一切の関係をもたないことを掲げ、様々な取組みを進めているところであるが、上記のような暴力団の不透明化や資金獲得活動の巧妙化を踏まえると、暴力団排除意識の高い企業であったとしても、暴力団関係企業等と知らずに結果的に経済取引を行ってしまう可能性があることから、反社会的勢力との関係遮断のための取組みをより一層推進する必要がある。
言うまでもなく、反社会的勢力を社会から排除していくことは、暴力団の資金源に打撃を与え、治安対策上、極めて重要な課題であるが、企業にとっても、社会的責任の観点から必要かつ重要なことである。特に、近時、コンプライアンス重視の流れにおいて、反社会的勢力に対して屈することなく法律に則して対応することや、反社会的勢力に対して資金提供を行わないことは、コンプライアンスそのものであるとも言える。
さらには、反社会的勢力は、企業で働く従業員を標的として不当要求を行ったり、企業そのものを乗っ取ろうとしたりするなど、最終的には、従業員や株主を含めた企業自身に多大な被害を生じさせるものであることから、反社会的勢力との関係遮断は、企業防衛の観点からも必要不可欠な要請である。
このような認識の下、犯罪対策閣僚会議の下に設置された暴力団資金源等総合対策ワーキングチームにおける検討を経て、企業が反社会的勢力による被害を防止するための基本的な理念や具体的な対応について、別紙のとおり「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を取りまとめた。
関係府省においては、今後、企業において、本指針に示す事項が実施され、その実効が上がるよう、普及啓発に努めることとする。
2019年7月27日(土)
午後9時00分~9時49分
午後9時00分~9時49分
平成に衰退した暴力団にかわって、勢力を拡大させた犯罪集団「半グレ」。振り込み詐欺や脱法ドラッグ販売など、さまざまな闇ビジネスを展開するために離合集散を繰り返す、暴走族出身者などを指す言葉だ。暴力団と異なり、構成員も曖昧で、事務所などの明確な根城を持たず、暴力団対策法や暴力団排除条例による規制もきかない。犯罪集団とカタギという2つの顔を持つ彼らは、高学歴者を取り込みながら、ネットを使った詐欺など、さまざまな闇のビジネスモデルを構築。そこでもうけた金を土地や株などの正業に投資してさらに肥大化している。番組は東京と大阪を舞台に、半グレの最前線を取材。社会を脅かす、知られざる犯罪者集団の実像に迫る。
テポドン 吉満勇介
拳月 相良正幸
サップ西成 金城旭
暴力団の陰で新興の組織犯罪集団が勃興している。彼らに対する公的な呼称はまだなく、本書では「半グレ集団」と呼ぶことにする。「半グレ」とは彼らが堅気とヤクザとの中間的な存在であること、また「グレ」はぐれている、愚連隊のグレであり、黒でも白でもない中間的な灰色のグレーでもあり、グレーゾーンのグレーでもある。”―――溝口敦(2011年・『ヤクザ崩壊 侵食される六代目山口組』)
エンセン井上が書籍で語った証言は以下のとおりです。
それまで関西では『強者』っていうグループがずっと地下格闘技の大会をやってたのね。その関西でアウトサイダーが大会を開くっていうのは、法律では問題ないんだけど、やっぱり興行の世界だと礼儀として一言挨拶が必要になる。でも、アウトサイダーは挨拶なしに、関西での大会を発表してしまった。
そしたら強者の人間がアウトサイダーの会場に乗り込んで、大会をやめさせようとしてるって話が俺の耳にも入ったから、俺が強者に電話したんですよ。それで、『アウトサイダーは、俺がセキュリティやってるから、お前たちが来ると困るよ』って言っただけど、『挨拶なしで来られたら、やらなきゃいけない』って言って、実際(強者の幹部だった)サップ西成とか16人くらいが会場に来ちゃったんですよ」
“事件”が起きたのは、第9試合が終わった時、強者のメンバーたちが観客席から乱入し、前田のジャケットを摑みながら因縁をつけたのだ。
「サップたちが前田さんにアタックしてきた時、俺は仕事だから止めたんですよ。それで前田さんをバックステージに逃がしたんだけど、前田さんは『どうしよう、どうしよう。大会が進行できないよ』ってパニックになってるんですよ。それで俺がサップに話をして、『お前どうする?この大会を潰すつもり?』って聞いたら、『もちろん!』って言うから、『前田さんが悪くても、大会潰したら選手がかわいそうじゃない』って説得して、前田さんと『直接話がしたい』ってことになったんですよ
それで今度は俺がバックステージに行って、前田さんにそのことを伝えたら、『嫌だ!怖い、怖い』って前田さんは超ビビッてた。でも俺は『前田さん、直接話さないと進まないよ。向こうと話をする時、俺もその場にいて、絶対に手を出させないようにしますから』って説得して。そしたら前田さんは『村上と和田(良覚)さんにも来てほしい』って言うから、『わかった、それでいいよ。絶対に殴らせないから』って言ってサップを連れてきたんです。
それでテーブルを挟んで、向こうに前田さんと村上さん、こっちに俺とサップ。真ん中に和田さんがいて、5人で話をした。そこでサップが『挨拶なしって、どういうことですか?』って聞いたのよ。そしたら前田さんが『どうやって筋を通したらいいかわからなかった』って言うから、俺が『これからはエンセン通してでもいいから、大阪でやる時は連絡しましょう』って言って。前田さんも『わかった。今度からそうします。今回はすみませんでした。許してください』って謝ったんだよ。そうやって前田さんが頭を下げたから、サップも『それだったらわかりました。今日はこれで帰ります』って、一応それで解決したはずだったんですよ」
ところが、事態はそれで終わらなかった。
「大会終了後、前田さんに呼ばれて控え室に行ったら、『警察に行って、被害届をださなきゃいけない』って言うんですよ。だから俺言ったんです。『ちょっと待って。さっき謝って手打ちしたのに、警察行ったら裏切ることになるでしょ?前田さんだけじゃなく、間に入った俺も裏切ったことになるんですよ、わかってます?』って。
で、結局その日は警察には行かなかったんだけど、2日後にまた電話がかかってきて、『やっぱり警察に行くことにした』って。結局警察沙汰にして、向こうはみんな捕まったんですよ。その後彼らは俺になにもしてこなかったけど、俺が恨まれてもしょうがないでしょ? そうやって助けた人間を平気で裏切って、約束を守らないから、もう協力するのはやめたんですよ」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます