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猿之助さん一家「心中事件」と『女性セブン』と篠田博之

2023年05月31日 | 社会



猿之助さん一家「心中事件」と『女性セブン』
セクハラ告発報道との気になる関係

社会に衝撃を与えながらいまだに真相がよくわからないのが、5月18日に明らかになった市川猿之助さん一家の「心中事件」だ。5月25日発売の『週刊新潮』『週刊文春』『女性セブン』の3誌が大特集を組んでいる。
『週刊新潮』6月1日号は「『猿之助』7つの謎」と題する9ページに及ぶ特集。記事中で、一命をとりとめた猿之助さんについて、自殺ほう助や同意殺人の容疑も考えられるという指摘がなされている。恐らくそうした捜査が行われているのだろうから、終結までは詳細は明らかにならないのかもしれない。

 気になるのは、事件が明らかになった5月18日に発売された『女性セブン』6月1日号が「歌舞伎激震の性被害!市川猿之助濃厚セクハラ」という告発記事を載せていたこととの関連だ。
 その『女性セブン』の記事では、猿之助さんのセクハラ疑惑について、例えば関係者のこういうコメントを載せていた。
「猿之助さんの舞台に立った経験を持つある役者は、猿之助さんとの“関係性”にかなり苦悩していました。たとえば地方興行などの際、頻繁に猿之助さんのホテルの部屋に誘われ、お酒につきあわされていた。そればかりか“隣に寝なさい”と指示され、横になると布団の中に潜り込んできて、キスをされたり、身体を弄ばれたりと過剰な性的スキンシップをされるというのです」
 昨年、映画界の性加害問題が次々と暴かれたが、歌舞伎の世界も同じだったというわけだ。
 匿名の劇場関係者はこうもコメントしている。
「師匠と弟子、座長と役者・裏方の関係は絶対で、無言の圧力のなかで、間違っても口答えしたりすることはできません。性被害に悩んだ役者も“がまんするしかない”と無言で耐えていたといいます。厳然たる上下関係を感じ、泣き寝入りするしかないんです」

猿之助さんが『女性セブン』の取材を受け、自身への告発がなされることを気にしていた可能性はおおいにあるが、発売前にどんな対応がなされていたのか。『週刊文春』6月1日号「猿之助“心中”『次の世で会おうね』悲恋と性加害全内幕」はそれについても詳しく報じている。
 それによると、『女性セブン』が5月15日に猿之助さんを直撃。その直後から関係者が対応に動き、発売前日には猿之助さんは一門の弟子を集めて「記事に対し、強く対応していこう」と語っていたという。
 そしてセクハラ情報を週刊誌に提供した人物について「犯人探し」も行われていたと、記事中で関係者がこう証言している。
「歌舞伎の興行主である松竹の動きは早かった。五月十五日に猿之助さんが記者に直撃取材をかけた直後から“犯人探し”を行い、猿之助さんと共演経験のある役者が“告発者”であると見て、事情を聞いていた。セブンの取材を受けた彼は証拠となる資料などを提供したといいます。彼はセクハラを拒否したことで、猿之助が関わる舞台への参加が叶わなかったと周囲に話していました」

『週刊新潮』も含め、『女性セブン』の記事が何らかのきっかけになったのではないかという見方のようだ。
 5月31日付「デイリー新潮」は、猿之助さんが警察の事情聴取に対して、5月17日の夜の経緯をこんなふうに話していると報じている。
〈午後4時半から家族での話し合いを始めました。結論が出たのは午後8時のことでした〉〈こんなことを書かれたら、もう生きていても意味がない。家族みんなで死のう、ということになりました〉
 つまり、『女性セブン』の報道が原因だったという見方だ。セクハラ告発報道と「一家心中」に因果関係があるとなると、これはこれで考えるべき新たな問題を提起していると言えるかもしれない。

 当の『女性セブン』は6月8日号に「市川猿之助 本誌だけが知る『宿縁と過ち』全真相」という記事を「独走第2弾」として掲載。同誌にセクハラの情報を提供したという匿名の人物がこう語っている。
「性的ハラスメントを受けたと声を上げたことがこのような悲劇が起きた一因になってしまった可能性を想うと、とても苦しい」
 まだ真相は明らかになっていないから、現状で断定的な論評は難しい。ただ、これまで明らかになりつつある情報から、『女性セブン』のセクハラ告発報道が事件の引き金になったとすると、これはこれで深刻な事柄かもしれない。

 実は週刊誌の報道には、猿之助さんのプライバシーに関わる情報がさらに書かれているのだが、そうしたことも含めてこの事件、報道のあり方を含めた大きな議論に発展しそうな気もしないではない。しばらく推移を見守っていきたいと思う。

月刊『創』編集長・篠田博之
1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立



市川猿之助が共演者やスタッフに“過剰な性的スキンシップ”の
セクハラ・パワハラ「拒否した途端に外された」


厳然たる上下関係のもと、密室で繰り広げられていたのは、あられもない痴態だった──。歌舞伎俳優の市川猿之助(47才)によるセクハラ・パワハラ行為が浮かび上がってきた、いったい何があったというのだろうか。


「奮闘歌舞伎公演」の名にふさわしく、市川猿之助は舞台上を縦横無尽に立ち廻り、ワイヤーに吊られて舞う「宙乗り」には万雷の拍手が起きた。  明治座(東京・中央区)で5月3日にスタートした『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』で、猿之助は演目の異なる昼夜の2公演に出演中だ(28日まで)。昼の部では、1979年に植田紳爾の作・演出で初演されて以来、今回が2度目となる「不死鳥よ 波濤を越えて ─平家物語異聞─」を上演している。  猿之助は、“不死鳥”をほうふつとさせる白い衣装に身を包み宙乗りするほか、歌唱も披露。夜の部では三代目猿之助(現・市川猿翁・83才)が1984年に明治座で初演した「御贔屓繋馬」を、約40年ぶりに上演し、クライマックスの大喜利所作事「蜘蛛の絲宿直噺」では、6役早替わりの変化舞踊で観客を圧倒した。舞台に立つだけでなく、昼夜ともに演出も猿之助自身が務めており、名実ともに「猿之助の公演」だ。 「300人ほどいる歌舞伎役者の中でも、自分の名前を前面に出して大きな興行を打てるのは、成田屋の市川團十郎(45才)や音羽屋の尾上菊之助(45才)などほんの一握り。澤瀉屋の中心である猿之助は、歌舞伎はもちろん、大河ドラマ『風林火山』(NHK、2007年)に武田信玄役でドラマ初出演を果たして以降、『半沢直樹』(TBS系、2020年)や『鎌倉殿の13人』(NHK、2022年)などの話題作にも出演経験があり、トップレベルの人気を誇ります。当然、集客力も折り紙付きで、いまの歌舞伎界の屋台骨を支える名優、トップスターと言っていい」(歌舞伎関係者)  さらに澤瀉屋は、「ワンピース歌舞伎」など新作歌舞伎にも積極的で、歌舞伎役者だけでなく、現代劇の俳優やアクション俳優など、幅広い役者たちを束ねる存在だ。


しかし、澤瀉屋一門を引っ張る猿之助の行動に不安を覚える声が漏れてくる──。 「猿之助さんの舞台に立った経験を持つある役者は、猿之助さんとの“関係性”にかなり苦悩していました。たとえば、地方興行などの際、頻繁に猿之助さんのホテルの部屋に誘われ、お酒につきあわされていた。そればかりか“隣に寝なさい”と指示され、横になると布団の中に潜り込んできて、キスをされたり、身体を弄ばれたりと過剰な性的スキンシップをされるというのです」(劇場関係者)  


拒絶という手段に訴えられないのは、一門で絶対的な力を持つリーダーの猿之助と、一門の弟子筋や俳優、スタッフの力関係に理由がある。


「師匠と弟子、座長と役者・裏方の関係は絶対で、無言の圧力のなかで、間違っても口答えしたりすることはできません。性被害に悩んだ役者も“がまんするしかない”と無言で耐えていたといいます。厳然たる上下関係を感じ、泣き寝入りするしかないんです。澤瀉屋周辺では、そうした猿之助さんの行動は知られた話で、周囲は、“今日は彼が腕枕要員だったんだな”という目で見るばかりだと言います」(前出・劇場関係者)  


別の劇場関係者が続ける。 「劇場のスタッフが、猿之助さんからキスを求められたことがあったそうです。そのスタッフは猿之助さんの公演に携わってきていた人でしたが、キスを拒否した途端、次の公演から担当を外されてしまいました。それがキスを拒絶したことが理由なのかはわかりませんが、周囲はそう理解しています」


猿之助の周囲では、そうした証言が後を絶たない。ある澤瀉屋関係者が告白する。
「猿之助さんは陽気でチャーミングで洒脱で、“いいお兄さんキャラ”なのはその通りです。ただ、夜にお酒を飲んだ後、2人きりになるのが怖いんです。私の場合はタクシーで手をつなぐのは当たり前で、キスをされたり、下半身を好き勝手にされたりする程度でしたが、周りにはもっと深刻な接触を求められている人もいました。  拒否したらどうなるか。舞台で役を与えられなかったり、無視されたり、スタッフなら仕事を取り上げられたり……。狭い世界なので断るのは本当に勇気がいることなんです」  


ハリウッド発の「#Me Too」運動を例に挙げずとも、性加害やハラスメントは許されざるべき行為で、社会の視線は厳しさを増している。  


5月14日、ジャニーズ事務所は、前社長であるジャニー喜多川氏の性加害問題を巡って、現社長の藤島ジュリー景子氏が動画で謝罪し見解を発表した。ジャニー氏に対しては、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏が性被害を訴えたほか、ほかの少年も被害を受けていたことを4月の記者会見で明かした。ほかにも複数の元ジャニーズJr.が性被害を証言しており、実態解明を求める世間の声に応えた格好だ。  


また、宝塚歌劇団は、元演出家との間で訴訟に発展している。発端は、昨年12月に元演出家による歌劇団の演出助手への性加害や、団員へのパワハラが報じられたことだった。退団を迫られたと主張する元演出家はハラスメントを「事実無根」として、従業員としての地位確認と未払い賃金などの支払いを求める訴えを起こした。一方、歌劇団は報道当時「ハラスメント事案があったことは弊団として確認」とコメントし、毅然とした対応をとった格好だった。  いま、社会全体が性加害やハラスメントに向き合おうとしている。当事者が自身を省みることはもちろん、組織としても性加害やハラスメントの防止に目を光らせなければならないのは当然のことだ。


猿之助のご乱行は、それに留まらない。前出のある澤瀉屋関係者が明かす。


「コロナ禍の前から、誕生日会や新年会、忘年会、公演の打ち上げといった名目で、猿之助さんが主催するパーティーが頻繁に行われていました。参加するのは、澤瀉屋の一門にいる若手の歌舞伎役者や、猿之助さんの興行などに出演する舞台俳優やアクション俳優などです。  ただコロナ禍を迎え、飲食店など人目がある場所での大人数の集まりは憚られるようになった。そのため、ここ数年は歌舞伎座近くの名門高級ホテルのスイートルームや、横浜や鎌倉、葉山、河口湖などの隠れ家的な高級ホテルを一棟貸し切ったりして、ドンチャン騒ぎをやっていました。コロナ禍になる前より、周囲の目がないところで身内ばかりで遊べるので、“淫靡な濃厚接触”がよりエスカレートしたんです」
 
5月8日に新型コロナは感染症法上の「5類」に移行し、日常は戻りつつある。しかし、コロナが猛威を振るっていた期間中は、歌舞伎に限らず、舞台公演の関係者や、コンサートに携わる音楽関係者が細心の注意を払っていた。 「もちろん、どんなに気をつけていても感染してしまうことはあります。ですが、猿之助さんのように主役級だと、簡単に代役を立てられない。公演が中止になれば、歌舞伎興行を行う松竹にも、一門にも大打撃です。もちろん、チケットを買って観劇するお客さんにもご迷惑がかかります。にもかかわらず、人目を忍んだパーティーはコロナが猛威を振るう時期にも行われていました」(芸能関係者)  


猿之助は、2021年7月30日と、2022年7月22日に新型コロナ感染を松竹を通じて発表した。1回目では、翌8月の「八月花形歌舞伎」には代役が立てられたが、2回目はほかの感染者がいたことも背景に、「七月大歌舞伎」は7日間休演になった。 「1度目の感染の直前にも、猿之助さん主催のパーティーは開かれていました」(前出・芸能関係者)


『女性セブン』が確認したところ、2021年7月7~8日に神奈川県葉山町にあるホテル、7月29~30日には、神奈川県鎌倉市材木座のホテルで内々のパーティーが行われたという。
前者は東京と神奈川にまん延防止等重点措置が取られていたタイミングであり、後者に至っては、東京は緊急事態宣言下にあった。


「コロナ感染への意識の低さもさることながら、そのパーティーも、夜が深くなると雰囲気が変わります。猿之助さんが“お風呂に入ったら”とすすめることがあり、参加者が複数人で一緒に入浴させられるんです。  そのうちに、猿之助さんも酔っ払ってきて一緒に入浴することもありましたし、手を握ったり、体を触ってスキンシップをとったり、キスをするといったことは、平然と行われていました。猿之助さんの周囲では、パワハラにセクハラを上乗せしたような行為が日常茶飯事です。  内心ではそれを嫌がっている人もいます。ですが、次の猿之助さんの公演にかかわることができるかどうかなど考えると、拒否できない雰囲気になるんです」(前出・芸能関係者)  


ここでもまた、猿之助が興行で持つ大きな「パワー」が厳然と影響をおよぼしているのだ。 「一般社会では、絶対に許されませんよ。ですが、猿之助さんはそういった行為が、許されないことだと認識できていないようにも感じられるんです。澤瀉屋のリーダーという立場上、誰も“それはおかしいことだよ”と注意できない。当たり前のように行われ、それがエスカレートして、上下関係で下にあたる人の気持ちをまったく考えられなくなってしまう。まるで“裸の王様”です。  もし発覚したら社会的にも、組織のなかでも処罰されるようなことでも、誰にも指摘されないので、猿之助さんは、ある意味で無邪気に“悪気”なくやっているようなんです」(前出・劇場関係者)


本誌『女性セブン』は5月15日夜、公演後の猿之助を直撃した。飲食店から出てきた猿之助は笑顔だったが、本誌が名乗ると途端に不機嫌な表情を浮かべ、「答える義務はありません」とだけ話した。  


ハラスメント行為は、歌舞伎界という特殊な世界で、興行にまつわって起きた。その興行のほとんどに携わり、各々の歌舞伎役者と業務委託契約を結ぶ松竹にも、責任の一端はあるはずだ。調査、指導をすべきではないのか。


松竹に見解を求めた。 「(猿之助のハラスメントについては)プライベートの動向については、俳優と弊社は雇用関係に無いこともあり、弊社が関与・管理することには限界がございます。ご指摘の事象は承知しておりません。 (コロナ禍のパーティーについては)市川猿之助が休演に至りましたことは遺憾でございますが、現状では、弊社から市川猿之助に対し、申し入れをすべきと判断する確たる事実は把握しておりません。 (今後の対応については)ハラスメント行為は決して許されないものであり、俳優の私行においても社会規範や倫理を逸脱する行為は厳に慎むべきと考えております。公演製作・主催企業としての社会的責任の見地から、弊社の興行等に関連した看過し難い事象の発生が懸念されました場合には事実確認を行い、適正に対応して参る所存です」


(女性セブン2023年6月1日号)



 

 

 
 
 

 

 
 
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