ミサトと言う女の子がいる。
女の子と言うには少し違うかなと思うけど、女性と呼ぶには早いような、どこか幼げで少し少年のような女の子だ。
彼女は歌を歌っている。
初めて会った時の事をよく覚えている。
クラブでとても目立つ女の子がいたので、声をかけた。
とても無愛想だったのもよく覚えている。
ようは警戒と人見知りって事だ。
奇遇にも同じ職場になった。
それでも表情には女の子特有の笑顔は無かった。
彼女が楽しそうに笑ったりするのはどんな時だろうかと思ったら、音楽の話をする時だ。
レコードや見つけた音楽、行ったライブ。
ようは僕と同じような人種だ。
僕が彼女くらいの頃によく通ったレコード屋に必ず居たタイプの女の子。
脇にU.K、U.SのINDIEの新譜を抱えていた女の子。
彼女はとても優しい。
僕の無茶な企画に何度か出演してくれた。
どうしても広末涼子のジーンズを歌って欲しいとお願いしたら、ライブで歌ってくれた。
動画は絶対にアップしないと約束もした。
でも、とても似合っていたと思う。
僕の持ってる動画は一生ものになってしまった。
ある日仕事場の宣伝撮影で、二人で夕暮れブルーを歌うって機会があった。
それなら一度彼女が歌う夕暮れブルーが聴きたいなと思った事がこの動画の始まりだ。
思った以上に良かった。
もう共演する機会も限りなく少ないような気もする。
少しだけ恥ずかしそうで、どこか楽しげな女の子の歌う夕暮れブルーです。
あ、最後に。
毎年職場のスタッフ用で、彼女はバレンタインにチーズケーキを作るんだけど、昨年店に行ったら全部食べられていた。
物凄く悔しがったら、今年はわざわざ別に持って来てくれた。
そんな女の子です。
それでは動画をどうぞ。
http://youtu.be/LMKtnxLN4p8