タカダスマイルのブログ

京都西院発!!はぐれフォーク純情派宣言、何となくブルースを引きずり関西を中心に全国で活動中。

猫が死んだ

2018-10-10 05:34:41 | 日記


猫が死んだ。
17年前、以前付き合っていた猫好きの彼女に頼まれて飼うことになった猫だった。
その彼女とは結婚するだろうと母も僕も思っていたから、それまで預かるかなというくらいの気持ちで飼い始めたのだと思う。
とても臆病な猫だった。というか臆病だからこその攻撃的で、本当に手を焼いた雌猫だった。
ナイロンの物が大好きで、すぐに食べてしまい消化不良を起こして入院した事もあった。
母はこの17年間、ナイロンの物を猫の手が届く事に置かぬよう注意していたし、僕も、僕の友達も、付き合っていた彼女も恋人も奥さんも、いつもナイロンの物を置かないでと注意されたと思う。
すぐに引っ掻くし、優しい母は躾というものが全く出来ない人なので、しょっちゅう傷だらけになっていた。
結婚を機に家を出た僕は時々家に帰った際に、よしよしと、特に可愛がる事も面倒がる事もなく、撫でて帰る、そんな関係だった。
去年くらいからか、随分と痩せてしまったなぁと見るからに思うようになった。
それでもまぁ元気だったし、長生きの方ではあるので、そろそろかな?とは思って覚悟はしていた。
今朝、もうダメかもしれないから家に来て欲しいと言われ、仕事の前に実家に寄った。耳がかなり遠くなった母が、獣医さんを呼んでいるから、詳しく話を聞いて欲しいという事もあったのだ。
実家に着いて、居間に入ると、猫はグッタリしていた。あのヤンチャな雌猫は息も絶え絶えで、それでも、僕が来ると爪を立て、立ち上がろうとしてはバタンと倒れる。そんな風だった。
今日か明日が峠と獣医さんも言っていたし、僕は苦しさが続くくらいなら、早く眠るように亡くなって欲しいと思っていた。
奥さんに連絡を取ると、顔を見ておきたいから実家に向かうと言うので、また仕事を終えた後、実家へ向かう事にした。
実家に着くと姉も来ており、泊まり込むという事だった。
奥さんはずっと手を握っていてくれ、猫も喜んでいるように見えた。
終電近くで僕達は家に帰り、先程姉からの連絡で猫が死んだ事を知った。
悲しいという感情よりは、少しだけ自分の一部が欠けたように思えた。
きっと実家に寄った際に、じゃれついてくる雌猫の存在か無い事に気付いた時に、また悲しくなって、それが少しづつ積もって溶けていくのだろう。
ずっと猫の為にと生きて来た母が心配ではある。
猫が弱ってからご飯もあまり食べてないようで、元気を出して貰いにまた実家へ行かなくてはならない。