51歳になりました。
あっちゅーまでした。
27歳くらいから加速していて、ほんまあっちゅーまでした。
続けているって凄いことですねと最近特に言って頂ける事があります。
特に凄いとはこれっぽちも思った事はありません。
ただそれしか選ばんかっただけです。
いや、選べんかっただけです。
なーんもありません、お金も車も家も。
ごくごく一般的な幸せからはかなり遠く離れた所で座っています。
ある時は東北の地べた、またある時は西日本の人気の無い駅のベンチ、またまたある時は四国のライブハウスの前。
時間が来たら歌います。
お客さんの数に関係なく歌います。
ギャラに関係なく歌います。
物販の売上に心揺れながら歌います。
ホテルで泣いたり、悩んだりします。
喉と腰、足の事を心配して寝ます。
どうしてこんなに下手なんだろうと、壁を殴りたくなります。
どうしてこんなに嫌われているのだろうと月を見上げています。
そしてまた歌いに出かけます。
続けているというより生きています。
俺は死んでません。
生きています。
だから歌うのだと思います。
歌う気力が無くなったらそっと消えます。
さよならは言わないです。
そっとお別れです。
50歳の地図はボロボロでしたが、さらにしわくちゃの51歳の地図を手に入れました。
目が霞んで何も見えません。
色んな街のあの人の名前が所々に書いてあります。
大切な友達の名前が書いてあります。
そしてまだ出会えて無い人の名前もあります。
よく知っていた名前が消されています。
そんな地図です。
有名なお店の仕事をやめた時、友達と思っていた人が何人も居なくなりました。
同棲していた彼女は知り合いの男の家に行きました。
会社をやめた時もバカな事をと言われました。
DJをやめて歌い出した時も頭がおかしいと言われました。
全国で下手くそのくせにと言われました。
その分、全国でタカダスマイルが好きだよと言って貰いました。
頭がおかしいもう棺桶が見えた男は、誰も居ない地図の上に居ます。
おーい!助けてくれよ!
おーい!夢を叶えさせてくれよ!
どれだけ叫んでもその声は誰にも届いていないと思います。
そしてまた歩くしかないのです。
「また会おう」そんな呪文のような言葉はいつか消え去ってしまうと思っています。
でもまた呪文を唱えます。
「また明日。」
また明日へと歩こうと思います。
全ての今まで僕に関わってくれた皆様に幸せが訪れますように。
この歌を捧げます。
タカダスマイル