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OSS(戦略諜報局)の「敵国サボタージュ・マニュアル」には愛国扇動も含まれている。

2017-03-05 10:25:03 | 情報

サボタージュ・マニュアル: 諜報活動が照らす組織経営の本質
米国戦略諜報局(OSS) (著) 越智 啓太 (著)
北大路書房


第二次世界大戦中の1944年に米国CIAの前身組織であるOSS(戦略諜報局)が作成した枢軸国占領地域での「組織をうまくまわらなくさせる」ための機密文書、スパイマニュアルが存在する。
そのOSSが、被占領下の対ドイツレジスタンスとして、日常生活や仕事上のサボタージュ方法をマニュアル化して配付していた。
OSSのマニュアルは、それぞれの市民の日常生活の中で、ドイツ軍に疑われることなくレジスタンス活動を行い内部崩壊させる方法。それがサボタージュ(怠業)である。
 このマニュアルは敵地で仕事の進みを遅らせるように人々をトレーニングすることを目的で作られた。一般市民向けのレジスタンス活動支援マニュアルである。
「トイレットペーパーを補充するな」「鍵穴に木片を詰まらせよ」といった些細な悪戯まで記載してある。

 記述内容が今の「日本企業病」そのものなのだが、現代日本社会でも意図的に流布されている可能性は高い。
 重要なのは「愛国」「ナショナリズム」扇動も組織を遅滞・停滞させる一手段として用いられている点である。ネットではこの部分が端折って紹介されている。

『サボタージュ・マニュアル 諜報活動が照らす組織経営の本質』北大路書房から
http://t.co/yOGXXE6Yon

(2) Make "speeches" Talk as frequently as possible and at great length. Illustrate your "points" by long anecdotes and accounts of personal experiences. Never hesitate to make a few appropriate "patriotic" comments.

(2) スピーチはクソ長く、そして頻繁にやれ。あなたが行うときのポイントは、長い逸話と個人の体験に、躊躇せず「愛国的」なコメントを適度に盛り込むように。

「愛国的」という点がミソである。

計略活動を行っていることを悟られないためか。

「愛国」による人心鼓舞は一見すると効率がよくなる要素があると思われるが、実地では効用はないのではなかろうか。

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サボタージュマニュアルの「逆」を行けばチームやプロジェクトの進みやモチベーションを最大化できる。

例題紹介

◆常に文書による指示を要求せよ。
対策「e-mailを活用して効率UP」

◆誤解を招きやすい指示を出せ。意思統一のために長時間議論せよ。さらに出来る限り不備を指摘せよ。
対策「支持は適確に出す。議論は短時間で、瑣末な事は指摘しない」

◆準備を十分行い完全に準備ができているまで実行に移すな。
対策「準備が途中でも実行に移す」

◆在庫がなくなるまで注文をさせるな。
対策「在庫切れ前に発注をする」

◆高性能の道具を要求せよ。道具が悪ければ良い結果が得られないと警告せよ。
対策「低性能の道具を長く活用する」(重要)

◆常に些細な仕事からとりかかれ。重要な仕事は後回しにせよ。
対策「重要な仕事を優先する」

◆些細なことにも高い完成度を要求せよ。わずかな間違いも繰り返し修正させ小さな間違いも見つけ出せ。
対策「必要最低限の完成度で妥協する」

◆材料が適切な場所に送られない工程とせよ。
対策「材料を適切な場所に送る」

◆新人を訓練する際は不完全でいい加減な指示を与えよ。
対策「新人訓練は適確な指示を与える」

◆能力に見合わない不釣合な昇進を行い有能な者は冷遇せよ。
対策「能力にあった処遇」

◆重要な決定を行う際には会議を開け。
対策「決済権限を各自に持たせる」

◆もっともらしくペーパーワークを増大させよ。
対策「ペーパーワークは極力減らす」

◆通達書類の発行や支払いなどに関係する決済手続きを多重化せよ。すべての決裁者が承認するまで、仕事を進めるな。
対策「通達、決済の簡素化、電子化。決済権を現場に与える」

◆すべての規則を隅々まで厳格に適用せよ。
対策「全てのルールは適宜使い、極度に厳格には運用しない」

◆何事をするにも「通常のルート」を通して行うように主張せよ。決断を早めるためのショートカットを認めるな。
対策「全てのルールは適宜使い、極度に厳格には運用しない」

◆「スピーチ」を行え。できる限り頻繁に長い話をすること。長い逸話や自分の経験を持ちだして主張のポイントを解説せよ。
対策「スピーチは必要最低限で」

◆「愛国的」な主張をちりばめることを躊躇するな。
対策「愛国的な主張はしない」

◆可能な限りの事象を委員会に持ち込み「さらなる調査と熟考」を求めよ。委員会のメンバーはできるだけ多く(少なくとも5人以上)すること。
対策「基本的に無駄な密室会議はやらず、席で決めちゃう」

◆できる限り頻繁に無関係なテーマを持ち出すこと。
対策「無駄を省く」

◆議事録や連絡用文書、決議書などにおいて細かい言葉遣いについて議論せよ。
対策「文章指示は最低限にシンプルにかつ結論のみで」

◆以前の会議で決まったことを再び持ち出し、その妥当性について改めて問い直せ。
対策「全てのルールは適宜使い、極度に厳格には運用しない」

◆「警告」せよ。他の人々に「理性的」になることを求め、将来やっかいな問題を引き起こさないよう早急な決断を避けるよう主張せよ。
対策「できるだけ即断即決」

◆あらゆる決断の妥当性を問え。ある決定が自分たちの管轄にあるのかどうか、また組織上層部のポリシーと相反しないかどうかなどを問題にせよ。
対策「通例に従うか否かを必ず行動前に思考する」

サーベンス・オクスリー法、企業改革法、SOX法は、企業会計・財務諸表の信頼性を向上や内部統制をお題目に、業務内容の文書化や監査法人の監査を義務付けている。
お題目は会計や業務における不正や失敗リスクの排除にある。
単に効率が悪くなるだけであり、現場での効率改善策と衝突する場合もある。
「サボタージュ・マニュアル」の宣託から考えると、意図的な効率低下が目的だと疑いたくもなる。

特にe-mailの活用を含めた電子情報化は重要である。
但し機密情報は紙でやり取りするべきだろう。
テレビ会議の活用による移動費用の低減なども必要だ。
作業機器は低廉なもので凌げるのなら、その方が良い。
大型の設備投資は投資費用回収失敗のリスクがある。
できる範囲で、現場の改善でやりくりする方が良い場合が多い。

(参考元)
サボタージュ・マニュアルが興味深い
http://ttripper.blogspot.jp/2014/07/blog-post_17.html
http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20151011



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