わんわんらっぱー

DIYやオーディオから社会問題までいろいろ書きます。

維新が来たりて改憲の笛を吹く。

2019-05-02 19:58:46 | 憲法
○マック赤坂氏が喝破した維新の危険性
 かつて大阪市長選挙に立候補したマック赤坂氏が「維新が戦争への道を切り開く」という事を繰り返し演説で述べていた。Load of Warなんだそうである。
 その時は私にあまり危機意識はなく、まぁそうだよな、と漫然と納得したものである。

○橋下徹がリツィートで100万円の損害賠償提訴
 現在は私人と称する橋下徹がIWJの岩上氏に対して、大阪市職員の自殺に関するツィートをリツィート(その後削除)した件に関して、100万円の損害賠償訴訟が起こされている。大阪の裁判所で口頭尋問が行われたので、結審も近いとされているが、この訴訟のキモはツィートした本人でなくて、リツィートした人を提訴しているという点である。
 リツィートなんて、いちいち深く考えないで行っている人が殆どだろう。明らかに嘘だと思うのはリツィートを避けるが、信憑性が確実だという確証なんていちいち確認していない。仮に橋下徹が勝訴する結果になると、うっかりリツィートもできない。
 橋下の狙いは「新しい名誉毀損損害賠償訴訟という分野の開拓」であると同時に、民事恫喝訴訟による言論封鎖である。
 またIWJが狙われたのは、維新の本質的な問題点を番組内で論じている、という点にも注目すべきである。

○吉村新大阪府知事も恫喝訴訟弁護士
 橋下はサラ金の顧問弁護士上がりだが、今度大阪市長から大阪府知事に鞍替えして当選した吉村は更に上手の武富士の弁護人を努めている。しかも、武富士の不正を追求するジャーナリストに対して億単位の訴訟を仕掛けている。典型的な恫喝訴訟弁護士であり、悪徳横暴企業の手先である。
 今度の選挙も松井大阪府知事と吉村大阪市長が同時に辞任して、それぞれたすき掛けで出馬となった。これは、同じポストで出馬して当選しても、残した任期しか得られないので、それぞれ別のポストで出馬して4年間居座るという灰色の手法である。

○大阪人とは何者なのか
 石原慎太郎を4選させた東京都土民の民度の低さに呆れ返るしかないが、維新を勝たす大阪人も大概である。
 関西は新興宗教の華やかなり土地柄であり、2大新興宗教である創価学会と天理教は関西が地場である。新興宗教宗派は大阪で盛り上がって全国に波及していくというパターンを取る場合が多いと言われている。
 宗教というのは物事突き詰めて考えない。最後は神とか死後の世界とかへ逃げてしまう。現世の有り様を徹底的に追求するのが哲学だが、ゆえに哲学は大変に疲れるし、しんどい。宗教は細かい事は考えないで、事の善悪まで上意下達で決定がくだされる。その方が楽である。考えない方が楽なので、人は易きに流れて宗教に嵌まる。
 また、これは全国的な傾向であるが、地域社会への盲従を前提として思考して行動する人が多い。テレビが維新を煽れば、維新へ投票してしてしまう。なぜこのような事が起きるかと言えば、会社組織や地域社会に隷従していれば、とりあえず飯は食えたからである。ある意味良い時代が続いたが故に、特に自分で自発的に危機を察して考えることをしなくても良かったのである。それどころは、下手に能動的に考えて発言しようものなら村八分になる。よって、何も考えない方が得策ということなのである。
 だが、本当に何も考えないほうが得策なのか。考えないで良い時代が永続するのだろうか?

○改憲をたくらむアベ政権と創価を恫喝する橋下維新
 私人のはずの橋下は来る参議院選挙で公明党の選挙区すべてに維新の候補者を立てると恫喝する発言を行っている。どうやら、アベ政権は改憲に反対する公明党を切り捨てて、維新と組んででも改憲を発議する様相である。
 改憲の危険性は緊急事態権に込められているが、改憲後は憲法絡みの判決は既に積み上がっている以前との整合性を完璧に取る必要がなくなる。改憲されたという事実だけでも、現在よりも人民に不利な判決や法運用が行われる可能性が高い。
 小林多喜二や哲学者三木清のように獄中で死亡する事例が多発してもおかしくない。
 既にその予兆は見て取れる。労働争議に警察が介入する事例が多発している。基本的に労働争議には警察は中立でなくてはならないのだが、労働者側に引き下がるような誘導を行うようになっている。また、関西生コンではのべ55人の逮捕者が出るという大弾圧が行われている。改憲が行われれば、労働運動への予防的介入すらも予見される。

 であるから、自民党や維新や公明党へ投票してはいけないのである。仮に公明党が改心して、野党になっても公明党には投票してはいけない。なぜなら、公明党は改憲の手前までアベ政権を勝たせ続けた機動力となって働き続けてきたのである。
 アベノミクスという名前の通貨価値削減を前提とする金融緩和政策で、日本国内の貧困化が逓増しているが、2020年代半ばには劇的な通貨安インフレが予想されている。文字通り、有機生命体としての生き残りのために右往左往する時代がやってくる。これは、次の国政選挙でアベ政権を打倒しても、避けられない運命なのである。その点だけでもアベ自民党・維新及び公明党は万死に値する。

井の中の蛙たちがベネズエラ政変に関して、米帝国主義のお先棒を担ぐの巻

2019-05-02 10:26:30 | 帝国
○米帝に担がれたグアイド暫定大統領によるクーデターは失敗に終わった。
 4月30日、グアイドが空軍基地で兵士にマドゥロ政権に対するクーデターを扇動するも、結局、兵士25人がブラジル大使館に逃げ込んで収束した。

○米国の狙いは原油の強奪
 米国が他国に介入するのは資源を狙ってのことである。資源に乏しい国は狙われないのだが、途上国は鉱山や油田の掘削が進んでいない事が多いので、必然的に米国に狙われる。
 リビアの場合は油田が狙われたのもあるが、カダフィ政権がアフリカ統一通貨「ディナール」発行のために、金塊や銀塊を2兆円分も溜め込んでいいたため、これをヒラリー・クリントン国務長官の主導で奪い取られた。一説にはこの強奪した金銀を利用して、シリアでの内戦を始めたとされる。

 アメリカが輸入する原油の内、隣国メキシコが4分の1、そしてベネズエラも4分の1を担っているとされる。


○キッシンジャー・ニクソン政権はベトナム戦争を終結させるつもりだった。
 ニクソンというと近年に至るまで批判映画「ニクソン」が製作されるなど、バッシングの対象だが、私があれこれ読んだ限りにおいては、むしろ、ニクソンはベトナム戦争を終わらせる算段であったように伺える。ニクソンに米中国交回復などの度量はなく、お膳立てはキッシンジャーによるものであったのだろう。
 ニクソンのぶっきらぼうな人物で交渉人として担ぐにはうってつけだと考えられたのではなかろうか。そのニクソン政権は環境保全に関する立法を相次いで行い、アメリカ国内での原油採掘も困難になりつつあった。
 当然、軍産複合体や産業界からは批判を一身に浴びる形で辞任に追い込まれていった。


○キッシンジャー・トランプ政権の役割は?
 トランプとキッシンジャーは粗暴な雰囲気が似ている。キッシンジャーはトランプを担いで、ヒラリーとの大統領選挙戦を戦い抜いた。
 トランプ政権樹立後、紆余曲折あったが、シリアは収束に向かいつつある。そして、リビアもロシアなどが支える勢力が全土を平定しつつある。
 また、北朝鮮との緊張緩和も進んでいる。むしろ、各国へ北朝鮮との断交を呼びかけた日本が孤立する状態になっている。
 では、ベネズエラの政変は?というと、CIAが単独で暴走しているのではないかと言われている。

○井の中の蛙たちが、米帝国主義のお先棒を担ぐ
 ダマスコミ系は全部揃って反マドゥロ政権で論調を出している。なぜか?それが彼らの最大にして絶対的な役割なのである。大戦中に戦争を煽って部数を伸ばした新聞各社は戦後になって、米帝のお先棒担ぎで、その地位を担保されてきたのである。
 日本共産党も反マドゥロである。これも定番であり、違和感がないとすら言える。
 田中龍作氏は現地入りしてまで、反マドゥロの報道を行った。

 笑えないのが人民新聞でる。人民新聞も反マドゥロなのである。

 極一部の英語を直接的に理解する人民や南米の事情通以外は反マドゥロになってしまっている。

 なぜか?単に目先の情報しか見ていないのである。人民の生活が困窮している可哀想、ということなのである。
だが、その背後には米国による経済封鎖が存在し、チャベス政権時代からの石油の利益を人民に分配してきた政策を粉砕する米帝の野望がある、という観点には思いを馳せることができない。
 これを責め立てるのは不憫なのである。なぜなら、彼らは単に「善人」なので、「悪人」の思考回路を読み解くことができないのである。
 悪魔を理解するのは悪魔的思考が必要であって、それを強要するのは、無粋であるのかもしれない。










日中友好アニメ「カードキャプターさくら」が鳴らす清和会政治終焉の鐘

2019-05-01 22:49:14 | アニメ
○アニメーションに存在する言論の自由空間
 自宅ではテレビが見れないのだが、実家にはある。稀に肩揉み機を動かしながらテレビを見ることが有る。NHKはネットでは散々な言われようで、実際その通りにNHKは「アベちゃんねる化」している。2011年頃には優れたドキュメンタリー作品を放送していたが、良質な映像作品が減少しつつある。そんな最中2年くらい前にNHK-BSで「ベルサイユのばら」が放送されているのを見た。を?っと思った。あの「アベちゃんねる」が「ベルばら」ですか?と。 

 日本ではメジャーメディアは反米を煽るような内容の放送は難しい。特に報道においては一定の統制が行われていると推定されるし、報道関係者の不審死の事例は多い。だが、創作分野、つまりフィクション世界における、政治弾圧はそれほど聞いたことがない。どうやら、宗教批判系アニメ作品は圧力がかかった形跡があるが、それ以外では取り立てて仄聞しない。

 GHQが情報統制を行っていた頃から、漫画やアニメは所詮は子供向けの絵空事だということでお目溢しというのが通例なのか、大きな枠組みで言えばWar Guilt Information Programの一環で日本人を娯楽漬けにしておけ、ということで、放置なのか良くわからないが、日本の漫画やアニメでは言論の自由が存在する。それでも、放射能被曝を扱った手塚治虫のマンガ「きりひと讃歌」は版が進むごとに台詞の書き換えが行われていた。

 政治的意図という観点から言えば、悲劇的事象を描く路線もあれば、融和を謳う路線もある。私はどちらの路線に優劣をつけるつもりはないが、私の性格柄、歴史上であったり空想世界での惨劇を描く事によって発せられる政治的言論というものを極めて強く尊重する姿勢を取ってきた。

 だが、よくよく観察すると、著名人で政治弾圧や暗殺が加えられた事例には、連帯や融和的メッセージを発した事に対する、統治機構側の防御的な行動である事が多い。
 アベ政権下で「はだしのゲン」閉架問題が勃発した。これの政治的意図はよく分かる。「はだしのゲン」には内部被曝の描写があるし、「戦後の」日本統治機構の問題にも踏み込んだ描写がある。よって、広く人民に読まれたくないから閉架しろ、ということだ。
 ところが最近では唐突にジョン・レノンの「イマジン」叩きが始まった。歌詞は宗教や国境がない世界を想像し、人類の融和を理想とする世界観である。おそらく歌詞の内容の宗教批判という観点よりも、人類の融和は平和を宣言しているという点が、「奥の院」は気に入らないのであろう。


○カードキャプターさくらの続編から見えてくる日中友好路線の重要性
 話は飛ぶが、2018年「カードキャプターさくら クリアカード編」の放送が始まった。前作「カードキャプターさくらTV版・劇場版」(1998年-2000年)は、熱狂的なブームが起きた。ひねくれ者の私はリアルタイムには見ておらず、浅香守生氏が監督したGUNSLINGER GIRL(2003年-2004年)に衝撃を受けて、同監督作品をさかのぼって見たのである。浅香監督の少女の心理状態を丹念にビジュアル化、動画化する執念が作品から感じられた。
 登場人物達は前作クロウカード編・さくらカード編は小学生5・6年生だが、クリアカード編では中学生になっている。基本的には、主人公・木之本桜と香港から転校して来た李小狼(リ・シャオラン)や李苺鈴達と共に、魔力が宿るカードが繰り出す障壁を乗り越える形で物語は進んでいく。
 
 原作者であるCLAMPに政治的な意図は無いと思われるが、よくよく見てみると、日中友好を意図する演出が随所に感じられる。特に最新作であるクリアカード編では登場人物は中学生になったというのもあって、中国語や英語がポンポン発せられて、国際色が豊かに感じられる演出のみならず、さくらとシャオランの恋愛物が語という点が強く押し出されている。
 前作の原作連載やアニメ放送が始まった1990年代では、近未来では中国が覇権を握っていたり、個性的な中国人系キャラクターが登場するアニメ作品が増えてきた。それはSF色を強く押し出すための演出の一環であったのであり、特に中国を持ち上げるというものではなかったと思う。例えて言えば、リドリー・スコットのブレードランナーが近未来色を映像化するために日本人や日本文化を作中に登用したものと同じ意図であったと推測される。であるから、特にCLAMPが中国押しということではなかったのだろう。
 私も2000年代にはそのように考えてきた。
だが、石原慎太郎-前原誠司-野田佳彦らの尖閣問題に端を発した日中間の諍いや、アベ政権下のおける排外主義の横行で、日本の世相は経世会政治が紡いできたアジア融和路線から暗転する様相を見せてきた。
 製作関係者の意図とは別に、日中友好色が強く、広く国内外で視聴されるアニメ作品が存在するだけで政治的な意味が発生しえた、と私は感じたのである。
 つまり、日中関係が米国の指図に従う政治家によって、狙い通りに険悪化する中で、日中友好を物語として紡ぐアニメ作品はその政治的存在価値が増大したのである。

 前作のカードキャプターさくらのアニメ化に当たって、当時マッドハウスの社長であった丸山正雄は浅香守生へ監督の依頼をしている。(1) 放送するNHKの側もアニメーションとしては最大規模の予算編成を行ったとされる。
 丸山は1983年の「はだしのゲン劇場アニメ版」に設定で参加している。以後「政治的にややこしい作品」を意図的にプロデュースしてきている。最近話題の『この世界の片隅に』の映像化も丸山の力量に負うところが大きいとされる。荒っぽく言えば、私が勝手に規定する「アニメ思想史」なるものが存在するとすれば、丸山正雄は宮崎・高畑に次ぐ存在である、と評しようか。 
 その丸山はアニメがもたらす良い意味での「ソフトパワー」を使って日中の関係を良好なものにするべくアニメ化を行ったのかもしれない。
 当時、NHKの会長は海老沢勝二であり、新シルクロードなどを肝いりで製作するなど親中派の人物であったことも影響していると考える。

 2000年は政治的に激動の年であった。森喜朗を首相とする清和会政権が誕生し、日本の財政危機を訴えていた石井紘基議員が刺殺された。

 2000年、丸山が企画に携わった『劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード』をもって、主人公を演じていた丹下桜が事実上の引退をした(2005年から声優業に復帰)。カードキャプターさくらシリーズのアニメ化もそこでストップした。また、同年に丸山はマッドハウスの代表取締役を退いている。

 文字通り人気絶頂だったカードキャプターさくら自体が封印されてしまったのである。私には舞台裏を知る由も無いが、清和会政権の誕生と同じ時期に、続編の製作の望みは絶たれてしまったかに見えた。

 丸山は2011年6月にマッドハウスを退社してMAPPAを設立している。MAPPAの社長は後進に譲り、現在は会長職にある。そのMAPPAは、2016年には日露友好アニメとも言える「ユーリ!!! on ICE」を製作し、2017年の覇権アニメ(パッケージソフト販売の商業的成功)と称された。

 2018年、丸山の古巣のマッドハウスは2016年からCLAMP原作マンガの連載が開始されていた「カードキャプターさくら クリアカード編」のアニメ化を行ったのである。
 「クリアカード編」は最新のデジタル技術を多様して、セルアニメ作品の最高峰と賞賛された前作品群を凌ぐ圧倒的情報量を持ってして、元来持っている淡い色彩が放つ世界観を劇的に彩っている。
丸山の関わった作品は数多いが、インフルエンサー的な役割でアジア諸国民を揺り動かした観点から言えば、「カードキャプターさくら」こそが最も政治的に重要な役割を果たした作品と言えようか。

 暗い話が多い世相だが、私は本作が含有する輝ける映像と台詞を通じて、アジアの融和と平和を維持する心因的礎(いしずえ)とならんことを願うものである。

(1)浅香守生監督インタビュー/【カードキャプターさくら】制作裏話
https://matome.naver.jp/odai/2143749648540949101