スペインに伝わる民話です。
よく働く靴屋のもとへ、天使が乞食の姿になって現れました。靴屋は言いました。「家族を養うのにも困っていて、何もあげられるものは持っていないんだ。皆ワシに、何かくれと言う。こんなワシに何かくれた人などいやしない。」
乞食は言いました。「じゃあ、私があなたに何かをあげましょう。何が欲しいのですか。」靴屋は、面白いジョークだと思い、笑って応えました。「じゃあ、百万円」
「分かりました。そのかわり条件があります。あなたの足を下さい。」「冗談じゃない。自由に動けないじゃないか。交換出来るものか。」 「では、1千万円あげますから、あなたの腕を下さい。」
「つまらんこと言うな。この右腕がなければ仕事が出来ない。売れるもんか」
「そうですか、では1億円あげましょう。そのかわり、あなたの目を下さい」
「駄目だ、駄目だ。この素晴らしい景色も家族の顔も見れなくなるじゃないか。売れないよ」
「そうですか、あなたはさっき、何も持っていないと言っていましたけれど、本当はお金には代えられない価値あるものをいくつも持っているんですね。しかも、それらは全部もらったものでしょう」
靴屋がしばらく目を閉じ考え込んでいると、あたたかな風が吹いたような気がしました。そして乞食の姿はどこにもありませんでした。
よく働く靴屋のもとへ、天使が乞食の姿になって現れました。靴屋は言いました。「家族を養うのにも困っていて、何もあげられるものは持っていないんだ。皆ワシに、何かくれと言う。こんなワシに何かくれた人などいやしない。」
乞食は言いました。「じゃあ、私があなたに何かをあげましょう。何が欲しいのですか。」靴屋は、面白いジョークだと思い、笑って応えました。「じゃあ、百万円」
「分かりました。そのかわり条件があります。あなたの足を下さい。」「冗談じゃない。自由に動けないじゃないか。交換出来るものか。」 「では、1千万円あげますから、あなたの腕を下さい。」
「つまらんこと言うな。この右腕がなければ仕事が出来ない。売れるもんか」
「そうですか、では1億円あげましょう。そのかわり、あなたの目を下さい」
「駄目だ、駄目だ。この素晴らしい景色も家族の顔も見れなくなるじゃないか。売れないよ」
「そうですか、あなたはさっき、何も持っていないと言っていましたけれど、本当はお金には代えられない価値あるものをいくつも持っているんですね。しかも、それらは全部もらったものでしょう」
靴屋がしばらく目を閉じ考え込んでいると、あたたかな風が吹いたような気がしました。そして乞食の姿はどこにもありませんでした。