ナルシスが死んだ その美しい姿からは絶え間なく
まるでヘリオトロープの香りのように濃密な
彼の本質に近いものが立ち上っていた
けれども彼の運命(さだめ)は 自分を見つめることだった
彼は愛した 自分から出て また自分のなかへ帰ってきたものを
そしてもはやあからさまな風のなかにまじってはいなかった
うっとりして さまざまな姿の圏を閉じ
自分を放棄しながら 彼はもはや存在することができなかった
~Rainer Maria Rilke(富士川英郎訳)
ヘリオトロープは
学名: Heliotropium arborescens
和名:ニオイムラサキ キダチルリソウ(木立瑠璃草)
性状:常緑小低木(非耐寒性)
茎頂に濃紫色の小さな花が多数集まって咲き、甘い香りがする。香料作物としても栽培する多年草。
花期:春 香水で有名。
【花言葉】 献身的な愛
ということです。
献身とは?
ナルシスとは?
ぱらぱらとめくって出会ったリルケの詩にはいつもドキリとする。