「馬鹿音頭」は「馬関音頭」という説があるわしい。
というのは、今加東市下滝野地区で演じられている「お杉」
という題材が、現在の下関を舞台にしており、下関は馬関と
呼ばれていたことがあるためだ。
下関では今でも「馬関まつり」が開催され、「お杉」と同じ
題材が演じられることがあるそうだ。
確かに河内音頭のように発祥の地を名前に持つ音頭も
あるので、馬関が発祥の地であれば馬関音頭がなまって
馬鹿音頭となったというのもありかなと思う。
しかし、この説には疑問がある。
馬鹿音頭の題材には、「お杉」の他に、上滝野地区で
演じられていたという「佐倉惣五郎」や新町地区で演じられて
いたという「石童丸」がある。
今演じられているのは、物語が始まる前の前ふり、
と物語の本の少しだけであるのだが、本来はいったん歌い
はじめると、一晩かかるぐらいに長くかかったらしい。
つまり、ひとつの地区でいくつもの題材が演じられたというの
ではなく、下滝野地区なら「お杉」上滝野地区は同じものを演じる
のも芸がないので「佐倉惣五郎」というように住み分けていったの
ではないかと思う。
「馬鹿音頭」というのは形式であって、題材はいろいろある。
つまり、馬関だけが舞台になっているわけではないのだ。
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