映画と渓流釣り

それが好きだということ 6月の頃

  6月の頃 「ミッドナイトエクスプレス」

大学生になって都会に出てきたわたくしは、何が何でも沢山の映画を観ようと決心してました。
学校のサークルには70年安保を引き摺ったような先輩もおりましたが、一番びっくりしたのは途轍もない量の映画鑑賞をしている人がこの世に存在した事です。

ある日、その中の一人に「タクシー・ドライバー」の鑑賞を薦められて行った名画座で出会ってしまったのが、6月のお話し「ミッドナイトエクスプレス」でした。
監督のアラン・パーカーは「小さな恋のメロディ」の生みの親だし、プロデューサーのデビッド・パットナムも同様。そして脚本はその後に「プラトーン」で一世を風靡したオリバー・ストーン。そりゃ面白くない訳ないですね。
所謂脱獄ものなので、傑作映画の王道なんですが、暗い画面がひたすら続く後に訪れる光溢れる開放感がやっぱり気持ち良い。「ショーシャンクの空に」にも通じる快感です。

今のように配信で好きな時に好きなコンテンツを自由に選択できるなんて夢にも思えなかった時代。
DVDどころか家庭用ビデオさえなかったあの頃。わたくしたちはぴあを片手に名画座のハシゴをしたものです。渋谷や池袋は名画座だらけでした。300円で3本の名画(傑作)を観る事もできたのです。今の若者は自由なスタイルで矮小なモニターを覗く方が落ち着くんでしょうね。でもね、映画は大きな画面で観てもらう事を念頭につくっているし、映像も音楽も役者の会話でさえ浴びるように観なければ本当の感動は味わえないんだと思う。
わたくしたちはその意味でも、幸せな映画世代ではあります。
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