地方の魅力の一つに、その土地ならではの「方言」というものがあります。見慣れない土地、風景の中で聞き慣れない言葉というのはそれだけでノスタルジックな気分に浸らせてくれるものです。
もちろん島根県にも方言はあります。”出雲弁”と言われています。
※出雲弁は主に島根県東部、すなわち出雲市や松江市、安来市などの地域で話されています。山口県寄りの津和野市や益田市の方とはまた違ったニュアンスになると思います。ここではあくまでも松江育ちの人間の狭い主観で説明させていただきます。人によっては差異もあるかと思いますがご了承ください。
まず出雲弁のしゃべり方の特徴として、あまり口を開けずにしゃべる というのがあります。口を大きく開けないのでイントネーションに抑揚が少なく、濁音の強いしゃべり方の印象を受けます。俗に出雲弁が「ズーズー弁」と呼ばれる所以です。ズーズー弁=東北弁というイメージがあるかと思いますが、遠く離れに離れまくった島根にもこのズーズー弁は生きています。
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出雲弁ネイティブスピーカーの私からしても、東北弁の方のしゃべり方は出雲弁と似ているな。と感じます。動詞などの単語の一つ一つは違う言葉に訳されて理解できないこともありますが、イントネーションや固有名詞を言うときの抑揚は一緒なのでなんとなく理解できます。
ではなぜ東北と遠く離れた島根が同じようなしゃべり方になるのでしょうか?私見ですがそれは環境が似通っているからだと思います。両地方とも海に面しており、なおかつ海からの寒風が吹きすさんでいる地方であるのが要因かと思います。あまり口を大きく開けてしゃべると冷気が体内に入り体温が下がります。また、防寒具で顔を覆っているので、口を動かすと防寒具の隙間から風が入り肌にあたります。それらを防ぐために、口を開けないしゃべり方が主流となってしまったのだと思います。
よく「怒ってる?」と聞かれます。出雲弁特有のボソボソと暗くしゃべるためそのような誤解を受けるかと思います。全然怒っていません。気軽に話かけてあげてください。
以上が出雲弁の概要です。次回から(不定期で)、具体的な語句であったり文例、言葉のバックボーン等を交えて紹介していきます。