さて、今日は出雲弁講座です。おかげさまで第4回目となります。
再三申し上げている通り、これは島根県松江市に生まれてから18年間住んでいた出雲弁ネイティブスピーカーの方言講習となります。同じ出雲弁スピーカーでも、奥出雲や浜田の人とは少しニュアンスが変わるかと思います。その辺の違い等も楽しみながら読んでいただければありがたいです。
①『たばこ』‥もちろん”煙草”ではありません。”休憩””(体勢などを)楽にする”という意味です。「おまっしゃん、たばこすーだわ(あなた、休憩したらいいよ)」と言うと相手の体調を気遣い休憩を促す優しい言葉となります。 出雲弁では、~する。 という言葉の る が省略され母音の う だけが残ります。 ~すー。って感じ訛ってしまいます。
たばこ という単語と すー という言葉が一つの文章で合わさることで少々誤解を生むことがあります。
例えば初対面の出雲弁スピーカーと話をする時。相手がこちらのことを気遣い、「足でも崩して、たばこすーだわ。」と言ってくれたのを「煙草、吸うだわ。」と聞き間違えて「あれ?自分が喫煙者だって伝えたっけ?まぁいいや。吸っていいって言うなら吸ったれ。」と考えて、煙草に火をつけてしまうこともあります。相手からしたら、楽にしていいとは言ったが煙草を吸うことまでは許してないのでビックリされます。こういう悲劇を起こさないためにも、たばこ=休憩というのは覚えておきましょう。
ちなみに煙草の「たばこ」も、休憩の「たばこ」もイントネーションはまったく一緒です。
②『はいぐん』‥”うるさい””騒がしい”という形容詞です。「いつまではいぐんしちょーかね!(いつまで騒がしくしているの!)」と怒られるシーンではよく耳にします。活気がある市場や合奏している場面に対して使うのは相応しくないと感じるので、イライラするようなうるささに対して使うのがベターかと思います。したがって言っている方は往々にして怒っています。
語源は昔、父親に教えてもらいました。はい=やぶ蚊のような小さな羽虫 が、群体となり飛んでいてうるさくて耳障りだった。なので「はいの群(ぐん)」が訛って「はいぐん」となり、うるさく耳障りなものを指すようになったとのことです。