はんかくさいんでないかい。

八つ当たりブログである。だから誤爆はある。錯誤もある。情報の正確性も保証しない。でも、変なことは変だと言いたいのである。

アイアン・スカイ

2014年05月20日 | 映画


基本的にパロディ映画であるし、お馬鹿映画なのだが、そのお馬鹿映画としての本質が、正しいパロディ映画として成立している。特にレテーナ・リヒター役を演じた女優ユリア・ディーツェが、異様に可愛く見える。

ナチスが月に逃亡し雌伏し、地球をアーリア人国家で統一しようとするというヒトラーの妄想も含め、今日の国際政治のデタラメさすら表出させる。最後は月面ナチスを打倒した地球の国家同志が核を打ち合い地球が滅びることを暗示して終わるエンドロールにいたるまで、笑いと毒が適度に交じる。異様で意外な傑作なのかもしれない。

戦争を始めた大統領は再選されると語る女性米国大統領やら、そのブレーンと戦争の遂行者が女性広告屋だったりとか、今日の世界の「歪み」を、思う存分切り取っていて、月面ナチと対峙する各国が、実は宇宙協定を破って武装宇宙船を各国が保持していたとか、平和の象徴である国際宇宙ステーションの隣で、月面ナチの戦艦と各国の宇宙戦闘艦が互いに攻撃をしあうなど、その吐いている毒は十分だ。

毒の無いパロディ映画なんぞには存在意義が無い。月面ナチの中にはマッドサイエンティストも登場するし、盛り沢山である。

でもねぇ、世界がこんなパロディ映画のような「底」で動いているのだとしたら、楽しくはないかもね。笑いながら世界を憂う映画ということか。

身も蓋も無い結末が嬉しい

2013年11月01日 | 映画

 思いっきりB級映画である。さほど美形とは言えぬ女優と、二枚目になり損ねた俳優の濡れ場などもあって、お楽しみシーンはそれなりにある。

 発端はパブである。英国空軍大尉の主人公(?)と友達二人、さらにその友達のうちひとりの恋人がいる。空軍大尉は黒髪の美女(?)をパブで引っ掛け、更に友人と恋人、飲み過ぎた友人の合計五人で自宅に帰る。帰宅すると濡れ場シーンである。お盛んなことである。女優の乳がちらりと見える程度だから、ハードそうにみせながらもハードじゃない。

 一日を経て、翌朝停電が起きる。そこで空軍大尉は「24-36」と語る謎のホームレスと遭遇する。狂信者のタワゴトと思ってやり過ごすのだが、そこで「緑のしるし」という言葉も語られる。その日はそれで終わる。

 翌朝目覚めると、空中には巨大なUFOが。ひと悶着あった結果、空軍大尉は叔父であるジャン・クロード・ヴァン・ダムに会うためにガソリンを探し、黒髪の女性と車を飛ばすが、途中で思わぬ事故に遭う。事故者の中に生き残っていた少女を間一髪救出し、その少女の怪我を治すために薬局を探し当てるが、そこには警官が「泥棒が何度も入っている」と警備に立っていた。

 少女を治療のため、薬局内に運び入れた空軍大尉だが、警備の警官がいきなり少女を撃ち殺そうとする。少女には警官の「緑のしるし」が見えたのである。大乱闘が繰り広げられ、空軍大尉が警官に刺される寸前、黒髪の女が大意を助け警官を殺す。怪我を負った少女は手当てを受けられる。

 友人たちと落ち合った空軍大尉は、ジャン;クロード・ヴァン・ダムのアジトに向かおうとするのだが、巨大UFOの艦載機と思われる小型UFOに妨げられる。そこに軍の伍長二人がミサイル砲で小型UFOを破壊し登場する。その直後、なぞの「24-36」という言葉を語ったホームレスが登場し、空軍大尉が所持した拳銃を奪い、その狂気にも満ちた言葉を延延と語り続ける。伍長たちはホームレスをやむなく射殺するのだが、その際、空軍大尉の友人が撃たれ死ぬ。

 ようやくの思いでジャン・クロード・ヴァン・ダムの元にたどり着いた一行だが、空軍大尉と一夜を伴にした黒髪の女が、UFOの宇宙人の変身した姿だと判明する。その判明の過程で、主人公と思われた空軍大尉は、黒髪の女に頭を撃ち抜かれ、簡単に退場する。黒髪の女はジャン・クロード・ヴァン・ダムと二人の伍長の活躍で倒すかと思われたのだが、そこに小型のUFOが登場する。ジャン・クロード・ヴァン・ダムも簡単にUFOによって分解されてしまう。そのUFOによって全滅するかと思われたのだが、別のUFOが顕れ、小型UFOを攻撃し破壊する。空ではUFO同士の空中戦が行われる状態となる。

 残ったのは大尉の無くなった友人の恋人、横恋慕するインド系の友人、伍長一人、事故から助け出された少女だけとなる。インド系は友人の恋人に横恋慕し、伍長と激しく争う。突然電源が回復し、テレビには見知った顔が登場するのだが、そこに特殊部隊の隊員と思われる連中がおしかけ、全員を抹殺する。

 実は円盤型巨大UFOと、多分敵対するであろう円弧型の巨大UFOが、地球の周回軌道上で覇を競っていたのである。


 かくして、より進んだテクノロジーを有した違う宇宙人同士の抗争が、地球の周囲で行われ、人類はそれに巻き込まれてオシマイとなるという、殆ど身も蓋も無い話となる。

 これが米国だと絶滅したとしても人間の人間的なものが救いとして残るという「スカイライン ~征服」のようなものになるのだが、英国製となると流石にシニカルで、まったく救いの無い人類の絶滅が描かれる。人間的なものが一切感じられないという点では、我々が蟻を踏みつけて殺しても、蟻の気持ちがわからないのと同様である。

 同じ人間であっても、相手の気持ちが理解できない人も多い。いや、復興庁の復興無用論を唱えたお役人などは、その「相手の気持ちに寄添うことが苦手で、まったく出来ない」という人の典型である。多分、こ~ゆ~人は、ここで登場する宇宙人と同化して、何も感じずにいられるのだろうなぁ。オレは一応ヒトだから、あまりヒトデナシの気持ちはわからない。

 このような侵略モノ映画の常として、侵略に抵抗する人間が出てくるものだが、オレが宇宙人ならば、人間の生殖機能だけを奪うようなウィルスを大気中にばら撒き、人間が絶滅してからユックリ地球侵略をするけどね。他の生態系をそのまま維持するためには、人間の生殖細胞だけに特化したものが必要だろうけど、人間よりも遥かに優れたテクノロジーを持っているのなら、これ簡単にできるでしょ。


アンダーワールド2

2013年10月04日 | 映画

 主演女優ケイト・ベッキンセールがタイプである。別にヴァンパイアと狼男の闘争には、実は興味が無い。

 ヴァンパイア族と狼男(ライカン)族は、不死の種族である。特にヴァンパイア族の長であるマーカスとライカン族の祖であるウィリアムは兄弟だった、という設定である。

 ヴァンパイア族の過っての長であるビクターは、ヴァンパイア族とライカン族の混血者マイケルによって前作で倒されているのだが、まだマーカスは残されていた。政治的な力量が上だったビクターが、マーカスを押さえ、ライカン討伐のヴァンパイア側の首領となっていたのだが、マーカスは完全に人間に戻れずに狼形態になってしまった弟ウィリアムとの絆を、500年にわたって持ち続けていた。

 ビクターがマイケルとヴァンパイアの暗殺者である主人公のセリーンによって滅ぼされた後、マーカスは復活を遂げる。ヴァンパイア族とライカン族との間で巧妙に立ち回っていたビクターの手先で、マイケルからも逃げ去った裏切りモノのクレイヴンは、冒頭でマーカスに瞬時に殺され、マイケルとセリーンの存在を知る。

 こうしたヴァンパイア族とライカン族との死闘の後始末をしていた謎の集団が現れる。その正体は何か。部下から閣下と呼ばれるその存在は何か。復活したマーカスと、ビクターによって500年以上幽閉されつつたウィリアムの幽閉先はどこか、その手がかりはセリーンとマイケルの手元にある。

 これが「ホラー映画」だと言う意見には与しない。冒険活劇お色気映画である。設定が「不死者」という面妖なものであるだけで、なにやらドラクエの復活の呪文で復活する主人公と同じような感覚で見られる映画でもある。しかも、その不死者の謎が「すべて解明されず」に、ただ、その「不死者の源泉」は提示される。

 主演女優のケイト・ベッキンセールのベッドシーンが印象的である。だから、好みなんだってば。 :-P