杤山修 原子力安全研究協会処分システム安全研究所長 2013.11.25
日本記者クラブの会見で、原子力安全研究協会のシステム安全研究所長は安全性を語る。しかも、その語る年月の単位が数万年のオーダーで語る。数万年はおろか、数千年でも保持できるとは思えない。国や社会制度がそんなに続くはずが無い。
忘れ去られることを前提に案出されたのが地層処分であるのだが、残念ながら日本で地質年代が古い地質構造は、実はそれほど安定しているわけではない。どちらかといえば、千年という短い単位で大地震が起きるという、不安定な地層なのである。
ここで語られていることの多くは、日本という国土に於ける「安定した地層」が、果たして本当に存在するのか、という話である。カナダの十億年を超えながら固定し続ける地層などが、果たして日本にあるのだろうか。このあたりの問題点に対する回答は、実は何も答えていないように見える。具体的に「どこ」が日本という狭隘で不安定な地質を持つ国土で示されるのかには、一切答えていない。ただ地層処分は高濃度放射性廃棄物の廃棄方法として有効だ、というだけである。