多摩爺の「時のつれづれ(神無月の47)」
蒼天有眼! 人在幹天在看
先週末、この国ではあまり大きな話題にはならなかったが、
現役のトップとは対立関係にあり、つい半年前にナンバー2から退いた・・・ お隣の前首相が、
心臓発作によって、68歳で亡くなったとの情報があった。
前首相は今年3月の全人代で「蒼天有眼! 人在幹天在看(おてんとうさまは見ている。)」と、
現政権に対して・・・ 意味深ではあるが、痛烈な批判とも取れるような発言をして、
万雷の拍手を最後に、政権の中枢から退いている。
「蒼天有眼! 人在幹天在看」の言葉を、どのように読めば良いのか分からないが、
漢字文化のこの国の人間なら・・・ 「おてんとうさまは見ている。」と云ってることぐらいは、
なんとなくだが察しが付くから「凄いことを言うもんだな。」との驚きとともに、
「こんなこと言っちゃって、命は大丈夫なのか?」と、他人事ながら心配をしてたので、
「あれっ?」って感じと、「やっぱり!」って感じが・・・ 直ぐさま脳裏に浮かんでいた。
ネット情報によれば、遺体はすでに北京に運ばれ、今週中にも葬儀が行われるようだが、
前首相が幼少期を過ごした地域や、要職を務めた地域など、所縁がある地域では、
亡くなったことを悼んで、献花に訪れる人々が長い行列を作っているとのことらしいが、
現トップとは対立関係にあったこともあり、当局の出方(警備体勢)に注目が集まっている。
また、現トップが強引に推し進めた・・・ ゼロコロナ政策などによって、
経済の低迷を招いたことに批判的な人々の間では、前首相の復帰を望む声もあったようで、
心臓発作という死因に対して、不穏な憶測が飛び交っているようで、
追悼の動きを当局がコントロールできず、強権を発動すると・・・ 不満が顕在化し、
再びというか、三度目の天安門事件に発展する可能性があると、真しやかに囁かれているようである。
他国のことではあるが、この機会を捉えて良識ある方々や若者たちを中心にして、
三度目の天安門事件(民主化)が起こればと・・・ 期待したいものの、
それは一方で、血が流れることを示唆しており、
ウクライナ、イスラエルに続いて、大陸で流血が起こると、この国も他人事では済まなくなってくる。
最初の天安門事件は「四五天安門事件」と呼ばれ・・・ 1976年4月5日に、
同年1月に亡くなった周恩来首相を追悼するために捧げられた花輪を当局が撤去したことに端を発し、
学生や知識人が民主化を求めて抗議したが・・・ 政府が暴力的に介入して鎮圧されている。
二度目の天安門事件は「六四天安門事件」と呼ばれ・・・ 1989年6月4日に、
改革を進めていた胡耀邦が、保守派の巻き返しによって失脚させられると、
同年4月8日の政治局会議で熱弁を奮った直後に心筋梗塞で倒れ、亡くなったことに端を発し、
学生や市民を中心に10万人規模の抗議を行ったものの・・・ 人民解放軍により鎮圧されている。
さて・・・ 今回、三度目の天安門事件(民主化)は起こるのだろうか?
同国では、コロナ後の経済不況は深刻だし、若者の就職難も相当なところに持ってきて、
トップは共産主義の根幹でもある、共同富裕を掲げるものの、皆が貧しかった時代ならいざしらず、
裕福な生活を知ってしまった者たちが・・・ いまさら諸手を挙げて同調するのだろうか?
多くの国民が、そこに住むことを目的としてると思いもするが、
一方では、投資目的でマンションを購入し、建ってもいないにも拘らずローンが払えるまで、
経済が成長し、懐具合も豊かになっている国ゆえに、
本音(心)は民主化にあっても・・・ 行動がともなうとは思えない。
さらに・・・ いま大陸の中心を担っている現役世代は、
数年前に香港で当局がやってしまった蛮行(暴力による鎮圧)を、鮮明に記憶しており、
手に入れた裕福と、言論と行動の自由を天秤に掛けると・・・ 例え不満があったとしても、
血を流すことを、果たして選択するだろうか?
民主化が進めば、沖縄の基地問題も解決に向かうだけに期待はしたいが、
いかに血の気が多い民族であっても、就職難の学生や、地方に住む者たちならいざしらず、
トップ自らが汚職に手を染めない限り、
裕福な生活を知ってしまった者たちが・・・ 蜂起することはないだろう。
前首相が発した「蒼天有眼! 人在幹天在看(おてんとうさまは見ている。)」の言葉を信じるならば、
蜂起に向けての下地は十分すぎるほどに・・・ 準備万端だと思うが、
大陸で蜂起の中心を担ってほしいと思われる人物は、獄に繋がれてるか、海外に在住しており、
残念ながらというか、悲しいかな・・・ 旗振り役を担う人物がいるとも思えない。
そう捉えれば・・・ 前首相の心臓発作が、いかにも怪しく思えてしまうが、
これもまた単純明快な論理で、当局にとって悪い芽は、大事に至る前に摘んでおくと捉えれば、
これぞまさに・・・ 共産主義あるあるであり、妙に納得できるから分かり易い。
唯一の頼みの綱は、大陸版のバブル崩壊で、国民大半の資産が二束三文になることだが、
そこに至って尚、共産主義の暴力による恐ろしさを知ってしまった、この国の国民が、
海外旅行でブランド物を求め、飽食を極めた者たちが、
いまさら、可笑しいことが、可笑しいと言えるとは思えないのである。
もしも、前首相がトップに立っていたら、はたして香港問題はあっただろうか?
また、台湾を併合しようと声を、不気味に発していただろうか?
返す返すも・・・ 惜しい人物を亡くしたことが悔やまれる。
民主主義国家の共産主義化は・・・ 選挙によって、いとも簡単に起こりうるが、
共産主義国家における民主化は、普通に捉えれば、投票行為ではなく蜂起(革命)だから、
そこには、どうしても血を流す覚悟が求められている。
他国から興味本意で眺めている野次馬には、面白いかもしれないが、
その選択肢は、あくまでも当事国にあり、野次馬が思うようにはいかないのが現実だろう。
それにつけても、「蒼天有眼! 人在幹天在看(おてんとうさまは見ている。)」とは、
アッパレ意外に言葉が見つからない・・・ 的を射た名言だと思う。
私を含む野次馬たちは、民主化に向けて三度目の天安門事件が起こることを期待を寄せているが、
たぶん・・・ 無理ではなかろうか?
ぐだぐだと・・・ オチが難しい能書きを垂れてしまったが、
ここで述べたことは、あくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解をいただければありがたい。
同時に習氏とプーチン氏の顔も浮かびました。
真偽はわかりませんが…
私が知る、日本在住の中国出身者は、それぞれクセがあっても、皆さん謙虚な方たちなので、とても残念な気持ちになります。
私も反射的にそう思いました。
なにが本当なのか、実のところは闇の中ですが、
こういったところが、共産党あるあるなんだと思うと、なんとなく理解できるような気がします。
一党支配の国にはおおいにありうることです。
やっぱりそう思いますよね。
68歳ですから、心臓発作かどうかも、いかがわしいと思っています。