多摩爺の「時のつれづれ(神無月の36)」
解散風が吹いている。
政府と与党は10月20日に秋の国会(臨時国会)を招集すること決めたようだ。
注目は経済対策の裏付けとなる補正予算だが・・・ 果たして、審議を経て採決まで行くのか?
それとも、タイミングを見て衆議院を解散し、総選挙に打って出るのか?
風雲急を告げると云えば、なんともはや勇ましいが、
いま、残暑を終えたばかりの永田町界隈では・・・ 生暖かい解散風が吹いてきたようだ。
昨年の今ごろ、話題を一手に引き受けていた宗教法人の解散請求についても、
政府は腹を固め、今月中には世論が期待する方向で進むことが決まったようである。
なにもしてないわけじゃないし、変なことをやってるわけでもないのに、
支持率が上がらず、低空飛行を続ける政権にとって、
問題を起こした宗教法人への解散請求は、追い風にはならないかもしれないが、
この手の話題の追求は緩和されることから、この問題が逆風になることはないだろう。
物価高についても、メディアや野党は・・・ なにもしてないように云うが、
いま世界中がインフレの真っ只中で、給与が上がってないことだけがこの国特有の課題だが、
政府が春闘に関与し、経営側に働きかけるなど、野党よりも積極的に春闘には拘ってきている。
円高対策(金利を上げろ!)を打てとの声が大きいのも事実だが、
こればっかりはこのタイミングでやると、物価は落ち着き下がるかもしれないが、
中小零細企業の資金繰りに影響して、それで職を失う人が出てくることも否定は出来ない。
また、今後もさらなる経済成長を求めていくのかという声もある。
いかにも尤もらしいが・・・ いまさら戦前の生活に戻れるのだろうか?
戦前を引き合いに出すのは極論過ぎるが、成長は止められても、遡ることが出来なければ、
いまの生活に満足するしかなく、成長や進化を求めないという問いは・・・ 愚問ではなかろうか?
もちろん、行き過ぎた贅沢など、節度を超えるような欲望は控えるべきだが、
まさか、大陸のように出る杭を封じ込めて、共同富裕を求めるのであれば、話は変ってくるが、
成長と進化に知恵を絞る方が、精神的にも楽だと思うが・・・ 如何なものだろうか?
そう捉えれば・・・ 一旦立ち止まって足下を確認し、軌道修正することまでは否定しないが、
私だったら、前を向き、前に進む方を選ぶだろう。
物事には・・・ タイミングがある。
もちろん、解散総選挙にもタイミングがあるといっても良いだろう。
政権与党では、一部の地域を除いて、候補者選びが難航しているようには見えないが、
野党第一党の立憲では、予定していた候補が、勢いを増す維新に引き抜かれ、
選挙協力以前に、候補者の選定に苦慮しているようである。
とはいえ・・・ 問題視しなきゃならないのは、今の制度(小選挙区制)になってから、
地べたを這って活動してきた、地元出身のたたき上げの候補者が少なくなっていることだと思う。
地方の声を代弁できる地方議員の出身者が減り、
選挙区には全くもって縁がない・・・ 落下傘候補が増えてないだろうか?
小選挙区制の選挙では、候補者の名を書くものの、その実は政党を選ぶ選挙であり、
野党やメディアは、政権与党が二世や三世の候補者を担ぐことに、イチャモン付けているが、
経歴やルックスを基調にして、候補者を公募する野党の候補者も、
言っちゃ悪いが、目くそ鼻くそであり、
名札を見て投票するか、見た目で投票するかの違いに・・・ 大差があるとは思えない。
名札だろうと、見た目だろうと、政治活動を見る機会が少ない候補者を選ぶに当たっては、
公報やパンフ、さらにはメディアやネットから得た情報を、頼りにしているように見えるが、
得た情報は候補者の見極めというよりも、
候補者が所属する、政党の旗に吹いてる風を感じてるだけだと思うが・・・ 如何なものだろうか?
過去に浸るわけではないが・・・ 中選挙区制の時代は違っていた。
地方議員の経験者であろうと、二世・三世の候補であろうと、落下傘候補であろうと、
立候補したい者は、選挙区内で一定の期間は、地味に汗を掻いてきており、
有権者はそれを見て・・・ 判断することができていた。
1人が当選する小選挙区の選挙では勝てないが、3位なら当選できる候補者がいれば、
その候補者は風に頼ることなく、政治活動に取り組む時間が出来るし、
政治家の質が低下してるとの批判も、少しぐらいは抑えられるのではなかろうか?
政治家の質が低下していると云われ続けて・・・ なん年が経っただろうか?
その原因が、どこにあるのかと問われたら、躊躇することなく、
候補者を選ぶ選挙から、政党を選ぶ選挙にしたことに尽きると応えたい。
有権者が人を選んでないんだから・・・ 政治家の質が落ちるのは必然である。
選挙制度は、このままで良いのだろうか?
これで政治家の質は、向上するのだろうか?
解散風の影響を受けることのない・・・ 学識経験者や、第三者機関が、
そういった提言を出しても良いと思うし、
国会でそういった議論があっても良いと思うが・・・ 如何なものだろうか?
私もそう思っています。
また、衆議院議員には代議士との別名があることを踏まえれば、
どこのだれとは申し上げませんが、有象無象が議員になるような、比例代表制はそぐわないとも思っています。