多摩爺の「時のつれづれ(葉月の29)」
原因はデジタル化の遅れでは?
メディアの報道で、救急車が来てから搬送先が見つからないというのは知ってたが、
現実は・・・ その一つ手前の、119番通報がつながりにくいらしい。
第7波(新型コロナウイルス)の猛威は、重症者数では第5波、第6波までには至らないものの、
ここにきて医療体制の入り口で、かなりの混乱とダメージがでているようだ。
これだけ感染者がでているんだから、自己責任という言葉は、適切ではないと思うものの、
行動制限がない自由な社会と、感染が拡大する社会は・・・ トレードオフであって、
重症者数が、ある程度の人数で留まっているところに着目すれば、
この状態こそが・・・ 国際社会でいう、ウィズコロナなんだと思う。
とはいえ・・・ ウィズコロナを頭では理解してても、
実際問題として、119番がつながらない状況なんだから、目の前の危機そのものであり、
自治体のトップ(政治家)や、分科会の有志(専門家)、さらには各種医療団体の関係者から、
感染症法を超えるような重大な要請が・・・ 相次いで政府に提起されている。
その一つは、第7波による医療ひっ迫を鑑み・・・ 全国知事会から、
感染法上で定められた、新型コロナウイルスの感染者を全数把握することを、
直ちに見直してほしいとの要望であり、
もう一つは、政府分科会の有志による、第7波による医療ひっ迫への緊急対応のみならず、
第7波が収束した後から、通常の医療へスムーズに移行させるための法改正だった。
ポイントになる論点は・・・ 感染者を全数把握することについての負担と重要性だが、
ひらたく言えば、感染症法における「新型コロナウイルス」の位置づけを、
2類から5類への、ダウングレードを求めたことだろう。
2類から5類に変わると、いったいどうなるのか?
大きく変わるのは、感染者数の把握と、診察してくれる医療機関と、費用(個人負担)であって、
感染者数の全数を把握する必要がなくなり、全ての医療機関での診察が可能となり、
公費による負担がなくなるのが・・・ 5類であり、その逆が現行の2類である。
問題となっているのは、感染者の診療状況をカルテ(診療記録)に入力をした後から、
保健所から報告を求められている「HER-SYS」というシステムへ、
感染者に関わる個人情報に加えて、接触情報や健康情報などの、
カルテに投入した情報とほぼ同等の情報を、事細かく「HER-SYS」に再投入しており、
この稼働が、現場の業務を著しく疲弊させていると・・・ 言っているのである。
尤もな意見である。
全く同じではないものの、情報の大半はダブル投入になるんだから、無駄な稼働である。
地域住民の健康を見守る診療所で、カルテの記入を簡略化してくれというのだったら、
それはそれで大問題であり「なに言ってんだ!」になるが、
医師が持ってるカルテのデータベースに、感染者をコントロールする保健所がアクセスできないから、
状況把握に加えて、先々の見通しに活用するため、再入力してくれと言ってるのである。
そのこと自体は、法律で求められているんだから、全くもって問題ではないし、
さらに全数を把握することで、政府や自治体が行動制限を出さなくても、
アラームとして国民に伝わるし、波の状態の比較が、前の波や諸外国とも比較ができるので、
大きな意味があり、無意味なことだとは思わない。
ただ、医療関係者と、診察を希望する感染者数のバランスが取れていればこそ、
当然の業務として納得し、投入作業ができるのだろうが、
感染爆発によって、そのバランスが崩れてしまったんだから、
それが大きな負荷となって、ストレスにつながるのは当然である。
どこに悪さ加減があるのだろうか・・・ ?
素人でも分るのは、診療所にある地域住民のカルテ(診療記録)と、
2類相当の指定感染症ということで、保健所に報告が求められている「HER-SYS」に、
同一情報をダブルで投入していることである。
その主たる要因は・・・ 話しがいきなり飛躍して申し訳ないが、
データベースがネットワークされてないことにあると思うが・・・ どうだろう?
それをいますぐ、解決しようとすれば、
「HER-SYS」への投入項目を簡略化するか、止めるかしかないが、
先々を見据えて、手を打つのであれば・・・ いま起こっている大混乱をトリガーに、
マイナンバーカードを促進し、健康保険証との紐付けと、医療用カルテのネットワーク化を
少しでも早く、90%超ぐらいに引き上げるしかないんじゃなかろうか?
マイナンバーを使った健康保険証が普及して、
カルテの情報が診療所のパソコンから、ネットワーク上にデータベース化されれば、
全国どこの診療所であっても、どこの総合病院であっても、診察履歴が見れるし、
お薬手帳だって・・・ 持ち歩かなくても良くなるのである。
もちろん、セキュリティ体制は必要である。
薬局では、診療所が発行する処方箋で対応できるので、それ以外の個人情報は守れるし、
事故等の緊急事態においては、当該医院や薬局から、厚生労働省に緊急申請して、
一時検索のパスワードを、一定の時間だけ発行してもらい、
検索履歴のログを残して監査対象にすれば・・・ 監視が行き届き、個人情報は守れるだろう。
マイナンバーカードができて、もう5年も経つのに、なに一つ役に立ってないとは言わないが、
公共システムのデジタル化が遅れていることに加え、
個人情報の漏洩に繋がるといった、ネガティブ情報が禍して、
普及率が遅々として進んでないのである。
マイナンバーカードの普及にブレーキをかけているのは、いったいどこのどいつなんだ。
国民総背番号制度に過度な反応をし、デジタル化の推進に・・・ ブレーキを踏み続けた勢力が、
情報漏洩という不安を、煽りに煽ったことから、
国民の脳みそが、デジタル化に「まった。」をかけているのではなかろうか?
無駄を省けと口で言いながら、一方では個人情報がどうのこうのと言って、
マイナンバーカードの普及にブレーキをかけて、手間暇がかかる報告をマンパワーに頼り、
都合が悪くなると、見境なく当たり散らす・・・ マッチポンプになっている。
個人情報が絶対に漏れないなんて・・・ 私も思っていない。
悪いことをやろうとする奴は、どんなことでもするから、
100%安全なんてことは、正直あり得ないと思っている。
とはいえ・・・ マイナンバーカードは、お上が発行するカードである。
この国において、個人情報の漏洩が起こったとき、
お上を超える権限で、責任を取れる者や、組織はないと思うがどうだろう。
なんかあったら、お上が責任を取ってくれる・・・ 私は、そう思うように割り切っている。
自らの不注意による漏洩を除けば、他国の侵略によって・・・ 国が滅びれば致し方ないが、
そうでない限り、お上の作るシステムを信頼しないということは、
今回のように、非常時の対応が停滞することを、覚悟せねばならなくなってしまうだろう。
個人的な思いで、医療とは全く違うところに話しが飛んでしまったが、
非常時に起こる混乱を回避するには、一つのデータを起点にして、
共有しながら活用できる、デジタル化の推進しかないと思うが・・・ 如何なものだろうか?
マイナンバーカードの普及率は、未だに50%を超えてないらしい。
第7波が落ち着いてからで構わないので、
トラブルに陥りやすい、健康保険証と年金手帳をマイナンバーカードに置き換えると宣言し、
そのロードマップを提示してほしいと願ってやまない。
そんなに昔のことじゃないと思うが、
確かこの国のデジタル化は、世界で27位だったと記憶している。
なんだかんだ言われながらも、この国の技術は世界のトップクラスにあると、
多くの国民は自負してると思っているが、
にも拘わらず、技術はあるのに、公的機関のデジタル化の遅れと、国民の過度なビビりが禍して、
デジタル化の世界では・・・ 残念ながら、後進国にランク付けされている。
はからずも・・・ 世界を不幸に陥れたコロナウイルスによって、
デジタル化の遅れが露見したにも拘わらず、
3年経っても、スマートフォンの普及率(確か、70%弱)にも追いついてないのである。
まず、ここからなんとかしなきゃ、
次の騒動(第8波や第9波)でも、また同じことを繰り返すのではなかろうか?
医療のひっ迫の話しからデジタル化に、いきなり飛んでしまった。
もちろん、目の前の対応は急務ではあるものの、
遠くを見て仕事をする人がいなきゃ、いつまで経っても・・・ 同じことを繰り返すだろう。
目立たぬ存在かもしれないが、そんな人たちが居てくれることに期待したいと思う。
代理投票や、すり替わり投票などの危険性があり、本人確認という高いハードルがあることと、
インターネット投票が出来ない人のために、投票所が必要となれば、コスト減が限定的なこともあって、
ご指摘の通り、結構厳しいと思いますが、議論を始めることはあっても良いと思います。
コメントを頂戴しありがとうございました。