多摩爺の「東京ぶらぶら(その6)」
紫陽花 飛鳥の小径 (北区)
「明日、有休を取ったので、紫陽花を見にいかない?」
昨夜、息子から・・・ そんな誘いの電話がかかってきた。
「らしくもない、いったいどうしたんだろう。」と思っていたら、
孫を二人連れて撮影に出かけたいので、一緒に行かないかということだった。
体(てい)良く言えば、子守の応援してくれということだが、
その誘い・・・ 孫が可愛くて仕方がない、私たち老夫婦にとっては、
とっても、ありがたい誘いであって・・・ けっして、悪い誘いではない。
最近良く使われる言葉に置き換えれば、ウインウインということになるだろう。
で・・・ やって来たのは、江戸時代の中期に徳川8代将軍の吉宗が桜を植えたことで、
いまや都内きっての桜の名所としても人気が高い、北区の飛鳥山公園だった。
昨日まで降ったり止んだりしていた雨は、すっかり上がってはいるものの、
カラッと晴れ上がった、爽やかな風が吹く晴天ではなく、
いわゆる、この時季特有の・・・ ちょっと重苦しくて、ジメッとした鬱陶しい曇天である。
ところが、この厚い曇を突き抜けて差し込む、鈍い日差しが、
この季節を好んで咲く紫陽花には・・・ ドンピシャで、
七色の彩りが、怪しげに冴え渡っているのだから、不思議というか、意味深な花だと思う。
飛鳥山の山裾から、JRの線路との間を仕切られたフェンスまでに、
約2メートルぐらいの小径があり、
見ごろを迎えた色とりどりの紫陽花が・・・ たわわに咲き、枝垂れかかっていた。
私は知らなかったんだが、「飛鳥の小径」と命名されたこの小径は、
約350メートルの間に50種類以上、1300株の紫陽花が群生していて、
知る人ぞ知る、都内ではちょっと有名な・・・ 紫陽花が映える人気スポットらしい。
また、京浜東北線や、東北本線、高崎線を使って通勤している人々には
車内から満開の紫陽花を眺めることが出来る、絶好のビュースポットとのことだ。
北多摩からだと、飛鳥山公園の最寄り駅になる王子駅までは、1時間とちょっとかかる。
けっこう遠いが、JRの王子駅からも、東京メトロ南北線の王子駅からも・・・ 徒歩1分だから、
駅に着いてからは楽チンで、乗り換え含みの電車移動で、いささか疲れ気味だった孫たちも、
駅に着いた途端に元気を取り戻して、驚くほどに活発になるんだから、子どもって不思議で面白い。
息子は都内のスタジオに勤務するフォトグラファー(最近はカメラマンとは言わない。)だが、
なかなか言うことをきいてくれない、5歳と3歳になったばかりの孫をモデルに、
あっち向いて、こっち向いてと指示を出しながら、バシャバシャとシャッターを切る姿は、
私から見れば、プロのカメラマンというより・・・ 1人の親バカに見えてくる。
とはいえ・・・ 良いことだと思う。
一生に一度しかない、この日この時の出来事を残すために一生懸命で、
汗を掻くことを厭わない親バカって・・・ ホントに良いことだと思う。
そういえば、週末は父の日だ。
私は仕事にかまけて・・・ 結局、親バカにはなれてなかったが、
息子の恥も外聞もない、親バカ丸出しの姿に激しく同意し「父親してるな。」と思った。
下り坂を歩き始めたら、上り坂では見えなかったものが、たくさん見えてくる。
わがままで言うことは聞かないし、なにかにつけてお金もかかるし、
子育てはホントに大変だが・・・ 息子には、私の分まで頑張って欲しい。
あえて、こちらから声をかけることはしないが、
なにかあったら、遠慮なく言ってくれ。
孫たちと紫陽花を眺めながら、曇天微風の・・・ 飛鳥の小径を歩いた。
その小径は、社会の第一線から退き、下り坂を歩み始めた爺さんに、
上り坂を歩いていたときには、見逃し見落としていた、
たくさんあったはずの小さな気づきを、改めて気づかせてくれる・・・ 気になる道だった。
良いね。
たまには、こんなお出かけも・・・ 良いね。
JR王子駅・中央口を出て徒歩1分、都内きっての桜の名所「飛鳥山」の山裾に
「飛鳥の小径」と呼ばれる、幅2メートル程度の小径があり、紫陽花の絶景スポットになっていた。
JR王子駅から飛鳥山の山頂までの高低差は約18メートルあり、歳を取ると急坂に感じてしまうが、
無料のモノレール「あすかパークレール」が、タイミングが合えば都電荒川線と併走して
約2分で山頂へ連れてってくれるので・・・ とってもありがたい。
知的障がいの妹がいて、けっこう苦労かけた息子ですが、最近では随分と頼もしくなってきました。
人の親になると変わってくるのでしょうね。
私は仕事人間で、40数年もの間、女房任せの家庭でしたから、女房には本当に感謝しています。
駅から徒歩一分というのは魅力ですね。最近私は長く歩けなくなりましたが、乗り物に長く乗っているのは平気ですから、その公園に行ってみたいです。