多摩爺の「時のつれづれ(睦月の1)」
萬古清風(ばんこせいふう)
梅の香を乗せて幾多の春を運び、桜の花を散らせて春が行く。
紫陽花の露を払いて夏を呼び、夕立の跡を撫でて夏が行く。
赤蜻蛉の飛ぶを助けて秋を送り、冬・・・ 粉雪舞いて春ふたたび風渡る。
年末が押し迫った先月28日、突然の電話で知った義父の入院
一昨年の冬に義母が入院し、三度目の冬に入って間もなかった義父の一人暮らし
じきに卒寿を迎えようとしていただけに、いつも以上に心配していた矢先のことだった。
ドタバタのなか義弟が帰郷し、その場しのぎ感は否めないものの、
出来る限りの親孝行に努めてくれた。
今さらながらだが、女房たち三姉弟の絆の強さに胸が熱くなる。
遠く離れた故郷には、私の両親も健在で過ごしている。
安否の確認は電話だけが頼りで、声を聞くたびに安堵と溜息を繰り返す日も多くなった。
高齢となって久しい親の、健康と長寿を祈念する日が増えるなか
眼差(まなざ)しの前で、四季折々・・・ 徒然に演じられる風の仕草に、
何気なく笑みを浮かべ、穏やかに過ごせる一年でありたいと願う。
萬古清風(ばんこせいふう)
清風は、いつでも、どこでも、だれにでも吹いている。
ふと我に戻れば・・・ 齢65となった初春
もちろん、人生の下り坂にも清風は吹いているだろう。
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