「おねえちゃん、すごいー! 僕にも感謝だなぁ。」
知らぬ間に弟と父が姉兼長女の打撃を緑の網の間からみていた。
野球大好き長子は弟に手を振ってこたえる。この一週間、父と弟には、すっかりお世話になったと改めて感謝しながら視線をマシーンの投手映像にもどし、うら若き乙女はバットを構えなおす。 . . . 本文を読む
初年度から姿を見せてくれた尉鶲、鴲の移動が知りたい、想像したくて、それからアオジも . . . 本文を読む
「どーせ、また、バントだよぉ。」
相手側の応援が少女の耳に届く。ゲーム終盤、ワンアウト一塁で二回目の打席がめぐって来る。前の打席はノーアウト一塁の場面で代打としてバッターボックスに立ち、指示通り送りバントをきっちり決めていた。ベンチには代打の切り札と代打の神様兼第二エースが残っていたが監督はピンチヒッターを送らず、おきゃんに初球を見送れとサインを出す。 . . . 本文を読む