〇 「ホワイトボードアプリを積極的に使おう」というのが今回のテーマだ。在宅勤務などで、離れた場所にいる相手とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくのが当たり前になってきている。そこで便利なのがWeb会議だが、会社のメンバーと打ち合わせをする際にはホワイトボードアプリを併用すると非常に便利だ。
定番のアプリはいくつかあるが、Windowsユーザーと親和性が高いのは米Microsoft(マイクロソフト)のMicrosoft Whiteboardだろう。一部のWindows PCにはプリインストールされているし、アプリストア(Microsoft Store)からも簡単に入手できる。
アプリを起動したら、一緒に作業したい相手とホワイトボードを共有する。リンクを送って共有するのが基本的な使い方だ。
ホワイトボードアプリは手書きが可能なので、マルを付けたりラインマーカーを引いたりすることも可能である。2in1 PCの一部機種など、ペン入力に対応しているPCであれば、手書きが簡単かつきれいにできる。iPad+Apple Pencilも同様だ。それなら使わない手はないだろう、と言いたいくらいだ。
画面共有と並行して使えるのがメリット、狭い画面で使わないのが注意点。
簡単に使えることがわかったところで、ホワイトボードアプリのメリットを紹介していこう。
基本的には、討議に参加している全員が同じボードを見ながら打ち合わせができるのがホワイトボードアプリの最大のメリットである。単に話すだけでなく、メモ書きなどをしながら打ち合わせができる。ちょうど、会議室でホワイトボードを見ながら話すのと同じことが可能なわけだ。全員の手元にあるホワイトボードアプリの内容は、同期されて同じになる。
Microsoft Whiteboardには、最近多くのテンプレートが追加された。それを使いながら、討議のポイントをまとめて闊達に会議を進めてゆけるだろう。
Zoomにもホワイトボード機能はある。それを使ってもいいのだが、別の単独アプリでホワイトボードを使うメリットがある。それは、マルチウインドウで使えることだ。Zoomは、普通は1つの画面しか共有できない。書類と、それに関連した議題などをメモ書きしたホワイトボードを同時に見せることが難しいのだ。そこでZoomでは書類を画面共有して見つつ、別途ホワイトボードアプリを開いて議題を記録するわけである。
セカンドディスプレーをつないで2画面にするか、またはマルチデバイスで利用するのもお勧めだ。PCでWeb会議をしながら、セカンドディスプレーまたは別のデバイスの画面でホワイトボードアプリを使うわけである。こうするとWeb会議とホワイトボードのどちらも広い画面で使える。
Microsoft WhiteboardはスマホやiPad用のアプリも用意されていて、Microsoftのアカウントでログインすれば利用可能だ。例えばWeb会議はPC、ホワイトボードはiPad+Apple Pencilという組み合わせだと、ペンによる手書きも使えるのでとても便利に感じるだろう。やや画面が狭いが、スマホでも便利に利用できる。
個人的には、米Google(グーグル)のアカウントで利用できるGoogle Jamboardもお薦めだ。急きょ打ち合わせをすることになった相手にスマホで使ってもらうには、Microsoft Whiteboardよりも使いやすいと思う。例えば、ホワイトボードを共有したい相手がGoogleアカウントを持っていれば、招待するだけでリンクの共有も不要だ。
書き込みをしない参加者はスマホで見るだけでも違う。
個人的には色々試行錯誤してきたが、Web会議をしながらホワイトボードを利用する際には、ノートPC1台では画面が狭くて厳しいと感じている。そもそも、Web会議アプリで資料を画面共有していると、別のウィンドウでホワイトボードアプリを開いて利用するのは難しい。先ほどホワイトボードアプリはセカンドディスプレーをつなぐかマルチデバイスで使うのがお薦めと書いたが、個人的にはこれは必須条件となっている。
だが、ホワイトボードを共有する相手にもそれを求めるのは、無理があるだろう。そこで、環境が整わない相手にはホワイトボードだけスマホで見てもらうことをお薦めしたい。荒技かもしれないが、基本的には見られればよいということであれば画面を横にして使えば案外実用的だし、狭いノートPCの画面をさらに狭くしないで済むのもいいところだ。