〇 デスクトップPCやNAS(ネットワークHDD)、テレビ、HDDレコーダー、ゲーム機など、有線LANでしかネットワークに接続できない機器は数多くある。
有線LANは高速で便利だが、ネット接続がWi-Fiに限られる状況や、LANケーブルが届かないような場所など、利用環境によってはネットワーク接続に困ることもあるだろう。
だが実は、こうした有線LANでしかネットに接続できない機器をWi-Fiに接続する方法がある。ここでは3つの方法を紹介しよう。
「Wi-Fiコンバーター」とはどんな機器か。
有線LANしか使えない機器をWi-Fiに手っ取り早く接続するなら、「Wi-Fiコンバーター」や「Wi-Fiアダプター」などと呼ばれている機器を使う。どちらも用途は、無線LAN機能がない機器をWi-Fiネットワークにつなぐことだが、機能面で違いがある。Wi-Fiコンバーターは一般的にLANポートにつないで使う機器を指すのに対して、Wi-Fiアダプターは一般的にUSBポートまたはPCI Expressスロットにつないで使う機器を指す。ただしメーカーによっては、上記のWi-FiコンバーターをWi-Fiアダプターと呼ぶなど、統一的な定義はないので、購入の際はどのような使い方が可能なのかをよく確認しよう。
この記事では、Wi-Fiコンバーターを紹介していく。Wi-Fiコンバーターは、有線LAN接続をWi-Fiに受け渡す機器で、3000~6000円台で販売されている。
Wi-Fiコンバーターを使うには、その有線LAN端子とWi-Fiに接続したい機器の有線LANポートをLANケーブルで接続するだけでよい。あとは、Wi-Fiコンバーターの設定画面を開き、Wi-Fiの接続設定をする。WPS(Wi-Fi Protected Setup)に対応していて、設定画面を見なくても楽にWi-Fiに接続できる製品もある。
1度接続設定したWi-Fiコンバーターは、設定を変更しない限り、再起動しても接続を維持する。PCなどでWi-Fiコンバーターを設定後、有線LAN側の接続先を変えてほかの機器を接続する使い方もしやすい。
なおWi-Fiコンバーターは、動作のために電源が必要となる。USB給電で動作する製品だと、テレビやHDDレコーダーといったUSBポートがある家電と組み合わせやすいだろう。
Wi-Fiルーターなどを「転用」する方法もある。
Wi-Fiコンバーターを用意しなくても、有線LANポートがあるWi-Fi中継器、あるいは中継器モードやメッシュネットワークの子機(エージェント)に設定可能で有線LANポートがあるWi-Fiルーターであれば、Wi-Fiコンバーターと同様の使い方ができる。例えば、買い替えで余った古いWi-Fiルーターを中継器モードに設定変更し、Wi-Fiコンバーターに転用して使ってもいいだろう。
Wi-Fiルーターを転用する場合は、中継器モードやメッシュネットワークに設定し、親機となるWi-FiルーターとWi-Fiで接続後、LANポートに有線しか利用できない機器を接続すればよい。
PCも設定を変えればコンバーターになる。
有線LANポートとWi-Fi機能の両方を持つWindows PCを経由して、有線LANしか接続できない機器をWi-Fiに接続することもできる。その場合、Windowsが持つ「ブリッジ接続」機能を使う。
Windows 11の場合、エクスプローラーの「ネットワーク」を右クリックし「プロパティ」を選び、「ネットワークと共有センター」から「アダプターの設定の変更」を開く。ネットワークアダプターの一覧が表示されるので、「Wi-Fi」と「イーサネット」の両方を「Ctrl」キーを押しながら選択し、右クリックメニューから「ブリッジ接続」を選ぶ。この操作をすると、Wi-Fiのネット接続が有線LANに共有されるので、PCの有線LANポートにつないだWi-Fi機能がない機器をネットワークに接続できる。