〇 紙のメモとはサヨナラしよう、イマドキのノートアプリが便利な理由。
紙のノートやメモに愛着を持っている人は多いだろう。趣味ならば質の良い紙のノートブックに万年筆で書く――といった作業にうっとりするのも悪くない。だが、仕事など生産性を重視するなら、ノートやメモはデジタルに切り替えることを強くお勧めする(図1)。
そもそも紙のノートは、“1冊”の制約がある。ページを使い切ったら次のノートに切り替えなければならない。書けば書くほどたくさんのノートがたまり、持ち歩くのが難しくなるし置き場所を取る。また、紙は劣化するので、保存性の問題も残る。
デジタルのノートなら、何百ページ書いても置き場所に困ることはない。ストレージの容量限界まで記録できるのだ。テキスト中心のノートなら、毎日大量に書いても一生分を余裕で記録できるはず。しかも、物理的な量とは無縁なので、その全てを持ち歩ける。
また、紙の場合は、過去のノートから必要な情報を取り出そうと思うと大変な手間が掛かる。日付を基に遡るだけでも大変で、おぼろげな記憶を頼りにキーワードで探すなどといった芸当はまず無理だ。一方、デジタルのノートなら、特定の日付のノートは瞬時に開ける。また、記憶を頼りにさまざまなキーワードで検索することもできるので、情報を探す時間は大いに短縮できるはずだ。
デジタルも書きやすい時代に。
紙のノートは確かに書きやすい。人類は何百年も紙とペンを使ってきたので、道具も洗練されている。使いやすいからこそ、発想が豊かになる可能性を秘めている。
だが、デジタルにも多くのメリットがある。文字を記録することを考えるなら、手書きよりもキーボード入力の方が早い。タイピングなら長文でも疲れることなく書けるのは、ご承知の通りだ。
さらに、「iPad」など最近のデバイスは、専用のペンを使うことで手書きにも対応する。筆圧や傾き検知機能まで搭載するので、思ったよりもきちんと“手書き感”が味わえる。下手な紙とペンよりも気持ち良く書けるのだ。しかも、ボールペン、鉛筆など多くの書き味と好みの色を簡単に切り替えられる。
ミスをした際に消す作業も紙とペンより数段優れている。ボールペンや万年筆のように消すのに苦労する必要はない。
さらに、最新のデジタルノートは、写真や動画を貼り付けられる上に、音声入力にも対応する。テキストを打つのが面倒なら声を吹き込んでおけばよいのだ。
最近のノートアプリは大進化。
最近のノートアプリは、ファイルをクラウドに保存するのが普通になっている。パソコン、スマホ、タブレットどれからでも同じファイルを開き、編集できるのだ。自宅で記録した旅行の予定ノートを旅先ではスマホで見られる。移動中に見つけたり思いついたりした情報をスマホに記録し、後でパソコンで閲覧して再編集することも可能だ(図2)。
これに対し、ノートを「Word」や「Excel」、Windowsの「メモ帳」などに記録していると、ファイルの管理が大変になってくる。1日1つのファイルにすると数が増え過ぎるし、1ファイルを1カ月などにすると、今度は内容が増え過ぎて必要なものが見つからなくなる。分類しようとしても、記録している期間が長いとぐちゃぐちゃになってしまう。
ところが、ノートアプリはファイルを意識する必要すらない。いわばスマホのアプリと同じような仕組みだ(図3)。例えば、「OneNote」(図4)は、1つのファイルが「ノートブック」になる。ノートブックは、セクションでノートの仕分けができ、さらにページをどんどん追加していける。ノートブックという形でかろうじてファイル管理が可能だが、「Google Keep」(図5)などはそれすらもない。Googleアカウントでログインするだけでアプリが利用でき、もはやファイルを意識する必要がないのだ。
音声入力もぜひ使ってみたい。話した内容をそのまま声で録音するだけでなく、テキスト化もできる。ストレスなく記録できると、情報のたまり方が変わってくる(図6)。
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