○ Windows 11の大型アップデートで「エクスプローラー」刷新、便利な新機能とは。
Windows 11 22H2では、ファイル管理の核となる「エクスプローラー」がリニューアルされた(図1)。ただし、後述するように、一部の機能は2022年9月に22H2の提供が始まった時点では搭載されておらず、10月以降に追加更新の形で提供される予定だ。
Θ エクスプローラーがリニューアル。
図1、エクスプローラーは、起動時に表示される画面が従来の「クイックアクセス」から「ホーム」に変更され、ファイルを「ピン留め」できる「お気に入り」が追加された。また、1つのウインドウに複数のフォルダーを開ける「タブ」表示や、ナビゲーションウインドウの表示の変更などもあるが、こちらは2022年10月以降の更新で提供される予定だ。
エクスプローラーの新機能。
新しいエクスプローラーでは、EdgeやChromeといったWebブラウザーのように、画面上部のタブを使って、1つのウインドウで複数のフォルダーを開けるようになった。
エクスプローラーの起動時に標準で表示される画面の名称は、従来の「クイックアクセス」から「ホーム」に変更された。クイックアクセスは、ホーム画面でよく使うフォルダーを表示する領域の名称として、ウインドウ上部に表示される。
そして、クイックアクセスの下に、よく使うファイルを「ピン留め」して固定表示できる「お気に入り」の領域が追加された。ファイルのピン留めは、アイコンを右クリックして表示されるメニューから実行する(図2)。画面左側の「ナビゲーションウインドウ」の表示も変更。「ホーム」と「OneDrive」の項目の下に、クイックアクセスに登録されたフォルダーが並ぶようになった。
Θ 「お気に入り」に追加するには。
図2、ファイルのアイコンを右クリックして開くメニューで「お気に入りに追加」を選ぶ。
フォルダーアイコンのデザインも一部改良され、中にファイルが入っているフォルダーが分かりやすくなった(図3)。
Θ フォルダーアイコンのデザイン改良。
図3、中にファイルがある状態のデザインが新たに追加され、中にサブフォルダーがある状態のデザインと区別できるようになった。
マイクロソフトのクラウドサービスである「OneDrive」との統合が強化されたのもポイント。OneDriveのフォルダーでは、ツールバーの右端に小さなパネルが開くボタンが表示され、クリックすると同期状態や容量の確認、設定画面の呼び出しなどができる(図4)。
Θ OneDriveとの統合を強化。
図4、「OneDrive」フォルダー内では、ツールバー右端に情報パネルを表示するボタンが追加された。同期状態や容量の確認、設定の呼び出しなどができる。また、OneDriveフォルダーの表記も変更された。
また、ナビゲーションウインドウなどでのOneDriveの表示名が変更されている。個人向けのOneDriveを利用している場合は、従来の表示名が「OneDrive - Personal」だったものが「(ユーザー名)- 個人用」といった表記になる。
エクスプローラーの設定画面である「フォルダーオプション」では、エクスプローラー起動時に表示する画面にOneDriveフォルダーを選べるようになっている(図5)。
図5、「フォルダーオプション」の「全般」→「エクスプローラーで開く」のメニューからOneDriveフォルダーを指定できる。
そのほか、細かい変更としては、[Shift]キー+右クリックで、旧式の右クリックメニューを直接表示できるようになった(図6)。従来は、ファイルを選択して、最初の右クリックで新方式のメニューが表示され、さらに「その他のオプションを表示」を選ぶ必要があったが、少し操作が楽になった。
Θ [Shift]キー+右クリックで旧式メニューを直接表示。
図6、従来、右クリック→「その他のオプションを表示」の2段階操作が必要だった旧式の右クリックメニュー表示が、[Shift]キー+右クリックだけで可能になった。
一部機能は10月以降に提供。
ここで紹介したエクスプローラーの新機能のうち、タブ表示の機能と、ナビゲーションウインドウの表示変更については、9月に22H2の提供が開始された時点では有効化されていなかった(図7)。
Θ 公開当初はタブ表示は未対応。
図7、22H2公開当初のエクスプローラーは、まだタブ表示に対応しておらず、ナビゲーションウインドウの表示も従来のまま。図1のようにタブや新しいナビゲーションウインドウを利用するには、2022年10月以降に提供予定の更新を適用する必要がある。
これらは、2022年10月に配信されるWindows 11の定例外の更新を手動で適用するか、11月に配信される定期更新が自動でインストールされた際に、有効になる予定だ。