*今までほとんどアニメに触れてこなかった人間が書いた「東京ゴットファーザーズ」の感想です。
ネタバレは、そんなにないと思う。
ざっくり説明すると
馬小屋でキリストが生まれたのと同じ日の夜にゴミ捨て場に捨てられていた赤ちゃんと、その子を拾った三人のホームレスの周りで、たくさんの奇跡が起きるお話。
海外の作品ではよく「クリスマスの奇跡」という題材の作品がつくられるけど、日本でガッツリそれをやってるの、ちょっと珍しい気がする。
景色がすごく東京くさくて良かった。
ああいう質感の景色って、関西にはないんだよね。
東京でしか生まれない「クリスマスの奇跡」、面白かったなぁ。
重たい内容かと思って割と身構えて観始めたけど、気持ちが軽くなる映画だった。
観ながら思ったことを連ねていくと
・梅垣さん、良い声だな。
・この「奇跡だわ」って言った人が、後で絡んでくるのかな?
(結局 最後までわからなくて、もう一回見直したら、冒頭で炊き出ししてた人だった。ハナに赤ちゃん出来るって話を聞いてたから、本当に赤ちゃん抱いてるとこ見て、あの台詞なのね)
・結婚パーティーでメイドに化けてたお兄さん、めちゃめちゃかわいいな。
キャラデザ的に悪い人ではなさそうだから、連れてかれても安心だった。
奥さん優しくて最高。
幸せになって欲しいなぁ。逃げ切って欲しいなぁ。
・ペットボトルで作った風車がたくさんあるとこ、あるよね~!
こういう絵が入ってくるの、大好き。
・この作品で唯一ずっとツイてないの、タクシーの運転手さんだよね
・うちのAlexa、梅垣さんがいう「みゆきちゃん」に反応するんだけど。
・路地に現れる天使だか妖精だかは、真冬にサンダル履きなのな。
・鍵開けてドア通って「ただいま」のシーン、うまいなぁ。
・柴田理恵さんだ!
・あがた森魚は「幸子の幸はどこにある」と歌ったけど、「ハピネス」とか「ハピハピ」とか「ラッキー」ってすごい言ってる人を見ると不安になるよね。
「人は一方を強く意識するとき、その真逆を同じくらい強く意識し、恐れている」みたいなの思い出すよね。
・清子の身体能力もすごいので、一日も早くあの男と別れて、これからは訳あり風の美人トラック運転手になるなどして、モテたり稼いだりしていってほしい。
・これくらい出来すぎた奇跡のお話で、ちょうどいい。
見終わって思ったのは、今敏監督は優しいねってこと。
恵まれてるとは到底言えない状況の三人と赤ちゃんが、苦労するのでも失敗するのでもなく、ずっと "すくわれていく" ことで、見ている人の気持ちが軽くなっていく。
前回観たパプリカも、今回のゴッドファーザーズも、もっと理屈っぽく重い感じになってもおかしくないのに、全然そうなってなくて、見終わった後は良い気分になれた。
それにしても、「パプリカ」がこれの後につくられた作品なの、面白いなぁー。
他の今敏監督作品も、一通り観てみようかな。
あと、映像特典の鴻上尚志さんの語り口とか、あの頃の鈴木慶一さんの感じとか見て「ああぁー!2000年頭!」てなった。
鴻上さんが「大人の鑑賞にたえるアニメをつくったらこうなったってこと」て言ってるってことは、この頃はまだ「アニメは子供が観るもの」だったんだな。
でも、AKIRAってもっと前でしょ?80年代?
ジブリも既にたくさん出してる頃よね。
それでもまだそういう感じだったんだ。
今敏監督は、話してる姿も話し方もめちゃくちゃ賢そうで、優しそうだった。
そして、江守徹さんのネクタイは、今まで見た黄色いネクタイの中で一番 幅が広かった。
次は「妄想代理人」観るつもりなんだけど、6本組なことにビビってる。
また観終わったら、レビュー書きます。