新海誠著〖小説 秒速5センチメートル〗ネタバレ感想。
新海誠さんが監督したアニメーション映画『秒速5センチメートル』を元に監督自らノベライズした小説。
雑誌〔ダ・ヴィンチ〕で毎月掲載された。
新海誠さんが監督したアニメーション映画『秒速5センチメートル』を元に監督自らノベライズした小説。
雑誌〔ダ・ヴィンチ〕で毎月掲載された。
〖小説 秒速5センチメートル〗
著者:新海 誠
発行:株式会社KADOKAWA(角川文庫)
発行:株式会社KADOKAWA(角川文庫)
〖小説 秒速5センチメートル〗ネタバレ感想
私は、笑える内容だったり、読後感スッキリ爽快だったりする作品が好きだ。
恋愛ものなら絶対に“キュン”が欲しい!
『小説 秒速5センチメートル』第一話【桜花抄】は主人公・遠野貴樹と初恋の相手・篠原明里の子ども時代のお話で、子どもゆえに純粋に相手を求める切なさと自分たちの力では抗えない無力さが切ない。
物語の全てはこの【桜花抄】に詰まっていると思う。
恋愛ものなら絶対に“キュン”が欲しい!
『小説 秒速5センチメートル』第一話【桜花抄】は主人公・遠野貴樹と初恋の相手・篠原明里の子ども時代のお話で、子どもゆえに純粋に相手を求める切なさと自分たちの力では抗えない無力さが切ない。
物語の全てはこの【桜花抄】に詰まっていると思う。
むしろ【桜花抄】だけで良かった気がする……。
新海誠と言えば、2016年公開のアニメーション映画『君の名は。』が代表作だ。
疾走感がある主題歌にピッタリのドキドキハラハラなストーリーと見とれるほど美しい絵が魅力の映画だった。
その新海誠さんが監督し小説も自ら書いたのが『秒速5センチメートル』だ。
2007年に公開されたアニメーション映画『秒速5センチメートル』を私は見ていないのだが、きっと映像で見れば文字から受ける印象と随分変わるのだろうなと思う。
新海誠と言えば、2016年公開のアニメーション映画『君の名は。』が代表作だ。
疾走感がある主題歌にピッタリのドキドキハラハラなストーリーと見とれるほど美しい絵が魅力の映画だった。
その新海誠さんが監督し小説も自ら書いたのが『秒速5センチメートル』だ。
2007年に公開されたアニメーション映画『秒速5センチメートル』を私は見ていないのだが、きっと映像で見れば文字から受ける印象と随分変わるのだろうなと思う。
『小説 秒速5センチメートル』には、私が好きな“笑い”とか“スッキリ”とか“キュン”がない。
個人的には、主人公・遠野貴樹は恵まれている人間にもかかわらず鬱々としていて何となく好きになれない。
読みながら、この男、一体何をグズグズしているのだ、と思ってしまった。
子ども時代の行動力はどこへ行ったのだ。
貴樹の想いはいつまでも過去にあって、それは叙情的と言うべきかもしれない。
私としては、物事には必ず答えがあり結論があり、それを先延ばしにしてグズグズしているのはただの時間の無駄づかいだと思う。
それゆえ貴樹は、交際相手の女性の時間を奪い続けただけのダメ男に思える。
貴樹は美少年で大人になってからも結構なイケメンに育ったようで、常に女性の方から近づいてきている。
それで付き合うことになるのだが、女性は時間が経つほど、この人は私のことをほんとに好きじゃないんじゃないか、という空しさを覚える。
貴樹はその時の彼女のことはちゃんと好きなんだろうが、女性が安心するような恋愛感情の深さや熱さがないのだろう。
そんな男と一緒にいることは、まるで一人相撲のようで寂しいではないか。
好きになってもらおうと懸命になればなるほど恥ずかしさが増していき、場合によってはかわいさ余って憎さ百倍になる。
女性をそんな気持ちにさせるのが貴樹だ。
貴樹にとって初恋はずっと美しいままだ。
貴樹はタチが悪く、初恋の相手・篠原明里のことが頭から消えることはないのに明里を求める努力も消す努力もしない。
どんな女性と付き合っても満足できないのはそのせいではないか?
もっと他に良い人がいるという余地ではなく、私ではない特定の誰かが貴樹の中にいるのではないか、と歴代の彼女達は薄々感じ取っている。
新海誠さんは、後のことは想像に任せるパターンが好みなのかな?
『君の名は。』も最後は「あれ?今の人は?」って感じの振り返りがあり、その後のことは映画を見た人が勝手に想像するパターンで終わっていた。
『小説 秒速5センチメートル』でも踏切ですれ違う貴樹と女性で終わる。
『小説 秒速5センチメートル』では、明里は婚約している。
踏切の女性が明里だったとして、なぜ、今このタイミングですれ違う必要があるのだろう、と最後に残ったマヨネーズがなかなか容器から絞り出せないような苛々を感じた。
想像に任せるパターンなら幸せな未来を想像させてほしいものだ。
個人的には、主人公・遠野貴樹は恵まれている人間にもかかわらず鬱々としていて何となく好きになれない。
読みながら、この男、一体何をグズグズしているのだ、と思ってしまった。
子ども時代の行動力はどこへ行ったのだ。
貴樹の想いはいつまでも過去にあって、それは叙情的と言うべきかもしれない。
私としては、物事には必ず答えがあり結論があり、それを先延ばしにしてグズグズしているのはただの時間の無駄づかいだと思う。
それゆえ貴樹は、交際相手の女性の時間を奪い続けただけのダメ男に思える。
貴樹は美少年で大人になってからも結構なイケメンに育ったようで、常に女性の方から近づいてきている。
それで付き合うことになるのだが、女性は時間が経つほど、この人は私のことをほんとに好きじゃないんじゃないか、という空しさを覚える。
貴樹はその時の彼女のことはちゃんと好きなんだろうが、女性が安心するような恋愛感情の深さや熱さがないのだろう。
そんな男と一緒にいることは、まるで一人相撲のようで寂しいではないか。
好きになってもらおうと懸命になればなるほど恥ずかしさが増していき、場合によってはかわいさ余って憎さ百倍になる。
女性をそんな気持ちにさせるのが貴樹だ。
貴樹にとって初恋はずっと美しいままだ。
貴樹はタチが悪く、初恋の相手・篠原明里のことが頭から消えることはないのに明里を求める努力も消す努力もしない。
どんな女性と付き合っても満足できないのはそのせいではないか?
もっと他に良い人がいるという余地ではなく、私ではない特定の誰かが貴樹の中にいるのではないか、と歴代の彼女達は薄々感じ取っている。
新海誠さんは、後のことは想像に任せるパターンが好みなのかな?
『君の名は。』も最後は「あれ?今の人は?」って感じの振り返りがあり、その後のことは映画を見た人が勝手に想像するパターンで終わっていた。
『小説 秒速5センチメートル』でも踏切ですれ違う貴樹と女性で終わる。
『小説 秒速5センチメートル』では、明里は婚約している。
踏切の女性が明里だったとして、なぜ、今このタイミングですれ違う必要があるのだろう、と最後に残ったマヨネーズがなかなか容器から絞り出せないような苛々を感じた。
想像に任せるパターンなら幸せな未来を想像させてほしいものだ。
以上、〖小説 秒速5センチメートル (角川文庫)〗感想でした。
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ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)
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