たたらワークス★漫画・ドラマ・小説のネタバレ感想

『きみと青い春のはじまり』全5巻あらすじ・ネタバレ感想

アサダニッキ著『きみと青い春のはじまり』全5巻あらすじ・ネタバレ感想。
スクールカーストてっぺんのイケメンが罰ゲームでぼっち女子に告白!?
遊び半分だったのに気づけば本気で追いかけるハメに……。

『きみと青い春のはじまり』

the springtime of my life began with you
『きみと青い春のはじまり』全5巻 tataraworks
著者:アサダニッキ
カバーデザイン:名和田耕平デザイン事務所
発行:株式会社講談社



★項目クリックでページ内ジャンプ
(goo blogアプリはブラウザ接続で可能)

『きみと青い春のはじまり』登場人物

『きみと青い春のはじまり』全5巻あらすじ・ネタバレ感想



『きみと青い春のはじまり』登場人物 

●末広しろ(すえひろ)
 中2まで転校続きだったぼっち女子
 祖父母と同居、両親とは別居
 寿ミチルの『流星の森』ばかり読んでいる
 高砂誉に罰ゲームで告白され……

●高砂 誉(たかさご・ほまれ)
 陽キャでイケメンの人気者
 罰ゲームでしろに告白するが本気になる
 しろの居場所として文芸部を復活させる

●八千代文彬(やちよ・ふみあき)
 何かとしろのことを気にかける委員長
 正体は10代小説家

●福守(ふくもり)
 天文部の部長
 関係なさそうでありながら重要ポジション

●吉祥(きちじょう)
 高砂の取り巻きの一人
 末広と広末をよく間違う
●亀田(かめだ)
 高砂の取り巻きの一人
 しろに冷たくあたる
 実はしろと同中だった
●鶴原(つるはら)
 高砂の取り巻きの一人で美人
 チア部で1年生でレギュラーになる
 しろに優しくしてくれるが……

●友引(ともびき)
 通称“ともセン”で野球部の顧問
 高砂の根回しで文芸部の顧問を兼任する

●福守杏梨(ふくもり・あんり)
 文芸部に入部
 天文部部長は兄
 自作小説をネット応募
●松島頌春(まつしま・のぶはる)
 野球部とかけもちで文芸部へ入部
 高砂の中学での野球部の後輩



『きみと青い春のはじまり』1巻あらすじ・感想 

●あらすじ
陽キャでイケメンの人気者・高砂誉(たかさご・ほまれ)が、いつも隅っこで本ばかり読んでいる陰キャのぼっち女子・末広しろ(すえひろ・しろ)に公開告白をした。
高砂が罰ゲームで誰かに告白することになったことを知っていたしろは、これが罰ゲームであることを指摘し断る。
だが、高砂は罰ゲームとは認めない。
むしろ何が何でも付き合うとムキになる。


強引な高砂だったが、意外にもしろのことをよく見ていて、彼女がいつも同じ本を読んでいることも知っていた。
しろは、寿ミチルの『流星の森』を常に持ち歩くほど好きなのだ。
その本を貸してほしいと高砂が言った瞬間、しろの心の扉が開かれ……。
きみと青い春のはじまり(1) (デザートコミックス)
2019年12月13日発売


●感想
転校を繰り返してきたしろは目立たず何事もなく過ごすことに重点を置いていたのだろうが、友達がいないクラスでは居心地が悪いのが本音だったと思う。
ぼっちにとって休憩時間が一番嫌だろう。
だから、そんな自分を肯定するかのような言葉が並んでいる『流星の森』は、しろが休憩時間を負けずに過ごす為に必要な楯になっていたのだと思う。


一方、高砂誉は行動力も実行力もあり、何でもそつなくこなしてしまう。
後ろ向き発言ばかり繰り返すしろをぐいぐい引っ張り、廃部になった文芸部を復活させ、しろの居場所まで作っちゃう。
しかも、文芸部のプレートを裏返すと「末広部」なんて書いてあるのだ。
「しろがやりたいことを実現する部」だなんて、高砂、カッコ良すぎ。
こんなことされたら好きになるよ、絶対。


しろはとにかくうじうじしていて、過去を振り返っては「あの時、ああしていれば…」というタラレバが多い。
ほんの少しの勇気が出せずに後悔ばかりしているしろが、高砂のおかげで自分で思ったことを実現する為に一歩を踏み出す。
高砂みたいに即行動はできず、しろが踏み出すまでにはめちゃくちゃ時間がかかるけど、それゆえ行動を起こせたら「よくできました!」と言ってあげたくなる。


高砂は文芸部の部長つまり末広部の部長であり、しろが思うことを実現できるよう考え行動してくれる。
高砂は意外に気が長いなと思う。
彼が自分の思うままに行動すれば何でも一瞬で終わっちゃうからね。
しろにペースを合わせて彼女に自信をつけさせてる高砂は良いヤツだなと思う。
きみと青い春のはじまり(1) (デザートコミックス)



『きみと青い春のはじまり』2巻あらすじ・感想 

●あらすじ
ぼっち女子・末広しろは、自分の為に文芸部を復活させてくれた高砂誉への恋心に気づいてしまう。
物事に後ろ向きのしろだったが、動画を見てヘアアレンジに挑戦したりと行動も考え方も前向きになりつつある。
そんなしろに、3人目の文芸部員でクラスの委員長・八千代文彬(やちよ・ふみあき)は「罰ゲームの延長だよ」と忠告する。
しろは浮かれていたことを反省し、高砂と距離を取り始める。
そんな中、高砂が春休みに文芸部の3人で取材旅行に出掛けると言いだし……。
きみと青い春のはじまり(2) (デザートコミックス)
2020年5月13日発売


●感想
高砂が本当にカッコイイ。
しろに対する高砂の気の長さに、私も「好きーっ」て思うわ。
あと、高砂は学校の先生とか向いてそう。
何かひとつできるともの凄く褒めてくれる。
これだけ褒めてもらえたらもっと頑張りたくなるわね。


2巻ではしろがポジティブに動き出す。
髪の毛で顔を隠すようにうつむいていたしろが可愛く髪を結んだり、失敗しても「やっぱりなぁ」と思わず「今度はもっと~してみよう」という発想ができるようになる。
しろ本人が前向き発想に一番驚いている。
そんな陰キャのぼっちの変化は、馬鹿にしていた側からしたら調子にのるなよ、と腹立たしく思えるものだ。
高砂の取り巻きの一人・亀田がしろに意地の悪いことを言ったりする。


しろは、高砂のおかげで毎日楽しく過ごせていたけれど、自分と高砂の関係が対等ではないと気づかされ、好きだからこそ負い目がない関係を築きたくなった。
だから友達に戻ることを選んだ。
私だったら、今が楽しいのなら罰ゲームの流れだったことには目をつむるなぁ。
一からやり直すなんて勿体ないと思う。


新学期、頑張ることを決意したしろは、お昼休みも自分から高砂を誘う。
今までのしろだったら、うだうだ迷っているうちにタイミング逃したと思う。
ましてや、友達に囲まれている高砂に声をかける勇気は塵ほども持ち合わせていなかっただろう。
そんなしろが小説を書く為に取材まで始めるのだから驚きだ。
主人公のしろがどんどん動き始めたので、これからどれだけ強くなって世界を広げていくのかワクワクさせられる。
きみと青い春のはじまり(2) (デザートコミックス)



『きみと青い春のはじまり』3巻あらすじ・感想 

●あらすじ
八千代文彬が、罰ゲームの延長であり2人は対等な関係ではないことを指摘したことで、しろは高砂にお付き合いを解消し友達に戻ることを宣言する。
しろの気持ちを受け入れた高砂だったが、寝ているしろにキスしてしまう。


そんな中、新入部員の勧誘が始まる。
文芸部は不人気で生徒会規約の最低部員数5人に2人足りない。
困っているところへ天文部部長の妹・福守杏梨が入部を申し出る。
最後の1人がなかなか見つからず途方に暮れていると、高砂とは何やら因縁がありそうな男子が部室を訪ねて来る。


その頃、八千代は、杏梨に文芸部を勧めてくれたお礼を述べる為、天文部部長の福守を訪ねていた。
福守は八千代が天才中学生作家だったことを知っており……。
きみと青い春のはじまり(3) (デザートコミックス)
2020年10月13日発売


●感想
しろは高砂のことを本気で好きになった。
最初のきっかけはともかく、2人でいるうちにお互い好きになったのならノープロブレムだと思うのだがね。
でも、罰ゲームの延長のお付き合いでは相手を信じ切れないかもしれない。
そういうネガティブな部分を排除して、今度はしろから行動を起こして対等に向きあおうとするのだが、道のりが長い。
そうこうしているうちに八千代が恋愛モードに突入して、しろに告白!


八千代はしろと同じ中学で中2の頃は隣のクラスだった。
八千代は純粋で優しいしろを好きになってしまい、ぼっちのしろをどうにか助けたくて考えた末に小説を書いた。
それがしろが持ち歩く『流星の森』だ。
高校入学後も八千代は、精神的な支えとして『流星の森』を読み続けるしろを見守り続け、自分が書いた物語がしろに寄り添えていることに満足していた。
でも、世界を一瞬にして変えたのは高砂だ。
やはり行動力に勝るものなし。


『流星の森』はぼっちに寄り添う言葉がたくさん書かれていたかもしれない。
それは、教室の隅にいて空気と化すしろの心を軽くしたかもしれない。
だが、問題解決に至るものではない。
いつか社会に出て行くことを考えたらどこかで現状を変えねばならない。
時には荒療治も必要なのかもしれない。


高砂は強引にしろを閉じこもった世界から引きずり出した。
しろがうつむきそうになれば顔をあげろと言い、猫背になれば背を伸ばせと言い、前を向けだの胸を張れだの指導の嵐だ。
その上で高砂はしろの話をじっくり聞く。
しろが何をしたいのか知り、それを実現できるよう背中を押す為に。
そしてしろが何かできるともの凄く褒める。
それが、とるにたらない小さなことだったとしても思いっきり褒める。
きっとしろに成功体験を積ませることで自信をつけさせているんだろうな。


ぼっちでいてもいいんだよ、という支えは心を軽くしてくれる。
でも、本音では友達を作る為のアクションを起こせるだけの自信や強さがほしいのではないだろうか。
八千代もそれに気づいたから、自分が『流星の森』の作者・寿ミチルだと、しろに正体を明かしたのではないだろうか。
高砂に出遅れた感はあるが、果たして出遅れを取り戻せるか、八千代くん。
きみと青い春のはじまり(3) (デザートコミックス)



『きみと青い春のはじまり』4巻あらすじ・感想 

●あらすじ
八千代文彬は、自分が『流星の森』の作者であることを末広しろに明かした。
しかも、学校の校門前で公開告白というおまけ付きだ。
しろはキャパオーバーで知恵熱を出す。
一方、高砂誉は八千代の行動に焦り……。


しろは八千代から文芸コンクールに作品を応募してはどうかと提案される。
400字詰め原稿用紙30枚。
しろは初めての小説に挑戦を決意し……。
きみと青い春のはじまり(4) (デザートコミックス)
2021年3月12日発売


●感想
しろにとって『流星の森』はぼっち生活の心の拠所だった。
八千代もしろを応援できるならそれで良いと思っていたが、高砂の罰ゲーム告白で状況が急転した。
ひっそり見守っている場合ではない。
それはそうだ、なんせ中学2年の冬からずっとしろのことを好きだったのだ。
クラスの浮かれた連中のお遊びが恋に発展し、好きだった女子を持って行かれるなんて冗談ではないのである。


学校ではほんの2ヶ月くらいの間に2人の男子に公開告白されたぼっち女子・末広しろに注目が集まる。
ぼっち時代は、ぼっちであることを周囲に認識されたくなくてひたすら空気と化していたが、注目を集めるようになったらぼっちとは別の意味で身の置き所がない。
しろにとって人間関係が難儀なことには変わりがない。
おまけにチア部の鶴原の見てはいけない場面をうっかり見てしまうし……。


ぼっちだったせいで人間関係の余計な駆け引きとか裏切りだとかに巻き込まれずすんだしろはピュアだ。
何でも素直に受けとめ疑ったりしない。
高砂は目立つ存在でいろんな人に囲まれてきたせいか人をよく見ている。
しろと高砂の人付き合いの場数の差かな?
人慣れしている高砂は少々のことでは騙されない。
騙されない方が良いに決まっているが、しろは多分この先も例え騙されたとしてもあえてまた信用するのではないかと思う。
きみと青い春のはじまり(4) (デザートコミックス)



『きみと青い春のはじまり』5巻あらすじ・感想

●あらすじ
高砂誉は、末広しろに対し友達ポジションでいることに限界を感じている。
中学の頃からしろに意地悪だった亀田は鶴原の件からしろへの態度が軟化する。
元はぼっちだったしろの周りには徐々に人が増えつつある。


一方、何でもそつなくこなしていた高砂はそれができなくなったことに戸惑う。
しろを変えるつもりが、しろによって自分自身と向きあうことになり、キラキラ陽キャの高砂くんではいられなくなった。
プライドを捨て、後輩の松島頌春に中学時代の勝手な振る舞いを詫びる。
文芸部部長・八千代文彬は、高砂にコンクールへ向け執筆するよう促す。
きみと青い春のはじまり(5) (デザートコミックス)
2021年9月13日発売


●感想
中学時代、高砂は肩の故障で投げられなくなったことを野球部の仲間に隠し、飽きたことを理由に野球を辞めた。
キラキラ陽キャで当たり前のようにちやほやされてきたのに、本当のことを告げて周囲から同情されたりガッカリされることはプライドが許さなかったのだ。
でも、しろと関わっているうちに自分の内面と向きあうことになり、そういう格好のつけ方はむしろ格好悪かったと気づく。


人に頭を下げるタイプではなかった高砂だが、自分のプライドを優先させてしまったことを後輩の松島頌春に謝る。
高砂は、クラスの中心人物として身勝手に振る舞っていた自分を認め、他人の意思は関係なく他の人をグイグイと自分の方へ引っ張っていく強引さも抑えるようになる。
相変わらずキラキラしていることに変わりないが、成長して大人の対応ができるようになったわけだ。


しろは、自分が高砂と対等の位置に立てたら自分から告白しようと考えていた。
けれど、どこまでいったら対等の位置かなんて自分で分かるものではない。
そんなことを言っていたら一生告白なんてできないだろう。
だって自分が成長するように相手も成長するのだから。
出遅れている自分が何歩も先を歩いている人に追いつくなんていつになるのやら分からないではないか。


さて、例の文芸コンクールだが、なんと高砂の作品が入選する。
強引で雑そうなのに文才あったのね、高砂。
しかも文章だと意外とロマンチックらしい。
そんな高砂が書いた小説のタイトルが『きみと青い春のはじまり』だった。
モデルはしろらしいが、高砂がどんな目線でどんだけロマンチックにしろを書いたのか凄く読んでみたい。
きみと青い春のはじまり(5) (デザートコミックス)

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆

ご訪問ありがとうございました

コメントを投稿するにはgooブログのログインが必要です。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「漫画のあらすじ・ネタバレ感想」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事