楪彩郁著『狭間雑貨店で最期の休日を』あらすじ・ネタバレ感想。
その雑貨店は幽霊の未練を解決するお店。
女手一つで育ててくれた母に楽をさせてあげたくて、大学入学早々バイトを始めることにした千聖。
時給の良さに飛びついた雑貨店のバイトは信じられない事の連続で……。
その雑貨店は幽霊の未練を解決するお店。
女手一つで育ててくれた母に楽をさせてあげたくて、大学入学早々バイトを始めることにした千聖。
時給の良さに飛びついた雑貨店のバイトは信じられない事の連続で……。
『狭間雑貨店で最期の休日を』
■著者:楪彩郁
■発行:スターツ出版株式会社
■発行:スターツ出版株式会社
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『狭間雑貨店で最期の休日を』登場人物
★登場人物
『狭間雑貨店で最期の休日を』あらすじ・ネタバレ感想
★あらすじ
『狭間雑貨店で最期の休日を』登場人物
●羽根田千聖(はねだ・ちさと)
大学に入ったばかり
鳴神の店でアルバイトを始める
鳴神の店でアルバイトを始める
●鳴神雷蔵(なるかみ・らいぞう)
雑貨店[Hyssop](ヒソップ)オーナー
土日は[狭間(はざま)雑貨店]を開店
土日は[狭間(はざま)雑貨店]を開店
●羽根田麻唯子(はねだ・まいこ)
千聖の母で借金返済の為に仕事を掛け持ち
●羽根田悟(はねだ・さとる)
千聖の父で生前かなりプライドが高かった
多額の借金を残した
多額の借金を残した
●尾形知春(おがた・ちはる)
狭間雑貨店の客(幽霊)
自分が死んだ原因を知りたい
恋人だった境信一に会いたい
自分が死んだ原因を知りたい
恋人だった境信一に会いたい
●境信一(さかい・しんいち)
尾形知春の恋人だった
●堀越香奈美(ほりこし・かなみ)
千聖とは高校の頃から友達
両親が亡くなり、その後、兄も事故死
旧姓は笠原
両親が亡くなり、その後、兄も事故死
旧姓は笠原
●笠原耕太郎(かさはら・こうたろう)
狭間雑貨店の客(幽霊)
親戚をたらい回しされ苦労していた
妹に八つ当たりしたことが心残り
親戚をたらい回しされ苦労していた
妹に八つ当たりしたことが心残り
●藤山桃代(ふじやま・ももよ)
狭間雑貨店の客(幽霊)
高校の英語の教師だった
当時の教え子に会いたい
高校の英語の教師だった
当時の教え子に会いたい
『狭間雑貨店で最期の休日を』あらすじ
羽根田千聖(はねだ・ちさと)は大学入学早々アルバイト探しを始めた。
千聖が小学2年の時に病死した父・悟(さとる)が残した借金返済の為、母・麻唯子(まいこ)は仕事を掛け持ちして働いている。
母の力になりたい千聖だが、大学の掲示板に貼り出されているアルバイトの求人情報はぴんとこないものばかり。
千聖が小学2年の時に病死した父・悟(さとる)が残した借金返済の為、母・麻唯子(まいこ)は仕事を掛け持ちして働いている。
母の力になりたい千聖だが、大学の掲示板に貼り出されているアルバイトの求人情報はぴんとこないものばかり。
帰り道、千聖はアーケードの手前で見慣れぬ店を見つける。
数日前に付近を通った時は無かった建物だ。
不思議に思いながらも店に引き寄せられた千聖は、店の扉に求人の紙が貼られていることに気づく。
だが、この張り紙には時給はおろか、開店日も営業時間も肝心な事が何一つ書かれていないのだ。
立ち去ろうとする千聖に青年が声をかけてきた。
数日前に付近を通った時は無かった建物だ。
不思議に思いながらも店に引き寄せられた千聖は、店の扉に求人の紙が貼られていることに気づく。
だが、この張り紙には時給はおろか、開店日も営業時間も肝心な事が何一つ書かれていないのだ。
立ち去ろうとする千聖に青年が声をかけてきた。
青年はこの雑貨店[Hyssop](ヒソップ)のオーナーで、名は鳴神雷蔵(なるかみ・らいぞう)だと言う。
鳴神は千聖に仕事の内容を説明し、時給は千円、勤務時間は相談にのると言う。
更に、土日はちょっと特別なお客様が来店するので、できれば土日こそシフトに入ってほしいと言う。
しかも、土日の時給は千五百円だ。
急に跳ね上がった時給に怪しさを感じる千聖だったが、週末に時給の七掛けでお試し研修を受けることに。
鳴神は千聖に仕事の内容を説明し、時給は千円、勤務時間は相談にのると言う。
更に、土日はちょっと特別なお客様が来店するので、できれば土日こそシフトに入ってほしいと言う。
しかも、土日の時給は千五百円だ。
急に跳ね上がった時給に怪しさを感じる千聖だったが、週末に時給の七掛けでお試し研修を受けることに。
千聖が約束通り週末に店を訪れると、鳴神は店の電話機からコードを抜いた。
鳴神が入り口のプレートをOPENに変えると窓の外にあった日常の景色が消えた。
外の異変に混乱する千聖に関係なく1人目のお客がやって来る。
「ようこそ、『狭間(はざま)雑貨店』へ。ここは、あなたの未練を解決するお店です」(28ページ)
鳴神が入り口のプレートをOPENに変えると窓の外にあった日常の景色が消えた。
外の異変に混乱する千聖に関係なく1人目のお客がやって来る。
「ようこそ、『狭間(はざま)雑貨店』へ。ここは、あなたの未練を解決するお店です」(28ページ)
『狭間雑貨店で最期の休日を』ネタバレ感想
羽根田千聖は、とにかく亡くなった父親・悟に対して怒っていた。
悟は病気が原因で仕事を辞めたことを家族に黙っており、借金をして働いているふりをし続けていた。
そうやってできた借金を母親・麻唯子が苦労して返済している。
あまり家族らしい事や父親らしい事をしてもらった記憶がないだけに、千聖にとって父親は自分と母に苦労ばかりさせている憎むべき相手なのだ。
悟は病気が原因で仕事を辞めたことを家族に黙っており、借金をして働いているふりをし続けていた。
そうやってできた借金を母親・麻唯子が苦労して返済している。
あまり家族らしい事や父親らしい事をしてもらった記憶がないだけに、千聖にとって父親は自分と母に苦労ばかりさせている憎むべき相手なのだ。
私は読みながら、なぜ麻唯子が借金を返済する必要があるのか疑問に思った。
家も持ち家ではないし、父親は借金をして体裁を繕っていたのだから預貯金もなかったのだろう。
仮に生命保険に加入していたとして保険金は財産の扱いではない。
相続放棄しても保険金はシッカリもらえる。
ならば相続放棄すれば借金を返済する必要もないのではないかと……。
家も持ち家ではないし、父親は借金をして体裁を繕っていたのだから預貯金もなかったのだろう。
仮に生命保険に加入していたとして保険金は財産の扱いではない。
相続放棄しても保険金はシッカリもらえる。
ならば相続放棄すれば借金を返済する必要もないのではないかと……。
これに関しては物語終盤で理由が分かる。
麻唯子には、悟の借金を払い続けなければならない後ろめたい事情があった。
その理由が分かるまで、千歳は父親のことを恨んで恨んで恨みまくっている。
父親に対してあれだけ激しい嫌悪感を表されると、例え悟がクズだったとしてもさすがに気の毒に思えてくる。
もうちょっと早く千聖に事情を教えてあげてほしかった。
麻唯子には、悟の借金を払い続けなければならない後ろめたい事情があった。
その理由が分かるまで、千歳は父親のことを恨んで恨んで恨みまくっている。
父親に対してあれだけ激しい嫌悪感を表されると、例え悟がクズだったとしてもさすがに気の毒に思えてくる。
もうちょっと早く千聖に事情を教えてあげてほしかった。
これは、言いたいことが言えなかった人達の物語だ。
せめてあと10分、いや5分早く言葉にしていたら。
作者の楪さんは、友達の話を聞けなかったことを後悔している、とあとがきに書いている。
人はいつ死ぬか分からない。
話を聞ける時に聞いて、話せる時に話すことは大事だと思った。
せめてあと10分、いや5分早く言葉にしていたら。
作者の楪さんは、友達の話を聞けなかったことを後悔している、とあとがきに書いている。
人はいつ死ぬか分からない。
話を聞ける時に聞いて、話せる時に話すことは大事だと思った。
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ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)
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