ゼロ回答を教えると、次のような課題が持ち上がります。
1.有回答なのに、不持来をする。
2.ゼロ回答の時に新しく追加した布を取る
3.全部の布を嗅いで無い。
4.ゼロ回答の後の作業が不安定になる。
5.連続してゼロ回答が有ると2回目は不持来出来ない。
6.薄い臭いの時に不持来する!
全ての項目に共通するのは、決して叱らないこと!
1.不持来した時も、ゼロ回答を正解したのと同じ気持ちで誉めてやる。
そして、再度やらせて、正解すれば、誉めてやる。
再度も不持来するようなら、布が悪いと判断して、布を新しく差し直す。
それでも不持来するなら、布が悪いかもしれないと判断して、別の臭いの布を 本臭に使う。
作業をしたご褒美に餌を与えて、誉める!
不持来した事の罪悪感を抱かせない!
2.ゼロ布を取るのは、よくある現象です。
誘惑無臭布で練習している時に、
誘惑は交換しないで、ゼロ布として、同じ無臭布を使うのですが、それでも新しく追加した無臭ゼロ布を取ることがあります。暴露時間の違いで、同じ無臭布の筈なのに、
違う布として認識するようです、
誘惑も移行臭布でゼロ回答をやる時、
ゼロ布を取ることが多いのです。
どちらのケースもゼロ布を固定して、
不持来させるようにする。
新しく追加したゼロ布を取らない特訓があります。
誘惑は無臭布、ゼロ布を本臭と同じ作り方の布を使って、固定して新しい誘惑布を取らないことを教えます。
反応するけど取らないと言うのが、理想的な作業です。
本臭とゼロ布に直付け、靴下移行臭、肌着移行臭を使って練習してみましょう。誘惑布は無臭です。
3.ゼロ回答の時に、不持来は出来たのに、全部の布を嗅いで無いので、間違いになる。
全部確認しない時の傾向を把握する。
確認しなかったのは、左端か右端か?
対策1.1回目右端、2回目左端、3回目ゼロ、の設定で、両端に意識がのこるようにした後にゼロ回答をやる。
対策2.誘惑を2枚ずつ差して10枚にして、
台の穴全てに布を差して、作業させる。
この時も、両端に本臭を置いて全部確認する意識付けをする。
10枚差しでゼロ回答をやらせる。
対策3.台3台を使う
誘惑は4枚、穴の間隔を広げて、
1.5倍の幅で作業させる。
この時も、左右の端に本臭を置いて、
布を全部確認する意識を高める。
更に誘惑を2枚ずつの8枚、
3枚ずつの12枚にしてやらせる。
3回目をゼロ回答にすると、誘惑は13枚でゼロ回答をすることになります。
全部確認する意識を高めるのが目的なので、
簡単な臭いで練習すると良い。
即ち、本臭は直付け、誘惑は無臭布、或いは移行臭布。
臭いに対する練度を上げるのが目的では無く、
端から端まで確認する意識を高めることが目的!
4.ゼロ回答の後の作業が不安定になる。
不持来をした後の犬の精神状態は、
不安になっている可能性があり、
有回答を間違えたり、不持来をすることが多い。
有回答の時に不持来をした場合に叱ることで、
不持来した時に不安になる意識付けを、
していることになる。
したがって、有回答で不持来しても叱らないことで、
次の作業の不安をとり除くことが出来る。
5.有りゼロゼロ有りを克服する。
対策、簡単な臭いでやらせる。
本臭直付け、誘惑無臭布で有りゼロゼロ有りをやらせる。
ゼロ臭布も無臭布を使う。
これで問題無く出来るようになったら、
誘惑無臭布でゼロ臭には直付け布を使う、
次の段階は1回目のゼロ臭と2回目のゼロ臭を違う物を使う。
誘惑無臭で出来るようになったら、
誘惑移行臭布、本臭直付けでやる。
ゼロ臭も移行臭でやり、次に直付け。
直付け本臭で問題無く出来るようになったら、本臭移行臭でやる。
誘惑無臭布でやり、誘惑移行臭と徐々に難易度を上げていく。
有りゼロ有りゼロの練習も同じ要領でやりましょう。
6.薄い臭いの時に不持来する!
対策、薄い臭いで練習して克服するのは間違い!
混乱を更に深めることになりかねない!
ゼロ回答とは、同じ臭いが無ければ取って来ない!ことを教えること!
薄い臭い作りは難しい!
移行時間が短いと移行のバラツキが発生し易い!
撹拌も何度も出来ない!
臭いにバラツキの有る布を使って作業させると、有回答で不持来するのは当たり前!
手元が駄目布の時、台の本臭が駄目布の時、
どちらも不持来する!
手元と台が揃って当たり布の時、目的通りの訓練が出来る。
バラツキの有る布を使って、ゼロ回答の基本動作を教えることは出来ない。
薄い臭いへの対応力は、別のやり方で高める。
薄い臭いは直付け、レベル1は1回擦り、
レベル2は直付け一握り
で作業させる。
誘惑は無臭布、次に誘惑も直付け1回擦り、一握り本臭なら、誘惑も一握りを使用する。
一握り直付けをお願いするのは、選別訓練を良く知っている人に頼むこと。
薄い臭いでゼロ回答の練習はやらなくても良い。
もしやるなら、誘惑は無臭布でやりましょう。