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雑感録

ところ変われば~ちゃんぽんの話~

 
根が長崎出身のせいだろう。
福岡でちゃんぽんを食うと、ときどき「こんなもん、ちゃんぽんじゃねえ!」というのがある。
福岡ではちゃんぽん玉に野菜だの肉だの具沢山っぽく盛られていれば「ちゃんぽん」ということになっているようだが、イカ・エビなどの海鮮系なしで「ちゃんぽん」と呼ばれているものが結構多いのだ。
本当は夏はアサリ、冬はカキと、貝を入れるのもお約束なんだけど、最近は長崎でも「特製ちゃんぽん」とかにならないと貝が入らないものが多くなってきたので、これはおいとくとしても、イカ(ゲソ)は絶対に不可欠。
鶏ガラや豚骨でとる獣系のスープに、イカの旨味が溶け込んでこそちゃんぽんなのだ。
渡辺通にちゃんぽん&ラーメンの店があって、ちゃんぽん、ラーメンとも同じスープを使っていると思うのだが、ラーメンの方はどうしようもないのにちゃんぽんはまあまあイケる。
これも、ちゃんぽんのスープにはイカ(もちろん野菜なんかも)の旨味がプラスされているからなんだろうと思う。
イカは別にダシをとる素材ではないが、ちゃんぽんに限らず、イカのチカラは侮り難し、である。

また、福岡でちゃんぽんの旨い店として、平尾の某とんかつ屋と天神の某中華レストランと西中洲の某大衆食堂の名前がよく上がるが、オイラに言わせれば、あれはしっかりとした中華なダシがとれない家庭で作るちゃんぽんの味。妙にタマネギの甘みが強いのもいただけない。
とはいえ、ところ変われば料理も変わるので、客観的に見れば福岡のちゃんぽんが悪い訳ではない。
ただ、たぶん長崎出身というだけでよくちゃんぽんの旨い店を尋ねられるけど、オイラはあくまで長崎基準でしか答えられないので、そのへんのところは差し引いてね、というお話。



--続く→

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