アンテナ系のコモンモードフィルター作成
昨年(2023)、オートアンテナチューナーを増設してアンテナを2系統にする折に、同軸ケーブルとコントロールケーブルに取り付けていたコモンモードフィルターを見直し、新たに作り直しました。
▶使用した材料
・フェライトコア: FAIR RITE 5943003801(FT240#43相当)
・同軸ケーブル: RG-58A/U(50Ω)線径5mmと細く柔らかいので巻きやすい
・コントロールケーブル: 4芯シールド線、線径約4~5mm
・同軸ケーブル: RG-58A/U(50Ω)線径5mmと細く柔らかいので巻きやすい
・コントロールケーブル: 4芯シールド線、線径約4~5mm
▶作成
1)アンテナ用: 1コアに15ターンW1JR巻き、2個直列( 計30ターン)
2)コントロール線ATU直下用: 1コアに17ターンW1JR巻き、2個直列(計34ターン)
3)コントロール線トランシーバー側用: 1コアに17ターンW1JR巻き
▶取付
- アンテナケーブルにはトランシーバー側とATU直下のそれぞれに同軸ケーブル2個直列を取付
- コントロール線にはトランシーバー側にコア1個のもの、ATU直下に2個直列を取付
▶実測値
LCRメーターで測定。
コアによって多少のバラつきがあります。
- RG-58A/Uを15ターン×2直列⇒1KHz測定462~489μH、100KHz測定⇒446~473μH
- 4芯シールドを17ターン×2直列⇒1KHz測定596~618μH、 100KHz測定575~595μH
- RG-58A/Uを15ターン×1個⇒1KHz測定221~280μH、100KHz測定205~215μH
- 4芯シールドを17ターン×1個⇒1KHz測定272~340.4μH、100KHz測定240~263μH
▶結果/効果(同時に電源系も見直し、取り付けています)
シャックからアンテナまでのケーブルへの回り込みは見られず、家中にある周辺機器へのインターフェアもありませんでした。
アンテナ系のコモン対策は一応これで良しとしました。
▶補足
- W1JR巻は7/ 8ターン巻いた後、折り返し時にコア内を通してから7/8ターン巻くので計15/17ターンとなります。巻きはじめと終わりが反対方向になるので扱いやすいです。
- 測定に使用したLCRメーターはDE-5000です。重宝しています。
- コアの巻き数、必要な長さ、各バント(周波数)におけるインダクタンスなどはWEBページ https://toroids.info/FT240-43.php を利用させていただきました。複雑な計算が瞬時にでき、便利で感謝です。
- 今回のコアは2012年頃に購入したもので、当時の価格は今の1/4~1/5程度でした。現在はかなり値上がりしているので財布に厳しいです。
- コアを2個使用すると重くなります。ケーブルに負荷をかけない取付方法の工夫が必要です。