つらつら日暮らし

病身五尺五寸

実は、先週の土曜日(1月15日)からウイルス性胃腸炎を発症しまして、昨日の夜まで事実上の断食状態でございました。その間にも、代理が立てられない仕事が幾つかあったので、西に東に走っていましたが、まぁ、人は4日くらい食べなくても何とかなるものです。とはいえ、他人に感染させちゃならんと、自分で消毒しながら歩いたり、仕事先に食事は用意しなくても良いことを伝えたりして、かえってお気遣いいただいたりと、ご迷惑もおかけしました。

それにしましても、どれほどに軽くても病になれば思い出します。

 世尊、一切衆生に、四毒箭有り、則ち病因たり。何等をか四と為す。
 貪欲・瞋恚・愚痴・憍慢なり。
 若し病因有れば則ち病有りて生ず。いわゆる愛熱肺病・上気吐逆・膚体の瘳瘳・其の心の悶乱・下痢噦噎・小便淋瀝・眼耳疼痛・背満腹脹・顛狂乾乾・鬼魅に著せらるるなり。
    『大般涅槃経』「現病品」


これは、迦葉菩薩が仏に対して述べたことです。そして、迦葉菩薩は、世尊に対し、一切衆生には4つの病の箭があるというわけです。これは、病の原因を喩えた言葉です。では、衆生の病の原因となる4つとは何か?といえば、それこそ、貪瞋痴の三毒と、驕り高ぶりの心です。

そして、この原因があって病が生じ、その病は熱や肺病、或いは上気して嘔吐するなど身心が悪くなるのです。そして、更に問題になるのは、鬼魅に憑かれてしまうということでしょう。要は、この病というのは、修行が退転する原因ということです。しかし、本当に身心が病になっても、やはり修行が退転してしまうので、結果的に同じことです。

でも、この教えをよくよく考えてみてください。病の原因の多くは、自らの身心に過ぎたる無理をさせるということです。貪りも、怒りも、愚かさも、皆やはり無理があるのです。そして、驕り高ぶりは、慎重さに欠けて思い上がった行動をすることです。これらが、結果的に修行を退転させるのです。

拙僧も、知らず知らずの内に、これらの「毒箭」を食らっていたようです。無論、本人が身心に無理をさせてしまったということになりますが、気を付けたいものです。結果的に、ここ数日は何か上の空でございます。とはいえ、仕事はしなくてはならないので、していますけどね。

インフルエンザなども流行していると聞きます。皆さまも三毒プラスワンにご注意ください。

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コメント一覧

tenjin95
コメントありがとうございます。
> 浜の偏屈爺 さん

> 風邪見舞い有難うございました。

いえいえどういたしまして。無事、回復されたようで何よりです。

> 小生の場合は感冒の様で熱はなくただ体の冷えが厳しく夜中に2時間おきに小用に立つという体たらくでした。こんなに調子を崩したのは5年ぶりくらいですかね。食欲が無く体重調整には良いのですが気力も衰えるのに困っています。でも峠を越えたようであと数日で平常に戻れそうです。

どうぞお大事になさって下さい。拙僧も、その後もまたやや胃腸の調子が悪く、暴飲暴食は避けねばならないと思っている次第です。元々、小食ではありますけどね。
浜の偏屈爺
見舞い有難うございました
http://blog.goo.ne.jp/hiroharikun
tenjin95の和尚様 今日は
風邪見舞い有難うございました。小生の場合は感冒の様で熱はなくただ体の冷えが厳しく夜中に2時間おきに小用に立つという体たらくでした。こんなに調子を崩したのは5年ぶりくらいですかね。食欲が無く体重調整には良いのですが気力も衰えるのに困っています。でも峠を越えたようであと数日で平常に戻れそうです。
tenjin95
コメントありがとうございます。
> 風月 さん

> くれぐれも、お大事になさって下さい。

ありがとうございます。
もう、ほとんど通常の食事に戻りました。

> 私は目下腰痛の治療中です。やはり早期の治療は大事と先生に言われました。

そうでしたか。寒い時期とも重なって大変ですね。風月さんこそ、どうぞ御大事になさって下さい。
風月
http://blog.goo.ne.jp/fugetu3483
くれぐれも、お大事になさって下さい。
私は目下腰痛の治療中です。やはり早期の治療は大事と先生に言われました。
tenjin95
コメントありがとうございます。
> 雑草 さん

> よかったですねあしあとの上のところに書かれていましたんで心配してました。

ありがとうございます。
本当に苦しかったのは、土曜日の午後から翌朝にかけてでしたが、とにかく絶食を余儀なくされたので、その後もフラフラしていました。

> おいらは、大麦の芽を使った健康食品(青汁のようなもの)を、10年以上飲み続けてますそのせいかどうか、病気はしたことがありません。でも、その油断があぶないかも・・・

危ないですね。
そして、これで病気をしないと思っていて、その後何かで病気をすることもありますので、とりあえず、掛かった後の、心の柔軟性も大切ですね。

> お互い、健康には気をつけましょう。

ありがとうございます。本当にそうですね。
雑草
回復されましたか
http://blog.goo.ne.jp/zatsusou/
よかったですね

あしあとの上のところに書かれていましたんで
心配してました。

おいらは、大麦の芽を使った健康食品(青汁のようなもの)を、10年以上飲み続けてます

そのせいかどうか、病気はしたことがありません。

でも、その油断があぶないかも・・・

お互い、健康には気をつけましょう。
tenjin95
皆さんコメントありがとうございます。
> 開眼寺壇信徒 さん

> 大変な思いをされて、お気の毒な事でした。

とはいいましても、これは「病苦」といえる程のモノではありません。回復可能性があり、その通りになった「軽い」モノです。

> 私、55年生きてきて、大病を患ったり、大怪我を負ったりなど無い人生を歩んできました。有りがたいことです。
> 幼少期には高熱で二三日伏せったりは有りましたが、入院などは経験なく生きてきました。
半日ほど病院のベッドに寝た事は有りますが、成分献血のためで、病気では有りませんでした。
> 無事健康で過ごせて有りがたい事です。

ありがたいことだとは思います。
ただ、敢えて申し上げますが、拙僧の周囲や檀家さんでは、それまで一病も患ったことがないような人が、死に至ってしまう病を発症し、最後の半年から数年、苦しみ抜いて死ぬということもございます。御存知だと思いますが、ガンの苦しみは想像を絶します。

是非、お気を付けいただきたいと思います。ハッキリ申し上げますが、無病息災は何の自慢にもなりません。それは死ぬ間際に、初めて「そういえば、これまで病無く生きられた」と静かに感謝すべきモノだといえましょう。

本当にご注意ください。若僧が老婆心でもってご忠告申し上げます。

> 叢林@Net さん

> お身体くれぐれもお大事に!お見舞い申し上げますm(__)m

家族からうつされました(笑)
その家族も、拙僧も回復したので大丈夫です。仕事で東奔西走した際、一応気を付けていたつもりですが、誰かに感染させてはいないかと、そればかりが心配です・・・
叢林@Net
助化師さま
http://blog.goo.ne.jp/sorin-net
お身体くれぐれもお大事に!

お見舞い申し上げますm(__)m
開眼寺壇信徒
大変な思いをされて、お気の毒な事でした。
私、55年生きてきて、大病を患ったり、大怪我を負ったりなど無い人生を歩んできました。有りがたいことです。
幼少期には高熱で二三日伏せったりは有りましたが、入院などは経験なく生きてきました。
半日ほど病院のベッドに寝た事は有りますが、成分献血のためで、病気では有りませんでした。
無事健康で過ごせて有りがたい事です。
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