それにしましても、どれほどに軽くても病になれば思い出します。
世尊、一切衆生に、四毒箭有り、則ち病因たり。何等をか四と為す。
貪欲・瞋恚・愚痴・憍慢なり。
若し病因有れば則ち病有りて生ず。いわゆる愛熱肺病・上気吐逆・膚体の瘳瘳・其の心の悶乱・下痢噦噎・小便淋瀝・眼耳疼痛・背満腹脹・顛狂乾乾・鬼魅に著せらるるなり。
『大般涅槃経』「現病品」
これは、迦葉菩薩が仏に対して述べたことです。そして、迦葉菩薩は、世尊に対し、一切衆生には4つの病の箭があるというわけです。これは、病の原因を喩えた言葉です。では、衆生の病の原因となる4つとは何か?といえば、それこそ、貪瞋痴の三毒と、驕り高ぶりの心です。
そして、この原因があって病が生じ、その病は熱や肺病、或いは上気して嘔吐するなど身心が悪くなるのです。そして、更に問題になるのは、鬼魅に憑かれてしまうということでしょう。要は、この病というのは、修行が退転する原因ということです。しかし、本当に身心が病になっても、やはり修行が退転してしまうので、結果的に同じことです。
でも、この教えをよくよく考えてみてください。病の原因の多くは、自らの身心に過ぎたる無理をさせるということです。貪りも、怒りも、愚かさも、皆やはり無理があるのです。そして、驕り高ぶりは、慎重さに欠けて思い上がった行動をすることです。これらが、結果的に修行を退転させるのです。
拙僧も、知らず知らずの内に、これらの「毒箭」を食らっていたようです。無論、本人が身心に無理をさせてしまったということになりますが、気を付けたいものです。結果的に、ここ数日は何か上の空でございます。とはいえ、仕事はしなくてはならないので、していますけどね。
インフルエンザなども流行していると聞きます。皆さまも三毒プラスワンにご注意ください。
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