地蔵はインドに於いて信仰され、元々は農耕についての女神が起源ですので、ちょっと今回のような考え方は出てこないのですが、これが、中国に入りますと、三階教という仏教の一宗派が、『十輪経』という教典の影響もあって、地獄に堕ちるという恐怖に襲われる末世の衆生は地蔵を本尊として救済されるべきだという信仰が拡がりました。
日本に地蔵のイメージが伝わったのは、教典を通じて奈良時代に入ってきたのですが、平安時代末期の浄土信仰に影響を受けて、地蔵信仰は民間にも拡がっていきます。その時に原動力となった経典が『地蔵十王経』という日本で作成された偽経です。この経典では、明確に閻魔大王の本地(=本来のあり方)が地蔵菩薩であると主張されております。この主張は日本独特な信仰に基づいており、中国以前には見られませんでした。その意味で、閻魔と地蔵が同じというのは日本独自のものです。
余談ですが、閻魔とはインドの古い神で『リグ・ヴェーダ』にも出ております。その役割は死後の楽園の王、死後の世界にいる祖先の霊を支配する王として考えられていました。。。
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tenjin95
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