つらつら日暮らし

マルティン・ルター『九十五箇条の提題』を学ぶ・12

ドイツ宗教改革の発端にもなったとされるマルティン・ルターの『九十五箇条の提題』の日本語訳を学んでいく連載記事である。連載12回目である。

12 以前は、教会法に基づく罰則は、真の痛悔を検証するために罪の赦しの後ではなく前に科された。
    深井氏下掲同著・16頁


よく分からない単語が出てきた。「痛悔」がそれだが、深井先生の註記では、「悔い改めのサクラメントの中核をなす行為で、神の前に罪を犯すより、すべてを失うほうがよいと決心するまで罪を悔やむこと」(下掲同著・42頁)とある。拙僧の拙い調べでは、『教会法』のどこに書いてあるのか良く分からなかった。

そこで、とりあえず以上の一文を読解だけ試みるが、教会法に基づく罰則というのは、真の痛悔の検証のために用いられており、罪の赦しが行われる前に科されていたということである。おそらくは、罪の赦しとは神に属する領域で、教会法は現世的であるという区分がなされているのだとは思うが、よく分からなかった。

【参考文献】
・マルティン・ルター著/深井智朗氏訳『宗教改革三大文書 付「九五箇条の提題」』講談社学術文庫・2017年
・L.チヴィスカ氏編『カトリック教会法典 羅和対訳』有斐閣・1962年
・菅原裕二氏著『教会法で知るカトリック・ライフ Q&A40』ドン・ボスコ新書・2014年
・ルイージ・サバレーゼ氏著/田中昇氏訳『解説・教会法―信仰を豊かに生きるために』フリープレス・2018年
・田中昇氏訳編『教会法から見直すカトリック生活』教友社・2019年

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