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つらつら日暮らし

約300字で仏教(50)

長谷川如是閑は「憤怒の多くは真なり、冷静の多くは偽りなり」(岩波文庫『長谷川如是閑評論集』357頁)という言葉を残している。しかし問題は、怒ったふりが可能で、演技者が多いということであり、どこまで本気なのかをなかなか伺わせないことである。また、仏教では怒りを「貪瞋癡の三毒」の1つといわれ、抑えるべきだとされている。

しかし、本当に相手が誤っていたりする時には、怒りを表現して指摘した方が、真意が伝わることもある。その意味では、怒りをただ捨て去ってしまうのは、方便を理解していないことの証拠だ。

怒りで我を忘れてしまうのはあってはならないことだし、普段から周囲に対して怒りをぶつけている場合は問題だが、普段怒らない人が敢えて怒りを表現するというのは、相当な威力があることだ。長谷川如是閑もそれをいいたいと思う。

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コメント一覧

tenjin95
コメントありがとうございます。
> ぜん さん

かの、如浄禅師も、弟子達を導くため「方便」として怒ったとしていますが、そのような先人の行履を忘れたくないですね。仰る通り、本気での指導もなくなりそうです。
ぜん
こんばんは
http://blog.goo.ne.jp/zen-en

怒りがなくなると、本気も薄らいでいくような気がします。
社会でも学校でも、もちろん家庭でも。
tenjin95
コメントありがとうございます。
> 無門 さん

そうでしたか。やはり、優れた先輩・先生というのは、ありがたいものですね。
無門
かつての上司で、普段温厚なのに、一度だけ怒られたことがありました。しかし、私が今まで社会に出て生きてこられたのは、そのお叱りがあってのことです。本心から感謝しています。
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