「子は大人になり 大人は親になる」
第66回カンヌ映画祭審査員特別賞受賞 の本作品。話題になってますね。
いい話でしたし、考えさせられました。
福山雅治演じる一流企業のサラリーマン。
リリーフランキー演じる電気屋さん。
この二家族の子供の取り違えの発覚から家族の絆が描かれたいる。
血を取るか、時間を取るか。ずいぶん深いテーマである。
だんだんと福山雅治さんが父親らしくなってゆく姿を通して、親もまた子供と共に親に育ってゆくものである。
そんなことを感じた。
私にも中学生の息子がいるが、いろいろと初めてのことや何やら。戸惑うこともまた、しばしば…。
以前、私の父とこんな話をした。
バーベQなどを仲間とする時、炭への焚き付けができることから重宝がられる。
田舎育ちの私は、毎年正月に餅つきは父と一緒にかまどに火をおこし。そして、その番をするのが役割だった。
焚き付けのコツは、その時父から受け継いだのだ。
父は、一言、
「一緒に、いろいろとやろうと思ってたからな~。」
一緒に、……このことが、大切なことなのだ。
こうやって、一緒に育ってゆくのだろうな~。
「仕事は客のため、引いては世の中のためにする。」
TBSドラマ「半沢直樹」の続編小説。「ロスジェネの逆襲」より
意志の強さを、ゴツゴツとした書体で表現してみました。
池井戸潤氏のファンでもある私。
ドラマが終わり、小説を再読した次第。
良い、悪いの構図をはっきりと描く同氏のスタイルは、話としてとても面白いものが多い。
社会人経験の中から書かれる作品は、舞台がビジネスの世界であることも、親しみやすいポイントかも。
セントラル証券へ出向になってからの半沢の活躍を描く。
今回も、自らの強い意志の元、親会社の東京中央銀行に喧嘩を売る。
「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。
その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。
自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく。
そういう連中が増えれば、当然組織も腐っていく。組織が腐れば、その中も腐る」
このスタンスは、半沢の仕事に対するスタンスがよく現れている。
自分のことではなく、お客の立場でものを考え立ち向かう姿は、相変わらず痛快です。
自分の利益。会社の利益に執着すること。
さも、仕事をしている気になる。
回りを見る目、聞く耳。他人を優先する気持ちの大切さを感じさせられる話である。
この小説を原作に、続編ないしは劇場版。企画されないかな~。
更に、側編も雑誌連載中のようですよ!