天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

東京はさみしいね

2006-06-05 23:30:00 | 日々
歩いていると、
「東京はさみしいね」という数人のおばあちゃんの話し声が聞こえてきた。

話を聞いてみると、こんな話だった。
バスに乗ろうと、バス停に行った。
バスの近くまで来たのに、
発車時刻になったバスは、
無惨にも目の前を走り去っていってしまったという。
昔は、バスの近くまで来たなら、
バスは乗客が乗り終わるまで待ってくれてがいたという。

昔の風景を思い出していたのだろう。
話を聞きながら、そうだなぁと少し納得してしまった。

以前、福知山線の事故の時にも問題になったが、
時刻表が合理的にたくさんの人を運びたいという思いから、
すでに秒刻み・分刻みで組まれている。

その時刻表通りに運ばなかったなら、運転手さんの責任になる。
そして、減給や訓練が待っている。
もし、一人を乗せるために時間をとったならば、
何十人もの予定を狂わせてしまうことになるかもしれない。

時刻表には、すでにたくさんの乗客が想定されている。
そこには、一人一人の顔が見えにくくなっているかもしれない。
昔は、一人一人の乗客が集まって、たくさんの乗客になっていただろう。
便利になるにしたがって、
一人一人の顔が見えなくなり、
たくさんの人というものとして判断されるようになったのではないか。
 
今日、村上ファンドの村上さんが逮捕された。
あるコメンテーターが、こう言っていた。
村上さんは、初めは「日本を変える」とがんばっていたが、
何千億と扱う金額が大きくなってきて、
お金に追われてしまった、と。

今回の事件、
自分とは関係がないと思っているが、
意外と身近な問題なのだと実感した。

(龍)