天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

「世間の常識と門徒」 ~占いやお守り・冠婚葬祭の儀礼と意味~

2009-06-14 20:01:59 | 天真寺
今日は、天真寺にて連続研修会が開催されました。

初めに、連研履修者であるOさんを中心に、天真寺のメンバーによる「正信念仏偈」の読経より始まりました。




今回の連研のテーマは
「世間の常識と門徒」
~占いやお守り・冠婚葬祭の儀礼と意味~
です。

そして、講師は天真寺住職。
「門徒物知らず」という言葉を中心にお話をさせていただきました。



お葬儀でこんなことを聞いたことありませんか。

・一膳飯に箸を立てる。
・遺体の上に魔よけの刀を置く。
・出棺時にお茶碗を割る。
・お棺をぐるぐる回す。
・清め塩を使う。 
・火葬場への行きと帰りの道を変える。
・棺の釘打ちをする
等々

これらは、死を穢れとみなし、タタリをうけたくないという考え方から生まれました。

現実には、誕生があれば死を迎えることは必然のこと。
「おくりびと」とあると同時に「おくられびと」である私なのです。(練馬のO先生の言葉)


その真実をみつめて仏さまとともに歩む道がお念仏の歩みです。

話し合いの中では、
・人間はなにかを頼りとしたい弱い生き物
・例えば、お守りをもって安心を得る
さまざまな意見が出ました。

確かに、「そうだ。そうだ。」とうなずく言葉ばかり。
しかし、仏教では「迷い」といいます。

あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、
自らの願いが叶う時を求めて生きていたならば今の自分は駄目な人間なのか。
今一瞬の大切さを見失ってしまってはいないだろうか。
そうではない、限りない縁の中で頂いたこの瞬間を「有り難いことです」と大切にさせていただく。

仏さまと共にある人生。
すべてが一期一会です。

一度しかない今を精一杯生き抜くのが、念仏者の歩む道ではないだろうか。

(龍)