新年早々、祭りへの出席要請が受けてての早くも当日になり、仕事を早めに切り上げて迎えの車を待った。
当初は夕方の予定でしたが、私の役目もないのか神様が宿入りする時間に迎えに行きますとの事だったが、果たして何時だったかは聞かずに待った。
日長になった昨今でも、19時ともなると流石に薄暗くなろうとする頃にようやく、迎えの車がやってきた。到着しても未だ何の音もしないし祭りらしき気配もないが、宿の家の門に大きな提灯台が据えられていて、門灯すら点灯させていない。是は習わしか節電かは聞けずにいた頃、遠くから太鼓の音が聞こえてくる。
21時もなろうとする時間にである。周りは既に寝間着に着替え就寝モードは居る時間に「ドンドン カ・カ・カ」テンポ良く鳴らす音だけが近づいてくる。 が、先に来たのはのは軽トラに乗せられた太鼓が一つ。
村の若衆が太鼓をたたき、ホラ貝が相づちを打つように吹き鳴らし、その他に聞こえるのは奇声だけであった。村の家々を回り御神酒を飲み、太鼓とホラ貝でテンポを刻み奇声で祭りムードを盛り上げているようだった。
前夜祭の夕べは、宿家の床間前に収まり神主の神事が厳かに始まり、さっきまでの奇声や太鼓バチをを御神酒の杯に持ち替え、宴会が始まった。是で前夜祭の行程は呑んで大騒ぎの夜となった。
普段の酒はたしなむ程度が付き合いにも休憩をいれながら、最後の一人を送り出す頃には日付が変わろうとしていた。
延々と呑み続けられる体力は私には持ち合わせていなかったが、休憩を入れたお陰で最後まで役目を全うできたように思うが、最後まで呑んでいたご当主は朝から呑み続けて、翌日も本番6時から集合だそうな。
五穀豊穣、健康祈願の神様らしいが其処まで付き合える熱意にも頭が下がる。それも、終わるまで4日間も掛かるらしい。今時夜中に奇声上げて御輿を座敷に鎮座なんて見たことない。
私には祈願どころか災難に思えるが地元の信仰心には敬服してきた。