街道を行け!

街道を行く日記

70年も山に登れば!(48)オールドエベレスト街道踏査復路

2024-12-02 21:11:19 | 旅行

 復路六日目!古い茶屋と老婆!

 前夜は、「キンジャ」の村に泊まった。明日はバスの来る「ジリ」に泊まる。今夜はその中間と考えて、ロッジを探しながら歩く。デオラリ峠を越えて二時間行くと、木造の古い茶屋があった。茶屋の前の物置風な建物に、「ROOM」の殴り書きがあった。前からロッジでは無く、こういう古い茶屋に泊まりたかった。早速、女主人と交渉するが全く言葉が通じない。とりあえず納屋を改装した部屋に入る。部屋にはベッドが三台備えてあった。古いが清掃してある安心できる部屋だった。荷物を整理し外に出て、山から引いてある水で体を洗う。暖かい炉の傍でロキシーを飲んでいると、高校生の長男が帰って来て宿のことを話してくれた。『家は5人家族であり、祖母は84才。両親は40代。姉は19才で、高校を卒業した後、家の仕事をしている。自分は17才で、高校を卒業したら大学で経済学を学びたい。宿は一泊20円。』

 私や家族の食事は、高校生と姉がテキパキと作ってくれた。84才の祖母は「蜂蜜入りロキシー」をグイグイ飲み、私にも勧める。古びた茶屋泊りは爽快だった。外は満点の星が輝いていた。

 


70年も山に登れば!(47)オールドエベレスト街道踏査復路

2024-12-02 18:43:46 | 旅行

 復路五日目その2!人新生の時代に輝く!

 ネパールの山村を旅して気付いたが、ネパールの山村の農業は「自己完結型」の農業である。家畜を飼ってその糞と枯れ葉で収穫物の肥料を作り、槇を植えて燃料にする。段々畑を下から順に耕作する事で、長期に渡って食料を収穫することが可能になり、食料の過剰生産や腐敗を防ぐ。こうした手のかかる農法を維持するためには、子供も大切な働き手になる。子供のころから普通に働くことで、こうした農法の実践者に普通に育つ。

 東大準教授の斎藤幸平氏は言う。『人新生の時代からの脱却は』『脱成長』のみによって果たせる。「人新生の時代」に、ネパールの山村人々の暮らしは、輝きを放つ。

 オールドエベレスト街道踏査復路五日目は、ラムジュラ峠3530mを超え、キンジャの町1600mに泊まった。


70年も山を登れば!(46)オールドエベレスト街道踏査復路

2024-12-02 06:00:48 | 旅行

 復路5日目、「人新生の時代」に!
 ネパールの山の人々の素晴らしさは『人力で、自分の力で』生活していることである。(ネパールでも都会の人々は違う。)。まず、道を見て頂きたい。平に切った石で舗装してあるが、全て人力で舗装した。荷は、人力や家畜で運ぶ。化石燃料は使わない。今、『人の生活が、地球環境に大きな影響を与え、地質学的な変化をもたらした。人新生の時代』に入ったと、東大準教授の斎藤幸平氏は言う。近年の気候変動を目の当たりにして、斎藤氏の論に異を唱える事は出来ない。アルプスやヒマラヤを上ると、氷河の後退に驚くばかりだ。

 SDGsやコップ21で、この危機から脱出する事は出来ない。ネパールの山の人々の様に、『協働して、自力で』化石燃料に頼らない生活を追求することで『人新生』の問題は、解決できると私は考える。

 今日は、久々に風の無い日になった。頭の上を、頻繁に飛行機が行き来する。風が無いのでカトマンズ~ルクラ間の航路が三日ぶりに再開した。溜まった乗客を捌くために、目一杯飛ばしている。『山を大切に思うなら、飛行機なんか乗るなよ。歩けよ。』、空に向かって叫んだ。