ある記事を読んだ。
主人公は40代男性非正規独身のモテないおじさん。
自分がこのおじさんだったら、どう思うだろうか。
仕事は非正規で毎日食べていくのがやっと。遊びに使うお金なんで無い。当然、老後の貯金などできるわけがない。
社会的にも脱落者と見なされ、相手にもされない。結婚なんて夢のまた夢で、女性からは人間扱いもされず、キモチワルイの対象である。
正社員になる希望も持てず、女性にも相手にされず、将来の希望もない。
割とそれがリアルだと思う。
でも、このおじさんは違った。
全てを捨てたのだ。
おじさんはどうしても女性にモテたくて、結婚したくて、日本を飛び出した。
英語なんて全くできないのに、自分を受け入れて結婚してくれる人を探して世界を旅することにしたのだ。
このおじさんは世界中で女性とコミュニケーションをとった。
日本だとキモチワルイの代名詞みたいに扱われていたおじさんが、普通に女性に話しかけてもらえて、いい雰囲気になっちゃったりする。
おじさんにとって幸せなのは日本ではなかったのだ。
最近、無理ゲー社会という本を読んだ。
今の社会で社会的にも金銭的にも人間的にも低位に扱われ、死にたいくらい苦しんでいる人が山のようにいる。
僕はこれはいじめだと思った。
社会全体が許容しているいじめ。
いじめのなかなか良い解決策は、いじめてくる人から離れて、自分を大切にしてくれる環境に逃げることだ。
逃げることも勇気なのだ。
おじさんはなかなか勇気があったと思う。
見下してくる人がたくさんいるなら、そんな人たちとはさっさとお別れして、自分を受け入れてくれる環境を探す。
このおじさんが示唆している現代的な価値はとても大きい。
折り合いがつけられないほど、生まれた土地、生まれた国が自分にとって合わないなら、自分に合う場所を探そう。
非暴力不服従。
暴力は使わない。
でも、従わない。
ガンジーを思い出す。
自分を大切にしてくれて、必要としてくれる人や場所は、世界のどこかに必ずある。