ビル・ゲイツはかつてこう言った。
「成功とはいい加減な教師だ。賢い人にも自分は負けるはずがないと思わせてしまう。」
物事が順風満帆に見えるときも、自分が思っているほど全てがうまくいっているわけではないという戒めの気持ちを忘れてはいけない。無敵な人間などいない。成功をもたらしたのが運であるなら、その兄弟であるリスクがそばにいて状況を簡単にひっくり返してしまいかねないことを自覚しておくべきだ。
サイコロジー・オブ・マネーという本の一節である。
この覚悟がどれほどあるだろうか。
浮き沈みの激しい経験を経て、人生は運だと思うようになった。
別に人生を悲観しているわけではない。
運だからと言って、諦めて、努力をやめて、何も考えずに生きているわけではない。
その上で、人生は運であると思う。
良いことにも、悪いことにも囚われない、そんな心の持ちようがとても大切な気がする。
なんだか世の中、勝ち組、負け組と、とにかくうるさい。
マウント合戦の世の中。
勝っても負けても、極論、それは運である。
勝ったらどこかで負けるし、負けたらどこかで勝つ。
そんなものに一喜一憂して疲れないのだろうか。
そんなもののどこに充実感があるのだろうか。
薄暗い感情を一時満たせて、それで満足だろうか。
そんなに勝ちや負けが重要だろうか。
かつて素敵な言葉に出逢ったことがある。
「一隅を照らす。」
この言葉の説明はしない。
それでいいのだ。
この言葉に出会えたことも運だ。
こういう素敵な言葉に出会う努力は続けていきたい。
何よりそういう感性は忘れないでいたい。
時代は変わろうとも、人間が思うことはそうは変わらない。