写 真 散 歩

特別じゃなくて、普段の散歩のときに見つけた
モノを写真で綴る、ページです。

ISO感度と増感の相関関係

2009-05-17 | 機材考察など
こんな換算表を作ってみました。

S/Nの話をしたいのですが・・・この表の中で黄色く着色した部分を見て
欲しいのですが・・・
光量を仮に1,000,000-と言う値として、そのときのノイズの量を100とします。
(この数値に大きな意味は有りません、便宜上数値を適当に仮定しているだけで、
ただの比率です。)
これが標準というか基準に考えます。

基準と成るAのケースのカメラでISO1600の時のS/N比は0.0016です。(赤の文字です。)

ノイズ量がAのカメラの4倍発生する撮像素子を持つ(小面積又は画素ピッチの狭い撮像素子)
ノイズが4倍のCのケースのカメラでISO400の時のS/N比も同じく0.0016です。

では、このS/N比だけが同じと言うだけで画質の評価をしたときに、
この写真は、同等の画質と言い切れるでしょうか???

このときのAのケースの光量と、Cのケースの光量に注目して欲しいのですが・・・

Aのケースでは基準のISO100から4段感度アップをしているので、
ISO100の時と比べると1/16の光量しか有りません。
ISO100の時の光量を100%とすると実に6.25%の光量しかうけてないことに成ります。

一方、Cのケースは、ISO100から2段感度アップをしているので、
ISO100の時と比べると1/4の光量です。同じくISO100の時の光量を100%とすると
25%と言うことです。ここまでは良いでしようか・・・

良く一般に言われることですが・・・
増感して高感度を使うとノイズが増えるというのはよく言われますが・・・
増感すると光量が減っていくという考え方は余りしないような気がします。
先ほどの表を見てもらうと一目瞭然なのですが、感度が倍に成るたびに、
光量は半分ずつに落ちていくのです。

撮影する時を、思い浮かべて欲しいのですが、絞りを一定にして、
ISO感度を100の時に1/250のシャッターが切れていたとき適正露出とすると・・・
その状態から、ISO感度を倍の200にセットするとシャッタースピードは倍の
1/500が切れるはずです。
つまり光量は半分に成るので1段アンダーの写真が撮れるはずです。

同様に、感度を上げてISO感度は1600に成りました。
先ほどと同じように、絞りは一定です、ISO感度を100の時に1/250でしたから
4段速い1/4000のSS速度です。
このときの光の量は1/16しか光を受けることが出来ないので4段アンダーの
写真が出来ます。

撮影時、撮像素子に届いた光を電気信号に変換するときに、
信号レベルを16倍することで4段アンダーの写真は元のISO100の時のレベルと
同じレベルまで回復しますが、うけた信号の元になる光の量も
1/16しか受け取っていないので、この信号の中に含まれる情報量も少ないことに
成るのは、理解してもらえるでしようか???

ここで、黄色で着色した部分に注目して欲しいのですが・・・
現実の様々なフォマットで撮影された写真を比べてみると、現実に即応した
結果と、良い感じで相関性が有ると思うのですがどうでしょうか・・・

フォーマットの大きなカメラほどセット出来るISO感度の幅が広いこと、
何故コンデジなどはフォーマットのちぃさな撮像素子を使うカメラは設定の幅が
狭いのか・・・
コンデジでも、低感度で撮影したときは画質が綺麗なこと
(破綻しないこと・・・当たり前ですが)

フィルムの時代が終わって、現実にISO 100のフィルム、ISO400というフィルムは
デジカメの場合は、物では無くなって、ただ単にカメラにセットする、
パラメータの一つに成ってしまった感が有りますが、
それでも同一の感度にセットしたときは、どんなカメラでも適正露出の場合、
絞り値が同じなら、同一のシャッター速度が得られるというのは、
これは動かし様の無い写真の世界の決まり事だと思うのですが・・・

この表を作りながら考えていたのですが・・・
ISO100の時とISO感度25,600の時との光量比についてなんですが、
実に1:256と言うとんでもない物です。
高感度に強いカメラは基礎感度がISO100~でなくISO200始まりに成っていること、
それと最近はやりの、ダイナミックレンジを拡張する画像処理エンジンの
仕掛けとか、カメラの内部でどんな演算をしているのか知るよしも無いですが・・・
デジカメの現在の撮像素子は、明るい方の伸びはもう一つらしいですが、
暗い方の感度は結構伸びるようでフィルムの時代ならある程度の暗さより
暗くなった時点でばっさりと黒くつぶれてしまっていたのが、なかなか真っ暗に
成らないそうです。カメラ関係の雑誌にも今月号か先月号かでこのような記事が
書いてあったのですが・・・私もこの記事の内容についてはなるほどなぁと思って
読んでいました。

実際の撮影するときも、白飛びは救えないけど黒つぶれに関してはRAWで撮って 
おけば結構救済することが出来ます。実際の撮影における実感と一致していますね。

それにしてもISO感度25600の時の光量がISO100の時と比較して1/256しか無いと
聴くとまるで暗視カメラの様ですね。
7段とか8段アンダーの画像を普通に見れる画像にしてしまうなんて・・・
技術の進歩は凄いと思ってしまいますが、私の常識の中ではそこまでして
復元された画像に対して、本当に失った物は無いのかと、心配で成りません。


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4 コメント

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Unknown (くま日和)
2009-05-17 21:10:27
1年程前、何かの記事かあるいはネットのプレビューかで各社のフラッグシップの高感度時の画像比較みたいな事をやっていました。(私がNikonを避ける様になった原因です。^^;)
その時にはISO感度100から3200までの画質比較をやっていました。
確か山の遠景を撮った画像だったと記憶しているのですがD3とD300ではISO感度100では今ひとつはっきりとしなかった山の裾野の稜線がISO3200では明らかにISO100の時よりもはっきりと等倍拡大した画像には写っていました。
またその裾野にはISO100の時の等倍拡大画像では確認されていた小さな人工物(小屋の様な感じでした)がISO3200の画像では無くなっていたんです。
これがE-3やK20Dではノイズこそ多いモノのISO3200の等倍拡大画像でもその人工物はちゃんと見て取れました。
この時、当時のNRの仕方に大きな疑問をもったのですが、今ではうっすらとその現象の理由が分かる気がします。
要は画像処理エンジンのチューニングの仕方だと思うのですが、高感度耐性に優れていると言われていたD3やD300はNRをきつめにかけると言う前提の元で画像生成されていてその時には山裾の稜線の様な線で描かれる部分は再現も比較的容易なのですが、豆粒程の人工物はノイズと判断され消されてしまったんでは無いかと思っています。
この事はNikonで星の撮影をする際にも問題視されていた様に思います。ちいさな星の瞬きはノイズと認識してしまう。。。
カメラと言うメカが導き出す階調性に大きな疑問を抱いてしまった瞬間でした。
その点True-Picは忠実に写し出した絵を再現しようとしている様でこちらは逆に充分信頼のおける処理プロセスだと今でも思っています。^^
世間一般の流行に流される事無く持ち前の頑固さでオリンパスにはこの姿勢を貫いてもらいたいと思っています。
返信する
今晩は、くま日和さん (Mura@管理人)
2009-05-18 20:26:52
的確なコメントだと思います。
続編を書こうと思っていたことを先に書かれてしまい
ました・・・>汗
私も、フォーサーズ以外は所有していないので、
他社のカメラを比較するのは雑誌とかHPに掲載された
サンプル写真しか比較のしようが無いのですが・・・
常用域で撮る限り、負けたなぁと思える画質では
ないのですよね・・・ちぃさい撮像素子なのですが、
レンズも含めて馬鹿正直というか、私はオリンパスの
絵づくりには好感を持っています。
高感度の特性を優先するばかりに、階調性とか
色乗りの悪い絵に成るのなら、私は例え高感度は
ダメでもISO100の時の絵ならE-1とかE-300は、今でも
十分通用する絵を吐き出してくれる名器だと思います。パナの撮像素子に変わってから、少しチューニングは変わりましたが、私はE-3の絵も気に入っています。他社がどういう流行に走ろうとも、オリンパスは
我が道を行くで・・・頑張って欲しいと思います。
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Unknown (M2)
2009-05-19 09:12:05
一度読んでも頭に入らなかったので、
二度読んでからコメント、、、してもダメかな(^^;

他社は知らないのでコメントのしようもないのですが、
E-1を使っていて、その暗部の出方には感心してしまっています。
殊更に出るからといって出すわけでもないのですが、
レンズによってもここの部分の階調がかなり違っているのが分ります。
フィルムでは拾えていなかった部分ですよね。
(ここらはE-1に限らずデジタルの特性でしょうけど)

基準感度での確かな画質。
これがオリンパスデジカメの特徴的な部分ですが、
これが最近はちょっと変化してしまってきたようです。
良い悪いではないのですが、ちょっと残念にも思っています。
(高感度最優先なら、Nを使えば良さそうですしね)
なお、明るいレンズを使って昼間の撮影が主だと、
基準感度(ISO100前後)以下が欲しい状況の方が多いですね。
ISO200からだと、ちょっと使い難いんです(笑
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M2さん、こんばんは (Mura@管理人)
2009-05-20 00:38:58
この偏の話・・・自分でも周りの人の意見が
聴きたくて、この記事書いたのですよね・・・>汗

自分で使っているカメラの感度とノイズの相関関係は、ある程度掴みつつあると思っているのですが、
いかんせん言葉で他の人に説明しようとすると、
とても難しいことなんですよね。
フォーマットの根本的なサイズの事、またその
集積度の違いとか、構造的な差異とか・・・
考え出すとホントにキリがないです。
現像時に調整出来る分は、使いこなしでいろいろと
工夫すればいいことで、撮影する対象によって
得意・不得意は出て当たり前の事なんですよね・・・
高感度のメリットとデメリットを把握した上で、
上手にカメラを使いこなしたいなぁと言うのが・・・
趣旨だったのですが・・・書いている間に
煮詰まってしまいました。>汗

結局は、低感度優先(4/3?)か高感度優先かのどちらか
に特化したチューニングになってしまって、両立は
無理な感じなのかなぁ・・・
と言うことに思い至りました。昔みたいに
撮る対象に応じてフィルムが詰め替えられたらと
思う今日この頃です・・・
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