来春卒業予定の大学生の就職内定率が過去最低だそうです。
10月1日時点で57.6%。
4割以上の学生が内定をもらえない、異常な事態です。
ましてブランド力のある有名大学以外はかなり厳しいでしょう。
最近私の業界に入ってくる新人も、昔だったらあり得ない有名大学のオンパレード。
もうちょっと良い就職先あったんじゃない?と聞きたくなるのをぐっとこらえます。
私自身、有名大学卒ではないので、よく分かります。
都市銀行に就職活動に行ったら大学名を聞いただけで門前払いを食らった、という同級生もいました。
そのせいか、学校教員や公務員、研究者を目指す学生が多かったように思います。
学生の頃、あるゼミで、前の週欠席した四年生が「就職活動で」と言い訳したら、教授が「卒業してから就職活動しろ」と言ったことを思い出します。
20年前はまだ学問が学生の本分、という雰囲気が大学に残っていました。
今大学教員がそんなことを言ったら大変です。
大事な学生様を無事社会に送り出すことが大学の本務になってしまいましたから。
私が就職した当時はバブルの終わり頃で、会社を選ばなければ、内定をもらえないなんてことはまずありませんでした。
むしろ企業が内定をだした学生を囲い込むために、解禁日に温泉旅行に連れ出して、他の会社と接触をとれないようにする、なんて当たり前でしたし、甚だしきにいたっては、嘘か誠か、吉原の高級店を借りきって男子学生を閉じ込めた、なんて噂も耳にしました。
昔の光、今いづこ。
フリーターやらニートやら非正規雇用やら、正規雇用でもボーナス激減とやら、景気の良い話はありませんね。
今就職活動に奮闘している学生さんには、建前の激励も本音の注告も空しいかぎりです。
時代が悪すぎます。
贅沢言わずにどんな会社でも受けろ、なんてとても言えません。
人それぞれ職業に夢や希望を持っているでしょうから。
就職浪人を避けるためにわざと留年するなんて泣くに泣けない話も耳にします。
どんな職業に就くにしろ、バラ色の世界が開けることはありませんし、嫌なことのほうがはるかに多いということと、人間は自己を肯定する欲求と能力を持っているということを頭の片隅に置いてはいかがでしょうか。
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